ニューヨークの終点に到着後のメガバス つい最近、メリーランド州ボルチモア近郊のホワイト・マーシュから快適なダブルデッカーのメガバスに乗ってニューヨークへ290 km(180マイル)、3時間20分の一人旅を楽しんできました。始発のワシントンDCのユニオンステーションを利用すると、終点ニューヨーク7番街(と27丁目)界隈までは、約5時間20分(フィラデルフィアを経由しなければ4時間15分前後)で到着です。 バスのボディに「Just FROM $1(たったの1ドルから)」という広告掲載されていますが、本当に1ドル(手数料込みで$3.75。)や、5ドル、17ドル、等の安い乗車券が購入できることもあります。実際、年明けの1月3日頃には$1で予約可能な日もありました。ただ、$1の乗車券は、旅行の2、3か月前に見つけたら即座に予約を入れてしまわないと、あっという間に売り切れてしまいます。 今回私は前日に予約を入れたので、往路に$20(「指定席料金(Reserved seat price)」$1 )、復路に$26(「指定席料金(Reserved seat price)」$7)、合計$46(うち「予約手数料(booking fee)」$2)支払いました。日帰りのバスの旅に約5000円。高いでしょうか、安いでしょうか。それともお手頃でしょうか。ちなみに、ワシントンDCのユニオン・ステーションを利用する場合「ファシリティー・フィー(facility fee)」という駅利用にかかる手数料75セントが発生します。 バス乗車前に、スタッフに携帯電話で予約ナンバーを見せるだけでOK。紙媒体のチケットは発行してもらわずに乗車します。私はカメラとノートパソコンが入ったバッグだけだったので車内に持ち込みましたが、スーツケースなどの大きな所持品はバスの後部行きです。 座席自体はリクライナーにもなるので心地良かったのですが、隣の乗客の方が比較的体格の良い男性だったので、少し狭く感じました。 海外の大学の講師だという隣の席の男性は、「ワシントンDCでの会議に参加した後、昨日まで2日の間に市内を観光して、初めて向かうニューヨークに一泊した後国に帰国するんです。」と軽く自己紹介してくれました。その後、ご自分のプロジェクトについて資料を片手に熱心に解説してくださったのですが、フランス語で書かれてある資料は、残念ながらあまり理解できませんでした。 私たちの前の席の男性がスカイプで話し始めたのを機に、隣のRさんは膝の上に広げていた資料を片付けて、デラウェア州の広大な景色を眺め始めました。いつもは自分で運転している道路ですが、私も、久しぶりに川を眺めたりいわし雲が流れる青空を見上げたりコンピューターを開いて仕事をしたり、とても快適な時間を過ごすことが出来ました。バスでの一人旅もなかなか乙です。 途中休憩がないので、あっという間に2時間以上経ち、やがて右手に摩天楼が見えてきました。この日はリンカーン・トンネルからマンハッタン入り。交差点の赤信号の向こうに、ウィンダム・ニューヨーカー・ホテルのサインが見えてきました。色鮮やかなイエローキャブが増え始めると、ほどなくしてバスの右手前方に、薄手の濃紺のジャケットのポケットに両手を突っ込んで立っている息子の姿が見えました。 バスを降りた私にハグをすると、息子は開口一番「マム(母さん)、ランチを食べる店はここから7ブロックだ。すぐそこだよ。今日は車で来てないからね。アー・ユー・レディ?」と言いました。バスに揺られながら麗らかな風景を眺めている間は気づきませんでしたが、心なしか、ここはボルチモアより外気温が低いような気がします。トレンチコートの下にノースリーブのセーターしか着てこなかったことを悔やみながら「7ブロックって一体何分かかるの?このバッグ意外と重いのよ。ウーバーで移動しなくて大丈夫?」と、弱音を吐いてしまいました。息子は「今日の気温は確か42℉(約5.5℃)だったと思うよ。家を出る前に天気予報を確認しなかったのかい?タクシーを使うくらいなら地下鉄で移動しよう。その方が安上がりだからね。」と私をたしなめました。こんな風にして、息子と私のマンハッタンでの長い午後は始まったのでした。 【データ】メガバス(megabus)URL:http://us.megabus.com/フェースブック URL:https://www.facebook.com/megabus.com.officialpageツイッター URL:https://twitter.com/megabusインスタグラム URL:https://www.instagram.com/megabus/タンブラー URL:http://megabus.tumblr.com/ 舞林鳥 恵80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。