今回はタオルミーナの歴史的名所をみなさんにご紹介したいと思います。タオルミーナは、エトナ山とイオニア海を一望できる、イタリアを有数のリゾート地です。世界中の人が憧れるこの地の歴史は古く、古代ギリシャ時代にさかのぼります。その後、古代ローマの支配下となったため、古代ギリシャ、古代ローマ両方の時代の遺跡を見ることができるのもタオルミーナの魅力です。 最初にご紹介したいのは、タオルミーナの街のシンボル、ギリシャ劇場(Il Teatro Greco)。紀元前3世紀に古代ギリシャ人によって建設され、その後古代ローマ人によって円形闘技場に作りかえられました。タオルミーナは標高約200mにあるため、海に突き出した高台からは、南にイオニア海とエトナ山、北にはメッシーナ海峡とイタリア半島のカラブリアまで見渡すことができます。ここを訪れた文豪ゲーテが「この劇場から見る景色は世界一の美しさだ」と語ったほどの眺望です。 このギリシャ劇場では、夏になるとオペラやコンサートなど数々のイベントが行われます。写真は2016年8月に開催されたジャンナ・ナンニーニのコンサートです。 市民公園(Villa comunale) それでは、市民公園(Villa comunale)に足を進めます。 鳥類学者でもあったイギリス人女性フローレンス・トレベリアンが1800年末にタオルミーナのカチョーラ氏と結婚。そして、放置されていたこの地を買い取り、個人の庭としてイングリッシュガーデンに改装しました。彼女の死後、1920年代に夫が市に寄贈して市民公園となりました。 約3ヘクタールの公園は、エトナ山と海を正面に望む崖の上にあり、地中海性植物が1年中花を咲かせます。崖沿いの散歩道からはエトナ山と海岸線の素晴らしいパノラマを楽しめます。 街の雑踏から離れた場所にあるので、疲れを癒したいときや夏の暑い日の散歩にもお勧めです。シチリア名物のストリートフード、アランチーニなどを持って、ここで一休みしてはいかがですか? 次はコルヴァイア宮へ。メッシーナ門からすぐのヴィットリオ・エマヌエレ広場にコルヴァイア宮があります。これは、タオルミーナの貴族コルヴァイア家が1538年から1945年まで所有していた中世の館です。ギリシャ・ローマ時代の建物にその後の時の支配者たちがそれぞれの時代の様式で増築したため、アラブ、ゴシック、ノルマンの様式が見られ、宮殿内は歴史を辿る貴重な文化財となっています。第2次世界大戦後に修復されて、その後右棟の1階にはツーリストインフォメーション、シチリア伝統マリオネット人形やシチリア伝統荷車が展示されているので必見です。2階は現在民族博物館になっています。 次は、4月9日広場(Piazza IX Aprile)です。メッシーナ門からカターニア門まで続くウンベルト通りの中間にある街のメインスポットです。ここからは、ジャルディーニ湾からエトナ山にかけての素晴らしい大パノラマが広がり、カポタオルミーナ岬まで眺望できます。そのため、観光客だけでなく、地元の人にとっても憩いの広場となってます。夜景も見事で、深夜まで多くの人が集まるため、女性が夜の散歩をしても安全です。 名所めぐりの最後は大聖堂です。4月9日広場から、さらにカターニア門に向かって行く途中にあるのが大聖堂(Duomo)です。城塞のような建築に特徴があり、内部は三廊式の教会です。ギリシャ劇場にあったタオルミーナ産の花崗岩の円柱が用いられています。 大聖堂の前にある噴水を飾るのは、街のシンボル「女ケンタウルス(半神半獣)」像で、タオルミーナの紋章にも用いられています。 まだまだ、タオルミーナには見どころがたくさんあります。次回からも景色のいい場所、海、おいしい店など、様々なタオルミーナの魅力をご紹介していきます。 ◆◆◆バビロニア イタリア語文化センター◆◆◆シチリア島で最も有名な街の一つであるタオルミーナで勉強してみませんか。バビロニアでの留学にご興味がある方は、地球の歩き方「成功する留学」の無料カウンセリングをご利用ください。バビロニア イタリア語文化センターHP Babilonia三角映子(みすみ えいこ)1993年に初めてイタリア留学し、その後2004年よりイタリア在住。声楽家、日本語教師として、そして通訳、翻訳を通して、日本文化をイタリアに、イタリア文化を日本に紹介している。シチリア タオルミーナのバビロニアイタリア語文化センターの日本語翻訳、通訳などに嘱託として携わっている。