今の時代に留学する意味
あなたにとって留学へ行く意味とは?
学校や職場などで留学、特に短期留学を経験された知人・友人・同僚はいませんか。留学経験者の中には留学する意味ないよ、なんていう人も少なくありません。なぜそんなことを言うのかは人それぞれですが、留学してなにも得ることができなかった人なのかもしれません。
確かに短期留学では飛躍的に英語力を伸ばすことは難しいかもしれません。しかし、海外生活で得る経験は大きな財産、今後の成長につながります。
留学に興味を持っているのに、行く意味がないという意見もあり、決断に揺れている。語学留学することが自分の成長につながるのか知りたい。なぜ語学学校に通ったのに、英語が上達した人としなかった人がいるのか、その違いは......など、留学を検討しているのに色々と迷っている人のために、「留学する意味」について考えてみましょう。
なぜ語学留学の意味を問う人が多いのでしょう
留学するとどうなるの?どう変わるの?など、漠然と留学をしたいと思っている人の多くは、留学をする意味や理由が見つけられていなかったりします。周りの留学経験者には「語学力は伸びなかったけど楽しかったよ」とか、「日本人が多くて日本語ばかりだった」など、留学の効果にネガティブになるような意見を持つ人もいるかもしれません。
周りの人が留学するから私も留学しなければではなく、留学する目的、留学した際の目標などをしっかり定め、強い意志を持たないと留学しても何も成長せずに帰国することになります。どんなに短い留学でもせっかく留学するのだから、何かひとつでも自分を変えて帰って来るのだという意識を持ちましょう。
"意味ある留学をした"とはどういう状態?
文部科学省の調査※によると、留学経験者の約92.5%が「留学に満足できた~おおむね満足できた」と答えています。つまり、留学の意味を実感している人が9割以上ということ。では、留学満足度はどんな要因で高まるのでしょうか。
留学先や渡航期間、年齢性別でも多少の異なる満足度が得られたようですが、興味深い要因は「留学前後の自己評価の伸び」です。自己評価は、以下の23項目のアンケート調査により計られています。
留学効果に関する23項目の質問
- 自分から課題を見つけて取り組む
- 仲間に働きかけて改善のために行動できる
- 自ら目標を設定し行動できる
- 現状分析及び課題の提示ができる
- 解決プロセスを考え実行できる
- 新しいアイディアを提案できる
- 自分の意見を整理し伝えることができる
- 相手から意見を引き出すことができる
- 相手の意見や立場にあわせた柔軟な対応ができる
- 自分と周囲の関係性を理解できる
- その場のルールに従って行動できる
- ストレス状況での前向きな対処
- 文化背景の異なる場でのリーダーシップ
- リスクを取ることができる
- 不十分な外国語力であっても、積極的に発信できる
- 異なる文化的背景を理解できる
- 外国人と交流がある
- 専門分野へのモチベーション
- 語学へのモチベーション
- 留学先社会・文化への知識
- 社会問題への関心
- 男女共同参画の重要性の認識
- 将来の方向性への明確な考え
留学後のアンケートの方が、23の評価に関してよりポジティブな回答が多くなる結果が出ています。「英語力を上げたい」「海外で友達を作りたい」「就職で有利にしたい」など、留学する理由は人によってさまざまですが、何よりも"留学を経て自己成長を感じる"ことに留学の意味を見出せるのだと考えられます。
今、自分に足りないと感じている能力はありますか?自分のどんなところに自信がないですか?オンラインやAIなど、語学学習については国内だけでさまざまな選択肢がある今、意味のある留学をするためには、この問いをできるだけ具体化することが大切です。自己成長を感じるために、留学中にどんなことを達成すれば良いのか、留学プログラムも含めてプランニングしていきましょう。
※日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究|文部科学省 委託事業
プログラム別で見る!留学で得られるもの
海外留学といっても、種類や方法はさまざまです。留学によってどんなことを学びたいのか、どんな経験を積みたいのか考えることで、より意味のある留学を実現できます。
語学留学
得られるもの
・語学力
・異文化コミュニケーション能力
・異文化理解
・問題解決力
・海外の友達
語学力(英語力)を重視するなら、語学学校に通い集中的に語学を学ぶ語学留学が選択肢になります。言葉はもちろん、価値観や宗教観、文化など、さまざまな違いがある中で学生生活を送ることで、得られるものは数多いです。
ワーキングホリデー
得られるもの
・語学力
・海外就労経験
・異文化理解
・問題解決力
・主体性・積極性
自由度の高いワーキングホリデーでは、語学留学よりもより主体性や積極性が求められます。一年間というワーホリ期間をどう使うかは自分次第。海外での就労経験を経て、グローバル人材として大いに成長できるチャンスが転がっています。
資格取得
得られるもの
・語学力
・資格
・異文化理解
・専門性
資格や学位といった明確的な成果があると、留学の意味を図りやすいです。英語教授法やCA、チャイルドケアなど、1年以内で資格習得や学位取得が目指せるプログラムがあります。留学経験をその後の就職や仕事に活かしたい方には大変有意義です。
留学が意味ない」はホント?
