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自転車と干し柿で有名な町は手打ちうどんと豚焼肉のコラボにも刮目すべし

   
八田 靖史
八田 靖史
 
尚州の?天台。洛東江のゆるやかな流れがぐるっと巻いている

洛東江(ナクトンガン)は韓国でもっとも長い川。全長521.5キロ、流域面積は2万3717平方キロ。韓国東北部の江原道に位置する咸白山(ハムベクサン)より端を発し、朝鮮半島を南に下って、釜山(プサン)市の西部から南海岸へと注いでいきます。その流れは川沿いの各地域で、アユ、ウナギ、シジミといったたくさんの恵みをもたらすほか、雄大な景色も人々の心を魅了してきました。中でも特に「洛東江第1景」と褒め称えられてきたのが写真にあるキョンチョンデからの眺め。キョンチョンデとは天を支える場所という意味で、すなわちそれほどに美しい景色ということ。天が自ら生み出した絶景という意味から自天台(チャチョンデ)とも呼ばれます。この絶景が韓国の中東部、慶尚北道の尚州(サンジュ)という地域にあります。

尚州の自動車博物館。館内にはいろいろな自転車が展示されている

そんな景色を楽しめる尚州は、豊かな自然景観を誇るとともに、韓国においては「自転車の町」という珍しい特徴を持っています。1910年、他地域に先駆けて各地区に自転車を導入したのを皮切りに、1925年には尚州駅広場にて「朝鮮八道全国自転車大会」を全国で初めて開催。地元尚州出身の選手が優勝するなど、さまざまな歴史的背景により市民生活に自転車が根付いていきました。現在においても尚州の自転車保有率は、全国1位の85%と群を抜いています。

尚州自転車祭りのパレードにも使われた五層フレームの自転車

2002年には韓国初の自転車博物館もオープン。館内には歴史的価値のある古い自転車などが展示されているほか、体験施設なども用意されています。野外には自転車に乗れるコーナーもあり、家族連れが楽しむ姿も見ることができました。

干し柿の乾燥場。10月の中旬頃からこうした干し柿生産が始まる
尚州は干し柿の名産地

そして、もうひとつ。韓国人が尚州といって思いつくのは干し柿。尚州は韓国を代表する干し柿の名産地であり、その生産量は全国の約6割にものぼります。秋のシーズンになると尚州のあちらこちらで柿を干す姿が見られ、全国に出荷するような規模の生産工場では、さながら柿を吊るした姿がカーテンのようです。

柿の皮をむいているところ。むかれた皮は尚州韓牛の飼料にもなる

少し見学をさせていただきましたが、大勢の人が黙々と皮をむいている姿がまず壮観。便利な自動の皮むき機も用意されていましたが、少しでもむき残しがあるとよくないので、結局はひとつひとつ手作業で確認し、残った皮を取り除いている姿も印象的でした。また、その柿をフックにかけて吊るすのもやはり手作業。手間ひまかけてじっくり作るからこそ、美味しい干し柿に仕上がるのだそうです。

ひとつずつパッケージングされた干し柿。箱入りのセットもある

秋から干し始めて、その年の干し柿ができあがるのは12月頃から。最近はパンゴンシ(半乾柿)と呼ばれる食感の柔らかな半生タイプが人気ですが、昔ながらの噛み締める味が好きな人はコンシ(乾柿)を選んでみてください。いちばん美味しい時期は12月から翌年の2月頃まで。最近は冷凍技術も発達して、通年で購入することもできますが、それでもできたてをそのまま味わうのに勝ることはありません。

元祖チチョン食堂のウリミルカルグクス。1人前W6000
尚州で味わう手打ちうどんと豚焼肉

さて、そんな尚州で食べたい料理のひとつがウリミルカルグクス(国産小麦の手打ちうどん)。南尚州インターチェンジの近くに飲食店が集まっており、そのうちのひとつ「元祖チチョン食堂」では、ウリミル(国産小麦、直訳では私たちの小麦)を掲げたカルグクスを自慢としています。

黒豆入りの麺。ソリテは韓国ではよく知られた黒豆品種のひとつ

まずはひと口、スープから味わってみると、その時点でもう小麦粉の味わいがよく出ていました。口当たりもまろやかでとろりとした感じ。その中から麺をたぐり寄せてみると、表面には黒いぽつぽつが浮かんでいます。これは小麦の生地にソリテと呼ばれる黒豆を加えて香ばしさを出したもの。こうした麺へのこだわりを活かしてか、スープの味わいが多少そっけないぐらいの薄味に仕上がっていました。中に入った具材も白菜、ジャガイモ、海苔、刻みネギと至ってシンプル。やさしくじんわりと染みるカルグクスです。

カルグクスにヤンニョムジャンをかけたところ。味わいが引き立つ

もし塩気がやや物足りないと感じる場合には、好みでヤンニョムジャン(薬味醤油)を足してもよいですが……。

テジヤンニョムソクセグイ(小)W1万7000。(大)はW2万

カルグクスに添えて、味の濃いテジヤンニョムソクセグイ(豚肉の網焼き)を頼んでみるのも一手。両面焼きの網に載せられて、炭火で焼いたそのままに運ばれてきます。甘味のあるタレはほどよくピリ辛で、噛むごとに豚肉の脂が溶け出てジューシー。そのまま食べてもいいですし、サンチュなどの葉野菜に包んで食べてもよし。また、豚肉と一緒にカルグクスをすすりこんでもまたオツな味です。あるいはこの豚肉でひとしきり焼酎を飲み、最後にカルグクスでシメるというのもたまらないことでしょう。

【データ】
店名:元祖チチョン食堂(원조지천식당)
住所:慶尚北道尚州市南尚州路1460(梁村洞569-7)
住所:경상북도 상주시 남상주로 1460(양촌동 569-7)
Tel:054-532-1715

八田 靖史

八田 靖史
1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年より執筆活動を開始し、最近は講演や、企業のアドバイザー、グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。ウェブサイト「韓食生活」を運営。2015年より慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。

    

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