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シチリアの伝統料理をご紹介します

   
Babilonia
Babilonia
 
前菜
カポナータ(Caponata)・前菜 アンティパスト

先月の記事で、シチリアの食材、その歴史についてお話ししましたが、今回はシチリアの伝統料理をご紹介したいと思います。

シチリアの名物料理のアンティパストで人気の一皿といえばカポナータ(Caponata)。各地それぞれレシピが違うが、軽く素揚げしたナスに、トマト、ズッキーニ、パプリカ、セロリ、玉ネギ、オリーブ、ケーパー等の野菜を加え、白ワインビネガーで煮た後に砂糖と塩で味付けしたもの。

カリフラワーのフリッテッレ
カリフラワーのフリッテッレ(frittelle di cavolfiore)

シチリア料理の定番前菜カリフラワーフライ。小麦粉に水、塩、卵、パルメザンチーズを加えたものが生地で、そこへ茹でておいたカリフラワーをつけて揚げるとシンプルな料理。

オレンジのサラダ
オレンジのサラダ(Insalata d'arance)

スペインから影響を受けたシチリア料理。厚く切ったオレンジを、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩、コショウで味つける。様々なレシピがあるが、上記とフィノッキオ(フェンネル)、スライスしたたまねぎ、や黒オリーブなどと合わせて食されます。脂身の多い肉料理やボッリートとの相性がいい一品。

マッコ
第一の皿 Primo piatto マッコ(Macco)

ソラマメのポタージュ。シチリア方言でMaccu。シチリア州ではフェンネルの葉でシンプルに味つけます。サン・ジュゼッペのスープ(Maccu di San Giuseppe)は、既にギリシャ時代からシチリアで栽培されスープにされていた、ソラマメ、ヒヨコマメ、インゲンマメ、グリーンピース、レンズマメ等の豆類を煮て、フェンネルの葉、ルリチシャ、トマト、タマネギを加えたスープ。

ノルマ風パスタ
ノルマ風パスタ(Pasta alla norma)

シチリア料理のPrimo piattoで最も有名。名前はカターニア出身のオペラ作曲家・ベッリーニの代表作『ノルマ』にちなむ。揚げナスとトマトのソースに、リコッタサラータチーズ、バジリコをのせ、スパゲッティやショートパスタに合わせて食されます。

イワシのパスタ
イワシのパスタ(Pasta con le sarde)

フェンネルの葉、干しブドウ、松の実、アンチョビ、黒コショウ、サフランで味つけたイワシのソースを、パスタに合わせ、トーストしたパン粉をまぶす。パレルモの伝統的な料理。

トラーパニ風ペーストのブジアーテ
トラーパニ風ペーストのブジアーテ(Busiate al pesto trapanese)

トマト、アーモンド、バジリコ、ペコリーノ、ニンニク、塩、コショウを一緒にすりつぶし、エキストラヴァージン・オリーブオイルを加えたペーストとトラーパニ産パスタのブジアーテを合わせるトラーパ二の伝統料理。

クスクス料理
クスクス料理 Cous-cous

北アフリカ、アラブ料理に起源をもつ食材で、エンナ地方の伝統食として定着。 ナスやチーズあるいは魚を加えたソースを上からかけて食べたり、細かく切った多種類の野菜と肉を混ぜて食されます。
写真はトラーパニ風クスクス(Cuscus alla trapanese)は、トマトと香味野菜、オリーブ、ケーパーと一緒に煮込んだ魚介類を合わせたクスクス。

カジキマグロのロール焼き
カジキマグロのロール焼き(Braciolette di spada)

魚料理
シチリアはマグロが豊富で、マグロ、カジキマグロ料理は、お肉のように赤味をステーキにしたりグリルにしたりあらゆる調理法で食べられています。

細かく切り刻んだカジキマグロを、パン粉、松の実、干しブドウ、すりおろしたレモンピールと合わせ、カジキマグロの薄切りで巻いてパン粉をつけオーブンで焼いたもの。各地で様々なレシピがあります。

カジキマグロの煮込み
カジキマグロの煮込み(Pesce spade a ghiotta)

切り身をトマトソース、ジャガイモ、オリーブ、ケーパー、セロリなどと一緒に煮込んだメッシーナ沿岸の伝統料理。その他のカジキマグロの料理では、グリルTrance di Pesece alla Grigliaもお勧め。輪切りにした分厚いカジキマグロを網焼きし、 熱々のところにレモン汁を絞って食べます。

ベッカフィーコ風イワシのオーブン焼き
ベッカフィーコ風イワシのオーブン焼き(Sarde a beccafico)

パレルモ、メッシーナ、カターニャでよく見られる伝統料理。二枚に開いたイワシに、パン粉、干しブドウ、すりおろしたオレンジやレモンの皮、松の実、塩、コショウ、砂糖を合わせた具材をはさんで巻き、オーブンで焼いたもの。ベッカフィーコとはニワムシクイという鳥のことでその鳥の太った姿を例えたもの。
その他イワシ料理は、イワシを開き、パン粉をつけて揚げたコストレッテ・ディ・サルデ Costolette di sardeも有名。

