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人気英国ドラマ『ダウントン・アビー』のロケ地〜ハイクレア城を訪ねて

   
木谷 朋子
木谷 朋子
 

『ダウントン・アビー』ってどんなドラマ?

ハイクレア城の前庭でのシーン

昨年(2014年)9月、現在日本でもNHK総合テレビで放送中の英国ドラマ『ダウントン・アビー』のメインロケ地「ハイクレア城」に行ってきました。

このドラマは、2010年にイギリス本国で放送がスタート。イギリス国内はもちろん、すぐにアメリカ、カナダといった北米エリアでも大ヒットし、次々に続編が放送!すでにイギリスでは昨年のクリスマスまでに「シーズン5」の放送が終了し、今年の「シーズン6」で物語が完結します。

日本では、ケーブルテレビ(スターチャンネル)で、すでにシーズン4まで放送中ですが、地上波放送では、2014年5月からNHK総合テレビで『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』の題名で「シーズン1」の放送がスタート。同11月から「シーズン2」も放送され、現在「シーズン3」が放送中(2015年5月31日で終了)です。

庭の方から撮影したハイクレア城

以前からこのドラマが始まるのを心待ちにしていた私は、「シーズン1」が始まったときには、いろいろな人に「見てね!見てね!」と言っていたのですが、だんだん周囲にダウントニアン(『ダウントン・アビー』のファン)が増えてきたのと、SNSなどで、ファン同士のつながりができ、ドラマのコメントを楽しんでいるせいか、最近はあまり口にしなくなってきました(笑)。放送から1年がたち、「ダウントン・アビー」関連のイベントも増え、イギリス好きを中心に、ジワジワと人気が高まってきています。

このドラマの時代設定は、20世紀初頭のイギリスです。当時の貴族社会は、18〜19世紀のような華やかな王侯貴族文化を続けていけなくなっていた時代。しかし、それ以前の貴族文化や慣習のようなものもまだ残っており、貴族にとっては大きな試練の時代でした。実際20世紀に入り、多くのイギリス貴族が資金難で没落していったことを考えると、「ダウントン・アビー」で描かれる貴族と、そこで働く使用人たちの生活は、リアリティにあふれ、かつ誰もが共感できる人間ドラマにもなっています。

ハイクレア城で貴族、使用人たちが一堂に集まる印象的なシーン

『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』「ダウントン・アビー」
シーズン1〜3 ブルーレイ&DVD発売中、DVDレンタル中
発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
Ⓒ 2010-2012 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved.
ブルーレイ&DVD公式サイト⇒ WEB SITE
(NHK総合) WEB SITE

メインロケ地のハイクレア城

三女シビルが新しいドレスをみんなに見せるシーン

『ダウントン・アビー』の物語の舞台は、イングランド北部のヨークシャーです。ところが、最終的にメインロケ地に選ばれたのは、ロンドンから西に車で1時間ほどのハンプシャーにあるハイクレア城でした。

脚本家のジュリアン・フェローズは、最初からハイクレア城を考えていたようですが、プロデューサーほか撮影班とともに、物語の主要な舞台となる貴族屋敷を探すため、ヨークシャー中の館を25軒も見て周ったそうです。

実際、ヨークシャーには素晴らしい貴族の館がたくさんあります。ただどうも撮影班にとっては、「大きすぎるか小さすぎる」館が多く、典型的な貴族の館であることも理想的な舞台には見えなかったらしく、最終的にハイクレア城での撮影が決まったといいます。

食事のシーンはダイニングルームで撮影

ハイクレア城は、その外観も非常に特徴的です。もともとこの館は、1679年からカナーヴォン伯爵家の居城でした。1839年から1842年(ヴィクトリア時代中期〜後期)に、当時流行したハイ・エリザベス朝様式(ジャコビニアン・リバイバル)に改築され、現在の建物には、ゴシックリバイバルやイタリアの建築様式など、さまざまな建築様式が混在しています。

設計者は、現在ロンドンの国会議事堂(ウエストミンスター宮殿)を設計したサー・チャールズ・バリーですが、そう言われると、どこかその外観に、国会議事堂に似たものを感じませんか?

どこから見ても絵になるハイクレア城

ハイクレア城の敷地面積は約404ヘクタール(東京ドーム約90個分)と広大ですが、その庭は、1774年〜1777年にかけて、当時、造園の魔術師と言われていた造園家のランスロット(ケイパビリティ)ブラウンが手がけています。

ちなみに、ランスロット(ケイパビリティ)ブラウンは、ブレナム宮殿やチャッワースといった、イギリスを代表する貴族の館の庭園を設計した人物。手がけた庭園の数は170超えるイギリスの庭園史に残る造園家です。その庭造りは景観の美しさでも知られていますので、そのセンスは、ハイクレア城の庭造りにもいかんなく発揮されています。

『ダウントン・アビー』が大ヒットしたのは、魅力的な脚本や俳優たちの熱演にも理由があるものの、美しく優雅なハイクレア城という貴族の館の魅力、その人気に大きく寄与していると思います。

