バーコード…太さの異なる縦縞の線が並び、専用の機械を使うことでそこから数字や文字が読み取れる識別子である。
シェムリアップに、数ヵ月前にオープンしたレインボーフラッグのバー&スパ、その名は「バーコード」。オーナの真意は定かではないが、単純にゴロ合わせとして、「バー(飲み屋の意)」と「コード(暗号、信号の意)」を合わせたものであろうと勝手に推測している。
街の繁華街であるパブストリートから小道を100メートルほど歩くと紫色の少し怪しげなネオンに到着する。
その入口には「Bardode Men SPA」の看板があり、ロゴデザインにレインボーに配色されたバーコードがあり、この店がゲイバーであることを暗に示している。
店舗はボロボロのクメール家屋を改装したものであるが、外観にはもはやその雰囲気はない。店内は青いライトと黄色いランプで照らされ、シックな内装と、重厚感のある装飾品やシャンデリア、そして高級感を漂わせるソファーや家具が並ぶ。それらほとんどはカンボジアで購入された物ではなく、オーナーが直接海外に買い付けに行き、コンテナで輸送されてきたものである。
パリッとした特別な空気を持つ店を抜けると、その先には緑溢れる小さなパティオがある。
そこにはヒンドゥー教シヴァ神を意味するリンガ(男性器)の噴水があり、流れ出る水が心地よい音を奏でる。
店内スタッフは全て男性。とはいえ彼らのすべてが同性愛者という訳ではなく、ただ、そういった嗜好に対して差別的な意味を持つ者もいない。
サーブされるドリンクは多種多様なカクテルやモクテル、そしてビールやワインなどとなり、17:00から19:00までがハッピーアワーとなり多くのドリンクが半額となる。また、19:00を過ぎると、静かな店内はだんだんと活気づき、フレンチタパスを片手にウェイターが店内を行き交うようになる。
訪れる者は、男性だけではない。在住女性や旅行者がふらっと立ち寄ることも多く、お気に入りのバーテンダーやスタッフと他愛のない会話を楽しみ、アジア特有の少しだけ萎びたアンダーグラウンドな雰囲気をゆっくり味わう。
夜21:30を過ぎる頃には店内はほろ酔い客でいっぱいとなり、中央のステージではレディボーイによるダンスショーが始まる。1つのパフォーマンスが約7分。10分間隔ほどで23:30まで一気に盛り上がる。
閉店時間は特にない。最後の客が帰るまでゆっくり付き合ってくれる。
そんな雰囲気を持つ良い店である。
【店舗データ】
店名:バーコード(Barcode)
料金:ビール一杯$2程度 ショー見学無料
住所:Pub street extension, new street A, Siem Reap
Tel:070-720044
URL:http://barcodesiemreap.com/
営業時間:17:00-夜遅くまで
休み:なし
ちなみに、店の2階に上がるとメンスパ(MEN SPA)がある。営業は昼の12:00からのオープンで夜遅くまでの営業(時間は決まっていない)。3室の個室があり、ボディマッサージ、フットマッサージ、アロマテラピーなどがある。
メンスパと書いているだけあり、男性による施術であり、施術を受ける者の多くは男性客である。
また、シェムリアップ初のゲイ専用フリーペーである、「ザ・シェムリアップゲイガイド」というフリーペーパーを出版しているのもこの店である。
せっかくの旅、ぜひ遺跡以外の滞在も満喫してみよう。