シチリアのセコンド・ピアットの肉料理で有名。叩いてのばした牛肉の薄切りに、牛挽き肉、ゆで卵、パン粉、シチリア名産ペコリーノ、ニンジンの千切り、ローズマリー、パセリ、ナツメグ、塩、コショウを合わせた具材を巻き、白ワインとともに焼き目をつけて、水でのばしたトマトソースに浸してオーブン焼きしたもの。フランスのアンジュー家とアラゴン家支配時代に普及した。祝日に食される伝統料理。

ファルソマグロ
肉料理 ファルソマグロ(Falsomagro)

ナポリ、シチリアが発祥とされるイタリア南部の伝統料理で、今では全国で食されます。スライスしたナスを揚げ、その上下にトマトソースとシチリア名産のペコリーノ、スカモルツァ、カチョカヴァッロなどのチーズを層状にのせてオーブンで焼いたシチリアの代表的料理。

ナスとパルミジャーノのオーブン焼き
野菜料理 ナスとパルミジャーノのオーブン焼き(Parmigiana di melanzane)

球状又は円錐形のライスコロッケ。バター風味のリゾットで包む具は、グリーンピースと肉入りのソースal ragùが定番です。その他ホワイトソースのピスタチオ味、など具は様々。ローマのライスコロッケは、スプリ(suppli) と呼ばれ、アランチーニより小さいサイズ。日本語訳で一般的に呼ばれるアランチーニは、アランチーノの複数形。

アランチーノ
ストリートフード アランチーノ(Arancino)

パレルモの円筒形のポテトコロッケのカッツィッリ(Cazzilli)とヒヨコマメの粉を練ったものを四角または円形に薄く揚げたパネッレ(Panelle)。ともにパニーノにはさんで食べることも多い。アラブ時代にもたらされた。

カッツィッリ
カッツィッリ(Cazzilli)とパネッレ(Panelle)
パニーノコンミルツァ
パニーノコンミルツァ (Panino con Milza)

屋台で食べられる人気メニュー、牛モツのサンドウィッチ。シチリア方言ではPani ca' meusa。 ミルツァとは牛の脾臓のことで、煮込んだ脾臓の上にレモン汁をかけたり、リコッタチーズをかけたものをパンにはさんで食べる。 アラブ時代にもたらされた料理。

スフィンチョーネ
スフィンチョーネ Sfincione

ふっくらと焼き上げたピッツァ生地の上に、アンチョビとトマト、玉ネギをのせ、すりおろしたチーズをたっぷり降りかけて焼いたシチリア風ピッツァ。

スカッチャータ・
スカッチャータ

スキャッチャータ (Schiacciata) シチリア方言ではスカッチャータ Scacciata(直訳:潰されたもの)は、ピザのような生地の上に色々な具を入れて、パイ状にしてからオーブンで焼いたもの。ストリートフードだけでなく、クリスマスや大晦日、元旦などの冬の祝日の食卓に上ることも多い料理です。ハムとモッツァレッラだけを入れる定番から、チーズとアンチョビ、ブロッコリやほうれん草など具は様々です。シラクーザ方言ではンパナータ'Mpanataとも言われます。
多種類の野菜やチーズを入れて焼いたパイ「ラムパナータ la'mpanata」も軽食としてお勧め。 薄切りのナス、マカロニにカチョカヴァッロ cacciocavalloとパルミッジャーノ・レッジャーノ parmiggiano reggianoの二種類のチーズを加えて焼き上げるのがこのパイの基本形。

カルトゥッチャータ・
カルトゥッチャータ

カターニャ県の伝統的ストリートフード。柔らかいパン生地の中にチーズとハムが入っているものが定番だが、その他ナス、パプリカ、ほうれんそう等の野菜などが入った、日本流に言うと調理パン。

イ ジャルディーニ ディ バビロニア
イ ジャルディーニ ディ バビロニア(I Giardini di Babilonia)

さてタオルミーナのバビロニアイタリア語文化センターの庭園内にはレストラン イ ジャルディーニ ディ バビロニア(I Giardini di Babilonia)があり、前菜、パスタ、肉、魚の様々な伝統料理が楽しめます。

シチリアはマグロを代表とするさまざまな魚介の産地としても有名ですので、こちらのレストランでは新鮮な生の魚料理も楽しめます。

レストラン I Giardini di Babilonia
住所 Via Timoleone, 10, 98039, Taormina, Sicilia, Italia
Tel +39 389 883 1219
babilonia のFacebookはこちらです

いかがでしたか?シチリアに旅行される際は、これらのシチリア伝統料理を是非お試しください。

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三角映子(みすみ えいこ)
1993年に初めてイタリア留学し、その後2004年よりイタリア在住。声楽家、日本語教師として、そして通訳、翻訳を通して、日本文化をイタリアに、イタリア文化を日本に紹介している。シチリア タオルミーナのバビロニアイタリア語文化センターの日本語翻訳、通訳などに嘱託として携わっている。

    

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