今年も、ニューヨークのマンハッタンのジェイコブ・K・ジャヴィッツ・コンベンション・センター(Jacob K. Javits Convention Center)で、ニューヨーク・インターナショナル・オート・ショーが開催されていました。いつもは素通りしてしまうオートショーですが、会場がウェストサイドの11丁目のバス停のすぐそばに建っており、バスの発車時刻まで30分ほどあったので、噂のオートショーを見てみることにしました。 ドイツ生まれのアメリカの建築家、ジェームズ・インゴ・フリード(James Ingo Freed)が設計を手掛けたこのコンベンション・センターは、2013年に改築工事が終了したばかり。元上院議員で第58代ニューヨーク州司法長官でもあったジェイコブ・K・ジャヴィッツ(Jacob Koppel Javits)が逝去した年に完成したため、ジャヴィッツ氏に因んで名前が付けられたそうですが、この巨大なスペース・フレーム構造の内部で開催されているのがロケットやスペースシャトルの展示会だったら、打ち上げ台に設置された展示物のロケットがいきなり発射し、天井の窓ガラスを突き破ってものすごい秒速で宇宙の果てに向かって飛んでいきそうだな、などと想像力を搔き立てられるようなダイナミックで革新的な建造物で、大きなイベントが行われていなくてもぶらりと立ち寄って、そこに身を置いてみたくなるような不思議なエネルギーを感じる空間です。 ガラス張りの天井の向こうに暮れかかるニューヨークの夕空を眺めながら、ロケットでの38万キロの宇宙旅行に思いを馳せていると、お土産用のショップのカウンターの向こうに座っていた男性に「入り口はあっちですよ。」と声をかけられました。バスが発車するまでぎりぎりしか時間がなかったことを思い出し、苦笑しながら展示場へと向かいます。 急いで中に入ると、「フォードGT」をはじめ、「ポンティアック・トランザム」あり、「トランザム 455 スーパーデューティー」あり、愛すべき日本車「日産ローグ」あり…。短い時間では回りきることが出来ないほど、多くの美しいコンセプトカーが紹介されています。 次々と新車にお目にかかり「出口」から出てしまってから、インフィニティの「QX80 モノグラフ」や下の階に展示されていた何台かのヨーロッパの超高級車を見逃してしまったことに気づきました。チケットを回収された時、女性係員に「チケットは払い戻しもしませんし、一旦出口から出てしまったら中へ戻ることはできませんよ。」と言われたことを思い出し、仕方なくバス停へ向かうことにしました。 午後8時。外を見ると、いつの間にか雨が降り出していました。ジャヴィッツ氏の銅像が立つガラスの向こうのビル群の合間から、雨に濡れたウインダム ・ニューヨーカー・ホテル( The New Yorker A Wyndham Hotel)の赤いサインがくっきりと浮かび上がっているのが見えました。 【データ】ジェイコブ・K・ジャヴィッツ・コンベンション・センター(Jacob K. Javits Convention Center)住所:655 W 34th St, New York, NY 10001TEL:212-216-2000URL:http://www.javitscenter.comニューヨーク・インターナショナル・オート・ショー2017(New York International Auto Show 2017)URL:http://www.autoshowny.com/ニューヨーク・インターナショナル・オート・ショー2018(New York International Auto Show 2018):2018年3月30日~4月8日 ウインダム ・ニューヨーカー・ホテル( The New Yorker A Wyndham Hotel)住所: 481 8th Ave, New York, NY 10001TEL:212-971-0101URL:https://www.wyndhamhotels.com/wyndham 舞林鳥 恵80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。