入国制限が緩和され、海外との行き来がしやすくなった今、再び海外留学に挑戦する大学生からのお問い合わせが急増中!コロナ禍を経て、オンラインでも就職活動がしやすくなったことから、大学生の留学とキャリアについての考え方にも、大きな変化があるようです。
今回は、留学経験を帰国後の就活に活かしたい大学生に向けて、留学と就活を両立させる成功パターンをご紹介します。「4年間で卒業できる?」「出発や休学のベストタイミングはいつ?」と留学準備に悩んでいる大学生は、ぜひ参考にしてみてください。
留学と就活がかぶる?両立のための必勝スケジュール
最も多いパターンは、大学3年生の春出発。就活の情報解禁に合わせて帰国するなら、秋出発よりも長い期間留学・ワーキングホリデーに行けるのがメリットです。翌年3月の本選考が始まる前に帰国し、留学後すぐに就職活動を始めます。
もちろん、留学を考え始めるタイミングは人それぞれです。大学2年生で休学して、憧れの留学を実現する人。3年生で就活前に自分の強みを見つけるため、留年して留学を決意する人。大学4年生で卒業後に、海外を目指す人もいます。
どちらにしろ、留学期間中に国内の学生は就職活動を始めています。留学生は、余裕を持って帰国後の就活をスタートさせられるよう、出発前から動き始めましょう。
大学2年の春/秋出発スケジュール
大学2年次で出発する場合、就活とかぶることなく、余裕を持った留学生活が過ごせます。2年生は単位取得に忙しい時期ですが、留学や就活のために留年する必要がないので、4年間での卒業を実現しやすいです。
ただし、大学によってはゼミの選考期間と留学期間がかぶることがあります。希望のゼミがある場合は、事前に選考方法について先生に確認しておくのがおすすめです。
大学3年の春/秋出発スケジュール
大学3年次で留学する場合、1年休学をして渡航される方が多いです。みなさん就活を意識した留学になるので、自分に必要な強みを持って帰るために、現地で積極的に行動されています。
大学3年生で留学と就活を両立する場合、出発前からの計画的な準備が大切です。出発前に必要な単位を取っておく、就活に関する情報収集を終わらせておくなど、帰国後すぐの就活に備えたスケジュールを意識しましょう。
大学4年の出発スケジュール
大学4年次で留学相談に来られる場合、すでに内定が決まっている人が多いです。そのほか、留学で改め自分を見つめなおし、就職浪人をする人もいます。
留学中に同時に就活を行うか、海外現地での就職を目指す、といった選択肢もあります。
データで分かる!留学経験が就活に有利になる理由
準備期間がしっかりと取れないため、「留学をすると就活に不利になる?」と心配な人もいますよね。
実際、『成功する留学』で渡航した大学生の中には、帰国後に希望の企業から内定をもらった人もたくさんいます。留学経験が就活に有利に働く、その理由を見ていきましょう。
留学経験者を積極採用したい企業が約6割
文部科学省の留学促進キャンペーン『トビタテ!留学JAPAN』の調査によると、企業採用担当者の64.1%が、「留学経験者を今後積極的に採用していきたい」と回答しています。実際に採用を受ける大学生を対象にしたアンケートでも、83.6%もの人が「海外留学の経験が就活に良い影響を与えた」と実感しているんです!
さらに、企業の規模が大きくなればなるほど、留学生を採用する意欲はより高くなる傾向があるそう。留学経験を面接でどうアピールするかは採用に大きく関わってきますが、事実として企業と学生ともに、留学経験が有利に働くと感じている人が多数派のようです。
参考: 2024年度「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況に関する調査結果(株式会社ディスコ)」
留学経験者は就活でここをアピールするべき!
