シアトル市民の台所、公設市場のパイクプレース・マーケットの一角にある大きな窓、中を見れば満々とアイボリーカラーの液体をたたえた巨大な銀色の容器。アメリカのチーズ協会で各種アルチザン・チーズが毎年受賞している「ビーチャーズ・ハンドメイド・チーズ」の工房兼直売店です。シアトルのこの地で2003年に開業したビーチャーズは2011年にニューヨーク、また2015年にはアメリカのチーズの本場ウィスコンシンに支店を出しています。この1号店は、すぐそばにあるスターバックス1号店と並んでマーケットを訪れる観光客が必ず足を止めるポイント。パイクプレースのツアーにも含まれていて、いつ行ってもガイドが大勢のお客様を引率しています。 時にお客の列が外まで列が長く延びる店内ですが、チーズやお土産用のオリジナルグッズを買うためのレジと、名物のマカロニ&チーズやグリルサンドを注文するレジは分かれています。お買い物ならそのまま奥へ続く列へ、注文は列の中ほどからカウンターへ向かうようになっています。 一番奥、チーズケースの手前には美味しいチーズの試食用がいつも2、3種類用意されています。 さてこの日はお昼時だったので、名物のマカロニ&チーズかグリルド・チーズサンドにしようかと迷いましたが、つい目に止まったダンジネスクラブ&チーズサンドを頼んでみました。注文してからこしらえるので、出来たら呼びますからと名前を聞かれ、少し待つことになります。 奥に長いお店に向かって左側が販売セクション、右側は食事が出来るカウンターになっていて、大きな窓はチーズ工房に面しています。たくさんの人が忙しく作業をしているのを眺めながらなので、待つ時間がとても短く感じられます。 カウンター席は昔々の牛乳缶。「フランダースの犬」なんかに出てきたのと同じですね。ちょっと座りにくいんですが、かわいいので許せちゃいます。 名前が呼ばれてサンドイッチが出来上がってきました。 中はカニ肉がたっぷり。いろいろなスパイスの中にかすかにマスタードも効いていて、クラブケーキのような風味で食べ応えがありました。パリパリにグリルされたパンのクラスト部分も美味! さて、せっかくチーズ工房に寄ったのだから、やはりチーズを買って帰りたいもの。ビーチャーズで作られるアルチザン・チーズは種類も豊富でそれぞれが賞を取っており、迷ってしまうのですが、初めての方に是非お勧めしたいのは、イギリスのチーズ・ギルドが主催するワールド・チーズ・アワードで2005年に3位に輝いた「フラッグシップ」です。日本でもコストコで販売することもあるそうなので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。クセのないチェダーチーズのような感じ、ミルクの味が濃くて旨みもしっかりして食べやすく、アルチザン・チーズの常でスライスしようとするとホロホロと崩れます。ワインにもよく合って、ビーチャーズでは白の辛口のプイィ・フュイッセとのペアリングをお勧めしています。シアトルだけでなく、ニューヨークやウィスコンシンにお出かけの際にも、ぜひお立ち寄りください。 【データ】名称:ビーチャーズ・ハンドメイド・チーズURL:http://www.beechershandmadecheese.com/home.aspx*シアトル本店* 住所:1600 Pike Place,Seattle, WA 98101 TEL:(206)956-1964 営業時間:毎日9:00〜19:00*シータック国際空港店* 住所:Central Terminal - Concorse C, #9 17801 International Blvd, Seatac, WA 98158 TEL:(206)209-5190 営業時間:5:00〜21:00*ベルビュースクエア店* 住所:Level 1, #126 575 Bellevue Way NE, Bellevue, WA 98004 TEL:(425)777-9171 営業時間:月〜土8:00〜21:30、日9:00〜19:00 Eko夫の転職に伴い渡米、シアトルに住み着いて、気が付けば20年になりました。仕事、子育て、学業と突っ走って来ましたが、2011年3月の震災をきっかけに、微力ながら復興のお手伝いをさせて頂いています。長年住んでいるからこそ知っている昔話など交えつつ、大人の、または家族で、そして子供向けと、シアトルの色々な楽しみ方をお届けします!