ソーマ地区といえば、今や洗練されたレストランがひしめくエリアです。そこに2015年にモロッコ料理のレストランがオープンしました。場所は140モンゴメリー通りのビルの一角です。このビル自体は1925年にできていて古き良きサンフランシスコを忍ばせる建物エントランスも必見です。 さて、モロッコという国を地図で指をさせと言われても、アフリカの北の方を指すくらいで正確な位置も知らないし、モロッコ人という方に会ったこともありません。モロッコ語と言うのがあるかどうかもわかりません。料理で知っているのは「タジン鍋」と「塩レモン」くらいです。 そんなモロッコ料理でしかもミシュラン一つ星、緊張しながら入ると、これがなんともスタイリッシュなアーバンチックな雰囲気で唖然としました。コートも預かってくれるし、待っている間バーカウンターへどうぞと案内されました。端っこに座り様子を見てみるとバーカウンターでも食事ができるようなので、意外と気楽に利用できそうです。 天井が高くてゆったり、ディナー時間が始まり徐々に賑やかになってきました。家族連れも何組かいました。後でわかったのが2〜3人用のファミリースタイルのプレートもありそのせいだったようです。家族連れに限らずグループで食事の時はいいですね。 もちろん、シェフティスティングメニュー($120・ビバレッジ$85)も用意されていますから、じっくりコース料理も堪能できます。 今回は何品かアラカルトを頼むことにしました。「オイスター(6個$22)」があるとつい頼んでしまうのですが、海の香りを感じつつミルキーな味わい、期待を裏切ることなくあっという間に殻だけになりました。ブロッディオレンジの効いたポン酢がとても珍し。 やはり、ミシュランに選ばれるだけあり素材は厳選されています。季節感をたっぷり盛り込んだ「アスパラガス($18)」の食感と豆腐、レンティマメは少し発芽させてありました。塩加減もちょうど良かったです。 「タコ($20)」という食材は、食べない地域も多いのであまり目にすることはないので珍しいので頼んでみました。皮の噛みにくい部分は綺麗に取り除かれとても食べやすくてブリュセルスプローツ(芽キャベツ)のローストが主役級の美味しさ、バランスいいね。トラウトのイクラの塩がぴっと引き締めてくれました。 メインの「クスクス($24)」は、ローストグリーンオニオン、ベビースイスチャード、ラディッシュの薄切りはとても綺麗で食べるのがもったいないくらいの一皿。バターがたかなり効いていましたが、「ハリッサ(Harissa)」のスパイシーさがすっきりさせてくれました。 とはいえ、デザートは別腹で「キャロット&ジンジャーケーキ($12)」はシェアして食べましたが、甘さ控えめでジンジャーが食欲を復活させてしまって、もう少し食べたかったです。 お店の方のオススメのロゼワインを1杯($16)飲んで一人80ドルくらい、気がついたら満席でした。ここのアラカルトは食材と材料が書いているだけなので何が食べたいかで決められるので分かりやすかったです。 ハイエンドなレストランなはずですが、ファミリースタイルのコースを設けていることで幅広く対応できます。お店の方もフレンドリーでリラックスした時間が過ごせました。「モロッコといえばタジン鍋」しか知らなかったけど、マラケッシュ生まれのオーナーシェフムラード・ラルー氏のおかげでモロッコ料理=おしゃれな料理になりました。 【データ】店名:ムーラッド(Mourad)住所:120 Montgomery ST#1 San Francisco, CA 94105Tel:1-415-6600-2500営業時間:月〜金11:30〜22:00土日17:00〜22:00URL:https://mouradsf.com 美丸(Mimaru)サンフランシスコ市内小さなアパート在住。未だ修学旅行気分の生活で激変するベイエリアの旬のネタをアナログ的な視点でお届けします。認定フードコーディネーター。好きな事:見物。