企業が留学経験者に求めるのは、意外にも「語学力」が一番ではありません。実際に企業が留学経験者にどんなスキルを期待しているのか上位3位をご紹介。面接で留学経験を効果的にアピールすることができます。
参考: 2024年度「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況に関する調査結果(株式会社ディスコ)」
1位 チャレンジ精神(68.7%)
言葉の壁がある中、知らない土地で生活するのは簡単なことではありません。大学時代に自ら留学を決意した動機は、企業への大きなアピールポイントになります。ビジネスの上で重要視される"チャレンジ精神"はもちろん、「自らの意思で留学を決めた」という主体性や向上心も、就活において有利に捉えられるでしょう。
2位 コミュニケーション能力(62.1%)
日本語が伝わらない海外ではなおさら、相手の意図を正しくくみ取り、自分の言いたいことをハッキリと伝えるための"コミュニケーション能力"が鍛えられます。留学先で言葉の壁がある中、「グループワークでリーダーとして活躍した」「インターンシップに参加した」といった経験があれば、就活でもどんどんアピールしていきたいところです。
3位 広い視野で物事を捉える力(49.9%)
留学経験者とそうでない人の大きな差は、国内外のさまざまな価値観に触れているかどうかです。やはり、海外には日本でできない経験もあれば、なかなか出会えない人もいます。日本の常識が通じない海外で、マイノリティーとして過ごした経験から、企業が求める"広い視野"をアピールできれば、他の就活性との差別化になります!
留学で求められるスキルを磨く!おすすめ留学プラン
留学経験を就活に活かしたい大学生には、カナダの『Co-opプログラム』がおすすめです。
Co-opプログラムとは、カナダの専門学校やカレッジに留学するスタイル。コースの中に有給インターンシップが組み込まれているので、帰国後にビジネススキルをアピールしやすくなります。
日本国内でインターンに参加できなくても、現地の多国籍な環境で働く経験ができるため、就活でも有利にアピールできるのがメリットです。
留学生のよくある就活失敗談
留学生のよくある失敗例から、就活を成功させるためのポイントを学びましょう。
失敗例①:就活に間に合わなかった...!
\例えばこんな人/
・大学3年生の9月~2月に休学留学
・留学準備に追われて就活はそこそこに出発
・留学先では学校と海外生活に全力集中
3年生になってから留学を考え始め、9月出発を目指し留学エージェントに相談しながら準備を始めます。7月~8月は夏休みのアルバイトと留学準備に追われ、特に就活に関しての情報収集もせずに出発時期に。
なんとなく就活の意識はあったため、選考開始前に帰国したものの、国内で就活を進めていた友達との差に愕然...。エントリーシートや面接対策にしっかり時間をかけられず、おまけに希望の業界は締め切りに間に合わない事態となりました。
★学び:就活を有利に進めるには出発前から動き始めること!
大学3年生で留学をする場合、帰国後は就活の本選考真っ只中になります。留学前は手続きに忙しいところですが、留学と就活を両立させるためには、出発前や帰国前の留学期間に動き始めるのが成功のカギです。
自己分析や企業研究をする、志望企業の選考スケジュールを把握しておく、国内の友達から情報収集をする、といった就活のための準備をしておきましょう。
失敗例②:留学経験をうまくアピールできなかった...!
\例えばこんな人/
・大学2年生の9月~5月に留学
・語学学校の試験対策コースに入学
・帰国前にTOEIC850点をゲット!
