地下鉄松江南京駅近くの路地裏に「蘭姥姥(ラン・ラオ・ラオ)」というお店がある。台湾料理のお店だが、ちょっと和食に近い感じの料理もあり、何を食べてもとてもおいしい。中でも、蟹肉豆腐は絶品だ。
大通りの南京東路から1ブロック逸れた裏路地にあるこじんまりとしたお店だ。初めて行くと、見つけるのに少し苦労する。
この看板を探してください。
店内もそれほど広くはない。写真の左奥に客席がある。週末や人数が多い場合は予約を入れることをお勧めする。
さて、ここからはひたすら蘭姥姥の絶品料理をご紹介しよう。
まずは、やっぱりこれ!蟹肉豆腐です。
カニみそが溶けたコクのあるスープにたまご豆腐を揚げたものと蟹肉が入っている。その他、海老やかまぼこ、枝豆、ネギなどが入っており、スープはとろみがある。土鍋で熱々の状態で出てくる。スープの深いコクとうまみ、そして揚げたたまご豆腐の、のど越しの良い食感がたまらない。このお店に行ったら、絶対に食すべき逸品だ。
(小250元・中350元・大450元 写真は小)
続いて牛筋大根、ほとんど和食のような料理で食べやすい。牛筋はトロトロに煮込まれており、コラーゲンの塊だ。味は醤油ベースで牛筋のだしがよく出ている。大根にもしっかり味がしみている。こちらも熱々の土鍋料理だ。
(小250元・中350元・大450元 写真は小)
海老と豆苗の炒め物は、シンプルだが素材の味が活きる一品。豆苗は、日本のものより、香りが強い。写真を見ただけでわかると思うが、海老はふっくらとしてプリプリの食感、新鮮なものを使っているようだ。豆苗のシャキシャキと海老のプリプリの組み合わせがすばらしい。
(小300元・中400元・大500元 写真は小)
中華料理の東坡肉(トンポーロウ)というより、豚の角煮に近いように思う。よく煮込まれており、油も落ちているので見た目ほどしつこくない。
(300元)
一見何の変哲もない白菜の煮物に見えるが、あなどってはいけない。開陽白菜という料理で、開陽とは干しエビのことで、炒めた干しエビとニンニクと一緒に白菜を煮込んだもの。味のベースは上湯スープで、そこに干しエビのうまみと香ばしさが加わり、それらを白菜がすべて吸い上げている。食べだすと箸が止まらない。
(小200元・中300元・大400元 写真は小)
スープとご飯も紹介しておこう。
蛤と冬瓜のスープは、蛤のだし、塩、しょうがだけで味をつけたシンプルながら満足度の高いスープ。料理は味の濃いものが多いので、スープはあっさりがいい。
(小150元・中250元・大350元 写真は小)
ご飯もののメニューはいくつかあるが、おすすめは青菜飯。青菜を細かく刻んだものが入ったご飯だが、青菜には全く味が付いていない。それだけに、蟹肉豆腐や牛筋大根との相性は抜群だ。おかずのこってり感を青菜が和らげてくれる。しかも、値段は一杯20元。
蘭姥姥(ラン・ラオ・ラオ)の代表的なメニューを紹介してきたが、おかず系だけでも40種類ぐらいは料理があり、この他にもおいしそうなものがたくさんある。できれば、数人で訪れていろいろ食べてみるのがおすすめだ。
店舗情報
蘭姥姥(ラン・ラオ・ラオ)
住所:台北市伊通街66巷3号
TEL:(02)2507-9353
行き方:地下鉄松江南京駅から徒歩2分
営業時間:ランチ11:30〜14:00 ディナー 17:00〜21:00
休業日:日曜日
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。