シチリアにあるユネスコ世界遺産 紀元前8世紀からの古い歴史を持ち、地中海の中心に位置し、特色のある豊かな自然に恵まれたシチリアには、フェニキア人、カルタゴ人、古代ギリシャ人、古代ローマ人、ビザンツ帝国、アラブ人、ノルマン人、フランス、スペインと、イタリア統一までの間、たくさんの民族によって征服され、各民族が特徴的な文化をシチリアに残しました。2017年現在、イタリアには53件の世界遺産があり、そのうちシチリア州内には、世界遺産の7件(16都市、そのうち自然遺産2)あり、シチリアはイタリアの州で世界遺産保有最多の州です。1.アグリジェントの遺跡地域 1997年2.ピアッツァ アルメリーナのヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ 1997年 3.エオリエ諸島 2002年 (自然遺産)4.ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々 2002年(カルタジローネ、ミリテッロ イン ヴァル ディ カターニア、カターニア、モディカ、ノート、パラッツォ―ロ アクレイデ、ラグーザ、シクリの各都市)5.シラクーサとパンタリカの断崖の墳墓群 2005年6.エトナ山 2013年 (自然遺産)7.パレルモのアラブ ノルマン様式建築物 チェファル大聖堂とモンレアーレ大聖堂 2015年それでは世界遺産に登録された年代順にご紹介していきたいと思います。 1.アグリジェント 神殿の谷 1997年登録 パレルモから南に128?、シチリアの南部に位置するアグリジェントの町は、ギリシャのクレタ島とロードス島から植民したギリシャ人によって、紀元前581年に築かれ、古代地中海世界の重要都市の一つとして大変繁栄しました。海から数キロにわたる斜面に紀元前6−5世紀ギリシャ時代のドーリア式の古代の巨大な神殿群がいくつも集まり、詩人ピンタロスが「人間の都市のうちで最も美しいもの」と言うほどの繁栄をしたアグリジェントには古代には30万人もの人々が住んでいたと言われています。 ●コンコルディア神殿アーモンドの木や果樹の広がる丘に、今も「神殿の谷」Valle dei Templi と呼ばれて残っており、中でも上記のコンコルディア神殿は、保存状態がいいことで知られています。5つの神殿からなる神殿群は、2つの地域に分けられます。東側の丘の上に建つメインの3神殿(ヘラ神殿、コンコルディア神殿、ヘラクレス神殿)地域と、連絡橋を渡った西側にある2神殿(ジョーヴェ神殿、ディオスクリ神殿)地域です。アグリジェントへは、パレルモから列車で2時間半、バスで2時間。パレルモやタオルミーナからの日帰りバスツアー利用も便利です。神殿の谷 ヴァッレ デイ テンプリParco Archeologico e Paesaggistico della Valle dei Templi 住所Casa Sanfilippo, Strada Panoramica dei Templi92100 AgrigentoTel. +39-0922 621611開園時間: 08:30〜19:00(最終入場 18:00)料金: 神殿のみ 10.00ユーロ 神殿&考古学博物館共通券 13.50ユーロ休: 年中無休※注意※2017年11月時点の情報です。 2.ピアッツァ アルメリーナのカザーレ別荘跡 1997年登録 ピアッツァ・アルメリーナ〔Piazza Armerina〕は、カターニアから南西に90km、シチリアの中央にあるエンナ〔Enna〕から南方40km(バスで40分ほど)の町で、ピアッツァ アルメリーナの旧市街から、さらに市内バスで15分ほど西に5キロ行くと、古代ローマのカザーレ別荘跡(Villa romana del Casale)があります。田園に囲まれたローマ帝政時代3−4世紀の貴族の豪華な別荘で浴室、40室の部屋があり、全室を埋め尽くすモザイク画で有名です。その質の高さと規模は古代ローマ時代最大と言われています。中でもビキニの乙女のモザイクなどが有名。当時この地まで経済力を及ぼした古代ローマ文明の跡もうかがい知れる貴重な遺跡。 ●カサ―レの古代ローマの別荘住所Strada provinciale 15, Piazza Armerina, EnnaTel +39 0935 680036開館祝日含め毎日開館9:00 から 19:00 最終入場18:00 (夏時間の3月最終日曜から10月最終土曜まで)9,00 から17:00 最終入場16:00 (冬時間の10月最終日曜から3月最終土曜まで) 7,8月の金土日は23:00まで開園料金 € 10,00. ※注意※2017年11月時点の情報です。 3.エオリア諸島 2000年登録 エオリア諸島(Isole Eolie )はイタリア半島のつま先の先、シチリア島北東30キロほどに位置す70万年前に噴火によって生まれた7つの火山島でイタリア初の自然遺産。観光シーズンは復活祭のバカンス頃から始まり、海水浴が楽しめるのは6〜9月。島めぐりの観光船も運航しています。どこも透き通るような碧い海。日光浴、スキューバダイビングなどが盛んで、特に夏はリゾート地として人気です。 ●リパリ島エオリエ諸島で一番大きい島。観光、行政の中心地。先住民は紀元前4000年ころシチリアからこの島に来たと言われており、ギリシャ神話の風の神アイオロスの島。黒曜石が産出され古代から交易が盛んに行われて、商業的発展に結びつきました。ヴルカーノ島シチリア本土に近い、白い噴煙を上げる火山温泉の島、泥温泉、海水温泉あり。活火山トレッキングツアーも人気。 ●パナレア島エオリア諸島で一番風光明媚で、エオリア諸島で一番セレブが夏に来る島と言われています。サリーナ島映画「イル ポスティーノ」の詩人の家が撮影された島。サリーナの名前は、海岸に塩を取るための池(塩田)サリーナがあったことに由来します。島のハイキングツアーも人気です。ストロンボリ島イタリアで一番活発な火山。夜火山から赤い炎が見えます。フィクリーディ島 アクリーディ島観光宿泊施設ほとんどなく自然がそのまま残っています。 ●エオリア諸島へのアクセスエオリア諸島へのアクセスは、高速水中翼船がナポリ、レッジョディカラブリア、パレルモ、チェファル、メッシーナ、ミラッツォなどから出航しています。今回は2000年登録のエオリア諸島までご紹介いたしました。是非シチリア旅行のご予定に組み込まれてはいかがでしょうか。次回記事で、2002年後期バロック様式の町々以降の4つのシチリアの世界遺産をご紹介いたします。 いかがでしたでしょうか。タオルミーナで世界遺産を堪能したいと思った方はバビロニアイタリア語センターの情報をご覧ください。地球の歩き方「成功する留学」babiloniaの学校情報はこちら babilonia のHPはこちらです Babilonia三角映子(みすみ えいこ)1993年に初めてイタリア留学し、その後2004年よりイタリア在住。声楽家、日本語教師として、そして通訳、翻訳を通して、日本文化をイタリアに、イタリア文化を日本に紹介している。シチリア タオルミーナのバビロニアイタリア語文化センターの日本語翻訳、通訳などに嘱託として携わっている。