【関連情報】
★ハイクレア城 Highclere Castle WEB SITE
Newbury RG20 9RN, England
期間限定公開。要予約。

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入場予約が殺到中のハイクレア城

『ダウントン・アビー』の3姉妹

イギリスはもとより、アメリカで大ヒットしている『ダウントン・アビー』ですが、ドラマ人気のおかげで、いま、メインロケ地のハイクレア城には、入場を希望する予約が殺到しています。

現在ハイクレア城の見学は、春と夏に、期間限定で公開しています。公開日が少ないため、今年(2015年)の予約はすでにソールドアウト!団体予約に関しては、2016年度分まですでにソールドアウトという状況で、日本人がハイクレア城をいれたツアーを作ったり、個人的に行くのはじつはかなり大変な状況になっています。

Jackdaw's Castle。ハイクレア城の建物が最も美しく見える場所

これは、その訪問者の多くがアメリカ人で占められているのとも関係があると思います。というのも、昨年9月、私がハイクレア城に行ったとき、そのほとんどがアメリカ人(一部カナダ人)だったからです。それもかなり熱狂的なファンが多く、1人で入った私は、アメリカ人に囲まれた格好になりました。

また、夏の最後の公開日の前日ということもあり、入場時には広い館内がすし詰め状態になりました。館内の写真は禁止ですが、たくさん人がいすぎて、入場直後は前にも後ろにも歩けない状況になり、さすがの私もちょっとイライラ。

そんなわけで、館内の優雅な雰囲気を味わうには、少々賑やかすぎる雰囲気の館内見学となりましたが、大広間、ライブラリー(書斎&図書室)、ダイニングルーム、応接間など、主要な部屋は見学できました。

使用人の部屋はすべて西ロンドンのイーリング・スタジオで撮影

2階にある寝室の数が60室以上あると聞き、ちょっと驚きましたが、撮影で使ったのはその一部だそうで、中はドアからしか見学できませんでした。じつは、ドラマでの寝室シーンのほとんどと、使用人の階下のシーンは、西ロンドンのイーリング・スタジオで行われています。

そのほか、ドラマには直接関係はないですが、第5代カナーヴォン伯爵が、ツタンカーメンの王墓の発掘費用の提供者(つまりパトロン)だったこともあり、ハイクレア城の中には「エジプト展示室」があります。個人的はこのエジプトコレクションにもかなり興味を持ちました。こちらはとてもすいていますので、ゆっくりご覧になれます。

ドラマと同様正面の入口から入ります

最後に、ハイクレア城への行き方をお教えしたいと思います。私はロンドンのパディントン駅から列車を使いました。ハイクレア城に最も近いニューベリー駅(Newbury)までは、パディントン駅から約1時間(一番早いのは約42分だそうですが、1時間10分以上かかる列車もあります)。

駅にはタクシーがいますので、タクシーに乗れば約15分です。私もタクシーに乗りましたが、降りるときに、運転手さんに携帯電話の番号を教えてもらい、帰る際にも迎えにきてもらいました。

私はチケットを持っていましたが、事前チケットがなくても見られるチャンスは少し残されています。ホームページにも書かれているように、当日入場できる枠があります。10時半と14時半にゲートのところに行くと、その日に入れるかどうかはわかるそうですが、但し保障はしないと書かれていますので、ダメモトで行ってみようという方は、ぜひチャレンジしてみてください。

ハイクレア城内の屋外ティールーム

ベストは、事前チケットを購入できてから飛行機を予約するくらいの周到さが必要かもしれません。ハイクレア城の中では、見学期間中、アフタヌーンティーもできますので、次回は私もぜひこのアフタヌーンティーまで体験したいと思っています。

ダウントン・アビーツアーでご一緒したアメリカ人のおばあちゃまは、半年前にハイクレア城の見学と場内でのアフタヌーンティーを予約できてから、イギリス旅行の計画を立てた、と言っておられました。

昨年9月に訪れた際には日本人には会いませんでしたが、今年は私の周囲でも「ハイクレア城に行った」という人たちが増えています。まだまだ人気のハイクレア城。殺到するアメリカ人ファンが少なくなった頃に本当は行くのがいいのかもしれません(笑)。

【関連情報】
★ハイクレア城 Highclere Castle WEB SITE
Newbury RG20 9RN, England
期間限定公開。要予約。

木谷 朋子

木谷 朋子
『留学ジャーナル』の編集者を経て1989年より2年間イギリスへ留学。帰国後はイギリスを始め、ヨーロッパ各地やアジア、オーストラリアなど、世界各地を取材。海外の旅文化や最新の旅行情報、語学、留学をテーマに幅広い分野で執筆活動を続ける。イギリス関係の著書:『英語で楽しむピーターラビットの世界BOOK1、BOOK2』(ジャパンタイムズ)、『英国で一番美しい風景 湖水地方』(小学館)、『ロンドンと田舎町を訪ねるイギリス』(共著・トラベル・ジャーナル)、『イギリス留学』(共著・三修社)ほか。

    

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