カナダで銀行口座を開設する

お金の管理・支払い

長期滞在の場合、現金より小切手

カナダの人々は多額の現金を持ち歩かないで、買い物などの決済はカード、公共料金の支払いはチェックと呼ばれる小切手で行います。数週間や数ヵ月の短期留学なら現金とクレジットカードの併用で不便はないですが、長期にわたって留学するときは、現地で銀行口座を開設してインタラクティブカード（日本でいうデビットカード）や小切手帳を作ったほうが安全で便利です。

銀行口座の開設

口座の種類

カナダにはBank of Montreal（バンク・オブ・モントリオール）、Royal Bank of Canada（カナダロイヤル銀行）、CIBC（Canadian Imperial Bank Of Commerce：カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース）、Scotia Bank（スコシアバンク）、TD Canada Trust（TD カナダトラスト）という各地に支店をもつ5つの大きな銀行のほかに、地方銀行や信託銀行などたくさんの銀行があります。口座には、普通預金（Saving Account）、当座預金（Current Account）、定期預金など日本と同じような種類があります。他に日本では見かけず、かつ活用度が高い口座に（Checking Account）があります。日本のように支払いを振込あるいは銀行引き落としする習慣のないカナダでは、公共料金や家賃の支払い、買い物は前述のように小切手を利用しますが、この小切手を発行できる口座が（Checking Account）です。

銀行の選び方

ホームステイや寮など住居に近いところ、あるいは学校に近い銀行を利用すれば便利ですが、ATM（自動預金引出機）があるところ、また引っ越しを想定し、各地に支店がある銀行を選んだほうがいいでしょう。カナダの銀行は日本と違い、口座に一定額以上の残金がないと、毎月口座の維持手数料が徴収されます。この必要最低預金額や口座維持費は、銀行や口座の種類によって異なります。また、大学の近くの銀行や支店によっては、学生用の口座（Student Account）を設け、通常より低い必要最低預金額を設定しているところもあります。さらに、日本から送金してもらう場合は、大手銀行のほうが振込日数や受取手数料の面でも経済的なので、こうした総合的なことを考慮して口座開設の銀行を決めましょう。

銀行口座の開設に必要な物

・SIN（Social InsuranceNumber）

・二種類のID（身分証明書）

・現住所を確認できるもの

・最初に預けるお金

カナダに居住している（住所がある）人なら、外国人でも銀行口座を開設することができます。銀行に口座を開設する際には、SIN（Social InsuranceNumber）や二種類のID（身分証明書）を持参しましょう。IDは学生証、パスポート、運転免許証（カナダの運転免許証）など写真が貼付されているものを二種類持参してください。現在の住所が確認できるもの（光熱費の請求書やアパートの賃貸契約書など）も必要。Checking Accountを解説する場合は必ずしも必要ではありませんが、口座によっては残高が設定されている場合もあるため、事前に確認しましょう。

小切手の使い方

Checking Accountを開設すると小切手帳を発行してもらえますが、住所や名前が印刷された正式な小切手帳が届くまでは、仮の小切手帳が発行されるのでそれを使います。小切手帳の模様などは数種類の中から自分で選択可能。小切手には以下のことを1枚、1枚記載して使用します。
1. 日付
2. チェックを受け取る人（会社）の名前
3. 金額
4. サイン（銀行に届け出のサインと同じ）
上記をひとつでも書き忘れると、受取人が現金に替えることができずに、トラブルの元になるので充分に注意を。また、サインはいつも同じものを使用する必要があります。

小切手の現金化

現金が必要になった場合、小切手の支払先に自分の名前を書き、銀行に持っていけば明記された金額分、現金に替えることが可能。ただし、自分の口座を開設した銀行に持参を。友達に何かを譲ったり、立て替えたりして、小切手でその代金を受け取った場合、自分の小切手を現金化するのと同様、自分が口座をもつ銀行に持っていけば、現金に替えられる。しかし、小切手の振り出し銀行と口座を所有している銀行が異なる場合には、小切手の現金化には約1週間ほどかかる。だから、残高を常にチェックし、残金不足にならないように注意しましょう。また、小切手で支払うときや現金化には、必ず身分証明書の提示を求められるので、パスポートや学生証を持参するようにしてください。