語学力を伸ばすことだけが目的だと、失敗しやすいです。留学に少なくないお金を払って、英語力の伸びを感じられないと、留学には意味がないと思っても仕方ありません。とはいえ、100%の英語環境を作れる海外留学で、なぜ英語力を伸ばせない人がいるのでしょうか。
留学で英語力を伸ばせない人の共通点
なぜ留学をしても英語力を伸ばせない人がいるのでしょうか。理由はたくさんありますが、留学すれば英語力が伸びると思っている、英語は教えてもらうものと勘違いしている、日本人同士で固まってしまう、などが挙げられます。
- 留学すれば英語力が伸びると思っている人
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海外に住んでいれば自然と英語に触れるので上達すると思っていませんか。ちょっと考えてみてください。日本に数十年住んでいるのに片言の日本語しか話せない人もいます。これと同じで住んでいれば伸びるということはないのです。
- 語学留学したことで留学の目的が達成できたと思っている人
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語学学校はあくまでも英語を話せるようになるためのきっかけづくりで、留学の目的ではありません。留学しただけで満足するのではなく、英語を話せるようになってどうなりたいか、しっかりとした目標を持っていないと、留学途中で自分がすべきことを見失ってしまいます。「必ず達成する目標」を決めておき、クリアするごとに目標レベルを上げていくことが大事です。
- 英語は教えてもらうものと勘違いしている人
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確かに語学学校に通い、英語を教えてもらいますが、使わなければなかなか話せるようにはなりません。泳ぎ方を教わり、実際に水中で練習するから泳げるようになるのと同じです。習ったことはなるべくその日のうちに何度も試してみましょう。できるだけきちんと基礎を学び、その基礎を元にいろいろと使い分けることも忘れないようにしましょう。
- 日本の友達に連絡したり、日本人同士でかたまってしまう人
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昔に比べると近年ではスカイプやLINEなどインターネットを使った無料通話を利用して簡単に日本の友達や家族に連絡ができるようになりました。この環境も留学で英語力を伸ばせない一因となっています。また、日本人同士で固まり、せっかく海外で生活しているのに日本語で生活していては、伸びる環境にいるのに伸びることはありません。逆に日本人を避ける人もいますが、これも留学生活で困ったときなどは心細いもの。適度にお付き合いをし、本当に困った時に相談できる日本人の友達は作っておく、くらいの方が良いでしょう。
このほかにも英語を伸ばせない理由はたくさんありますが、英語を話せるようになり、どうなりたいか意識、目標をしっかり持って留学をしましょう。
語学留学で英語力はどこまで伸びるの?
英語習得には最低3~6ヵ月
成功する留学のカウンセラーより
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一般的な英語力向上のペース
単なる音の洪水にしか聞こえなかった英語がフレーズとして聞き取れるようになってくるのに、3ヵ月。母国語に訳さず、英語で理解し英語で答えることがスムーズにできるようになるのに、半年(6ヵ月)。日常生活に支障がないところまで上達するのに半年から1年ほど。個人差はありますが、これが一般的な英語力向上のペースです。
留学中にどれだけ英語力を伸ばせるかは、自分の努力次第。ただし、最低でも3~6か月の中期留学でなければなかなか伸びを実感できないよう。
「語学留学を通してどこまで英語力は上達するのでしょう?」という質問をされることがあります。意識を高く持って学ぶことで、どこまででも上達することができます。しかし、どんなに話せるようになっても完ぺきだったと感じることはないように思います。常に話せる人(ネイティブ)と比較してしまい、まだまだと感じている人の方が多いようです。
また、ネイティブのような発音になるためには、こども(3歳ぐらい)のころから英語を話していないと英語を話す骨格ができないため、難しいそうです。せっかく語学留学をするのであれば、「英語力はどこまで伸びるの?」ではなく、『どこまで伸ばしたいか』という目標を持つことが大切です。
まとめ
皆さんがきちんと目標や目的を設定することで留学のゴールが見えてきます。ゴールするために何をすべきか考え、行動し、どんな経験を積むか。これを事前に考え、実行することで、留学期間に関係なく「意味のある留学」になります。まずは自分なりの「留学する意味」を考えてみてください。もし、留学する意味がどうしても見つけられない場合は、経験豊富な留学カウンセラーに相談しながら一緒に見つけていきましょう。
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留学の意味は語学力向上だけでない
「英語力以外にもどのような経験をすることができるの?」という疑問をもつ人も多いのですが、「どのような経験をすることができるのか」ではなく、「どのような経験をしたいのか」で大きく留学の成果は変わってきます。
留学先で語学学習以外に何ができるのか自分で調べ、実行することが大切です。調べた結果、やってみたいことや、経験してみたいことが出てくることで、どうすれば経験できるのか、どのぐらいの語学力があればやれるのかなど、「考える力」⇒「考動力」が身に付き、グローバル社会に必要な3要素のひとつが自然と養われます。