なるべく長く留学に行きたいので、帰国後の就活にまだ余裕のある、2年生の秋から長期留学をスタート。留学経験を就活に活かすべく、語学学校はTOEICの試験対策コースを選びます。
留学中は学校の課題と勉強に明け暮れ、なんとか目標のTOEIC850点をゲット。大学3年生から周りの友達と同じように就活を始め、留学経験やTOEICスコアをアピールするものの、希望の企業からの内定はもらえませんでした。
★学び:留学経験を振り返って言語化しよう
一見すると、就活を見据えた留学ができているようですが、留学経験をうまく面接でアピールできていない学生の失敗パターンです。留学経験者の強みが"英語力"と思い過ぎているばかりに、企業が求めるグローバル人材像からズレてしまっています。
留学経験を就活に活かすなら、留学中の活動から効果的なビジネススキルをアピールしなくてはなりません。現地で目的を持って行動し、留学生活を振り返って、自分の強みや成長をしっかり言語化しておくと、面接でうまくアピールすることができるでしょう。
▼こちらも読まれています
・就職の面接官が、留学経験者に求める「力」とは
・留学を100%活かす!「成功する就活」
・ 失敗しない留学をするために、今やっておくべきこと
【留学体験談】留学後に志望企業から内定ゲット!
『成功する留学』を通じ、アイルランドで語学留学+インターンシップを経験したRさんの留学体験談をご紹介します。
留学前から目的意識をきちんと持ち、渡航前・留学中・帰国後と主体的な行動をしていたRさん。そのサクセスストーリーは、全大学生の参考になります。
語学学校はどうでしたか?
学校初日、思ったより日本人が多く、正直驚きました。でも、語学学校のクラス内では日本人ともすべて英語で会話をするようにして、学校外でも一切日本語を話さないと決めていたので、結果的に「日本人が多くて全然英語力が伸びなかった・・・」と困ることはありませんでした。
語学学校が始まり、最初の一歩目に勇気を出して、「全部英語で話そう」と言えたのが良かったのかなと今では思っています。クラスの雰囲気は和気あいあいとしていて、授業は楽しかったです。先生は質問に対して何でも答えてくれるので、とても勉強になりました!
アイルランドでのホームステイ生活はどうでしたか?
ホームステイ先のホストファミリーは本当に良い方たちでした。もともと2か月間ホームステイに滞在する予定だったのですが、結果的に9か月間、帰国の日まで住まわせてくれたんです。私のアイルランド留学は、ホストファミリーのおかげで成功したといっても過言ではありません!
アイルランドでのインターンシップはどんな内容でしたか?
私は、2か月間マーケティングスタッフとしてのインターンシップをしました。はじめはデータ入力などの事務作業がほとんどだったのですが、正直なところやりたい業務ではなく...。ほかの同僚と話す機会もなかったので、最初は職場環境について戸惑いました。
「このまま終わりたくない!」という思いから、マネージャーに働きかけ、結果的にインターンシップで満足のいく仕事ができたので良かったです。自ら発言する大切さを学びました。
語学学校以外で取り組んだことはありますか?
はい、留学前から「絶対に入りたい!」と思っていた企業があったので、空港で150名以上に声掛けをしてアンケートを取ったんです。
海外における、その企業の持つコンテンツの認知度調査など、入社後に活かせそうな内容を中心に作りました。
この取り組みは、実際の就活や帰国後にどう繋がっていますか?
志望していた企業から内定をいただきました!
このアンケートが内定につながったのかどうかはわかりませんが、「できることはやった」という自信に繋がりました。
実際に調査を行ったことにより、日本人消費者として見ていたものとはまた違った角度の課題を見つけることができ、ESや面接に活かすこともできました。
今後も集めたアンケートは大切に保管するつもりです。
【まとめ】大学生は就活を見据えて留学スケジュールを立てよう
留学後の就活の進め方が分からず、なかなか留学を決められていなかった人も、具体的なスケジュールをイメージできたでしょうか。
しっかり留学と就活を両立させたいなら、出発前からの準備が勝敗を分けます。どんな準備をしたらいいのか、留学先で自分の強みを見つけるにはどんなプランがいいのか、ぜひ経験豊富なカウンセラーに相談してみてくださいね。
この記事を監修した人
r.iwao
GIO CLUB株式会社「成功する留学」カウンセリング事業部チーフマネージャー
オーストラリアにて語学留学を約1年半経験したのちに、「成功する留学」で10年間カウンセラーを務めている。