ロンドン西部のチズィックには、イギリスで一般的なタイプの「エール」を中心にビールを製造する「フラーズ社」グリフィン醸造所があります。 創業は1845年ながら、それ以前も17世紀からエール醸造をしていたという伝統ある場所です。 醸造所に名づけたグリフィンというのは上半身がワシで下半身がライオンという伝説の生き物のことで、同社のロゴに使われています。 以前ロンドンには他にも多くの大手ビール会社がありましたが、土地や人件費の高騰にともない次々とロンドンから郊外へと醸造所を移転してしまいました。(クラフトビールなど小規模な醸造所は別) そんな中で今もロンドンで操業を続けるする同社の誇りが、人気ナンバーワンの「ロンドン・プライド」という銘柄名にも象徴されているようです。他にも「チズィック・ビター」や「ESB(エクストラ・スペシャル・ビター)」など、内外のビール品評会で賞に輝いた銘柄も擁しています。 と、ここまで書いてから言うのも何なのですが...実は私、熱烈なビール党というよりもワイン派。それでも、このフラーズ社の醸造所には、つい年に一度は足を運んでしまうのですよ! というのも、ここはイギリス最古の藤がある事でも有名だから。 1816年に中国からやって来た、樹齢200歳を超える藤。たった一本の木なのに建物を覆いつくす様子は、感動的な美しさ!花の見頃は例年ならば5月上旬でしが、今年は冬も春も温暖な気温が続いたため、4月中旬に満開となりました。 工場とオフィスだけではなく、直営ショップとパブも併設しています。ショップではビールだけでなくロゴ入りTシャツや日用品などオリジナル・グッズも買えるので、ビール好きの友人などへお土産に喜ばれそう。 せっかく来たなら、直営パブにも寄らない手はありませんね!私も「ロンドン・プライド」のハーフ・パイントで喉を潤してきました。もしお腹が空いていれば、フィッシュ&チップスやハンバーガーなど食事も出来ます。 壁には創業者たちの肖像や、昔の工場での様子が伝わってくる白黒写真、レトロなポスターの複製なども飾られています。創業者一族が今も経営陣に名を連ねているファミリー企業だけあって、彼らの「プライド」を感じる醸造所なのです。 【データ】フラーズ・グリフィン醸造所(Fuller's Griffin Brewery)住所:Chiswick Lane South, London W4 2QBTel:020 8996 2000URL:https://www.fullers.co.uk/brewery直営パブ営業時間月〜金:09:00−20:00土:10:30−17:00日・祝:定休日 小野 雅子ロンドン西郊外に住む会社員、職場はヒースロー空港周辺です。在英20年以上の経験値を発揮して、初めてイギリスへいらっしゃる方にも興味深く分かりやすいロンドン観光&生活ガイドとしてお役に立てれば…と思います。個人ブログ「ロンパラ!」はこちら♪