今年は建国50周年で盛り上がっているシンガポールですが、同じく2015年に誕生100周年を迎えているのが世界的にも有名なカクテル「シンガポール・スリング」。初めての方も、以前シンガポールで試したことがある方も、普段とは違うお祝いムードのなかで一杯楽しんでみてはいかがでしょう。
1915年にラッフルズホテルのバーテンダー、二グアム・トング・ブーン(Ngiam Tong Boon ) 氏によって作られたシンガポール・スリング。100年たった今も、当時と同じレシピで、同ホテルの ロングバー(Long Bar) で楽しまれています。平日の昼間から観光客で賑わうロングバー。バーテンダーさんによると、シンガポール・スリングはー1日300杯から、F1レースがシンガポールで開催する週末などは1日1000杯も注文が入ることがあるそうです!
シンガポール・スリングは、ジンベースのカクテルで、パイナップルジュースやベネディクティンDOM、ライムジュースなどが入っています。そしてチェリーブランデーとコアントローがカクテルをピンク色にしています。
ラッフルズホテルによると、20世紀初頭まだ植民地だったシンガポールで、紳士たちがブランデーなどを片手に集う社交の場となっていたのがロングバー。ただ女性が公の場でアルコール飲料を楽しむのはエチケット違反と考えられていたとのこと。そこで、そんな女性達にも楽しんでもらいたいという思いから、一見フルーツジュースのようなピンク色カクテルが生まれたそうです。
由緒あるラッフルズホテル敷地内を散歩すると、植民地時代の雰囲気が残る建物やや街の中心部にいるのを忘れるような緑を楽しめます。それに加え、今年はシンガポール・スリングをテーマにした特別なデコレーションも。敷地内を回って気分を盛り上げてからロングバーに向かうのもいいかもしれません。
ロングバー内のテーブルには無料のピーナッツが置いてあり、その殻は床に捨て放題!ゴミを道に捨てることが法律で禁じられ罰金が取られるシンガポールで、この演出(?)はユニーク。床はピーナッツだらけになっています。
100周年を記念して、シンガポール・スリングの作り方をロングバーのバーテンダーから直接学べるクラスも今年末まで開催中。参加者はドリンクを作りながら「サテー」(マレー式焼き鳥) をピーナッツソースで楽しみ、お土産に100周年記念ロゴ入りのシンガポール・スリングオリジナルグラスがもらえます。(最小人数10名より開催)
同ホテルのギフトショップでは、シンガポール・スリング100周年を記念したお土産も豊富。シンガポール・スリング風味のマーマレードやチョコ、そして私のオススメはシンガポール・スリングティー。ティーバッグ25袋入りなので、 2〜3袋ずつラッピングして友人におすそ分けするのもいいかもしれません。優しい味のするフルーティーなノンアルコール紅茶で、ホットでもアイスでも楽しめます。その他、定番のシンガポール・スリングミックスや、100周年記念ロゴ入りグラスやキーホルダーなどもあるので、ほろ酔い気分で覗いてみるのも楽しいかもしれません。
【店舗情報】
ラッフルズホテルシンガポール ロングバー(Long Bar, Raffles Hotel Singapore)
住所 : 1 Beach Road, Raffles Hotel Arcade, Level 2
電話 : +65-6412-1816
営業時間 : 日ー木曜日 11:00〜0:30 金・土曜日 11:00〜1:30
北野 洋子
2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。
旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。