マレーシアで食べるプロがつくる”お家ご飯” 旅先で食べる日本食。疲れた体に染み入るようで、元気がでますね。最近はマレーシアでも居酒屋テイストの店も多くメニューも日本のよう。例えばお酒を飲んだシメのおにぎり、雑炊なども一例。でもごく普通のご飯が食べたいと思う時もあります。イメージでいうと日本の休日の昼ごはん、でしょうか。美食の街として知られるペラ州(Perak)イポー(Ipoh)。クアラルンプールから車で約2時間ほど、週末となればグルメが食を探訪しに訪れることでも知られています。 日本の家庭料理がコンセプト 日本食レストランも多いイポー。その多くが寿司、ラーメン、カレーなど、すでにおなじみのメニューが中心にすえられています。ゆいさ(Yuisa)のメニューの表紙に書かれているのは、日本の家庭料理(Japanese Home Made Cuisine)。その響きだけでも、思わず期待感が高まります。 清潔感あふれるゆったりとした店内の雰囲気。マレーシアでありながら日本らしさを随所に感じられます。メニューに英語、中国語、そして日本語が書かれています。他民族国家のマレーシアではこのように数カ国語での表記は多く見かけます。 一皿RM8で盛り放題の「おばんざい」は3種類 注目すべきは、お店の真ん中にある「おばんさい(Obanzai)」コーナー。こちらはなんと1回RM8(約202円)で、数種類あるお惣菜が一皿に盛り放題なのです。ポテトサラダ、もやしのおひたし、ほうれん草のおひたしをたっぷり盛りました。実はイポーは、水がきれいなのでもやしが美味しいとよく聞きます。確かにもやし料理を名物にした店なども多く見かけます。実際に食べてみるとちょっと太めでしゃきっとしており水々しさに溢れていて、今までにあまり食べたことがない食感。ポテトサラダはやさしい味でアクセントに入っているミックスベジタブルがなつかしさを感じさせます。マレーシアでは野菜というと油で炒めて調理されることが一般的です。ほうれん草のおひたしもそうですが、ローカルの人にとってはフレッシュで素材をそのもののおいしさを感じられる料理はある意味新鮮な食体験であるのかもしれません。 メインで頼んだのがこちらの鶏の唐揚げ定食です。人気のメニューなのか他のテーブルにいたローカルのグループも注文しているようでした。日本はマレーシアでも人気の旅行先の一つ。食通たちは訪日を繰り返し、さまざまな日本の味を堪能します。そしてマレーシアにいる日本人は、ごく普通の味をなつかしみます。ていねいに作られた日本のスローフード。イタリアにおけるマンマの味のように、それはいわゆるおふくろの味。とはいえ、そこはプロ。キャベツの千切りの口当たりから、カリッとあがりつつもジューシーさがしっかりと残る食感の唐揚げなど思わずうならされます。日本からすると遅めの夕食時間、"ホームメイド"のご飯を食べにくるお客さんでだんだんと店内は賑やかになってきました。アットホームな雰囲気の中にも素材のよさと手間をかけたことがわかるオーセンティックな料理。まるで自分の家に帰ってきたような雰囲気。イポーにある数多くの日本食レストランの中でもだんとつの人気の秘密なのかもしれません。 【データ】店名:ゆいさ(Yuisa)住所:28, Jalan Medan Ipoh 1d, Medan Ipoh Bestari, 31400 Ipoh, PerakTel:+60 5-541 6148Facebook:https://www.facebook.com/pages/Yuisa-Japanese-food/505959299578596休み:月曜 逗子 マリナ広告代理店、コミュニティ紙の取材記者、その後フリーランスへ。雑誌ライター、ムック本コピーライターの他、現在は主にWebを中心に寄稿。今まで訪れた国は約30カ国。アメリカ、オーストラリアと海外在住歴はのべ8年。現在はクアラルンプール在住。旅は寄り道や偶然に発見が多いので自分で車を運転していくのが好き。