明るく開放感のある空間に、貴族の館を思わせるインテリア。 オーストリアの宮殿をイメージした空間で、優雅に食事やティータイムが楽しめると人気の、カイザーハウス(Kaiserhaus)。昔の劇場を改装したキャピトル・シアター(Capitol Theatre)のクラッシックな劇場の2階に位置し、カイザー(皇帝)ハウス(家)という名前通り、オーストリアの宮廷を思わせる豪華な空間と、明るい光が差し込む中庭を見下ろす開放的な雰囲気を併せ持つ素敵な場所です。 「故郷オーストリアでは今も狩猟の文化がある」とハンスシェフ 腕を振るうのは、オーストリア・ザルツブルク出身の、ハンス・リューフテネガー(Hans Lueftenegger)エグゼクティブシェフ。今回は、11月24日までと、今の時期だけのゲーム・ミート(ハンティング(狩猟)で獲った肉)のメニューを頂きました。貴族の趣味として長い歴史があり、ハンスシェフの故郷オーストリアでは、今も富裕層の間で、趣味として行われているというハンティング。店内の雰囲気と相まって、そんな優雅な気分を味わえるメニューになっています。 鹿肉のカルパッチョ(S$25) どれもアラカルトメニューで、前菜・メイン各2品、まずは、スターター。鹿肉のカルパッチョとフォワグラから、私はカルパッチョをチョイス。ちなみに、狩猟で獲ったものはシンガポールには輸入できないため、オーストラリアの広い農場で放し飼いになっている鹿肉を使っているのだとか。ロケットのほろ苦さとパルメザンチーズのコク、そこに、優しい食感と香りの鹿肉が寄り添います。 メインも、2品からのチョイス。ゲームミートのシチューは、柔らかくクリームとフォンドボーで煮込まれた鹿の肩肉に、柔らかいダンプリング。ジャガイモとセモリナ小麦の粉、卵黄を合わせて練り上げた生地で作ったボールですが、ふわふわ、もちもちとした独特の食感のダンプリングを、この鹿の出汁が溶け込んだ濃厚なソースにつけて食べるのも楽しいです。 ゲーム・シチュー(Game Stew、S$32) 鹿肉のステーキ(Venison Steak、S$42) もう一つのメインは、ベーコンで巻いた鹿肉のステーキ。とにかく柔らかい肉質が絶品。焼き加減は選べます。個人的には、シルクのように滑らかな肉質が楽しめる、ミディアムレアがお勧めです。下には栗が敷かれていて、これがまた鹿とベーコンの出汁の香ばしさをまとって、奥行のある甘味を加えています。 鹿の出汁が溶け込んだマッシュルームソースをかけて デザートは、栗のパルフェ。ほのかに栗が香るクリーミーなパルフェは、バルサミコに漬けたチェリーの酸味で味の輪郭を際立たせています。鹿が暮らす森のフルーツを思わせるチェリーコンポートを添えて。ボリュームがある料理を食べても、するりと食べられるデザートです。このほかにも、ハンスシェフが、オーストリアの皇帝御用達の菓子店、コンディトライ・ツァウナー(Konditorei Zauner)で修行し、オーストリアのお菓子の作り方も習得したというだけあって、3段トレーのアフタヌーンティーセットなども人気。MRTシティーホール駅直結の便利な場所、ぜひ気軽に立ち寄ってみてくださいね! 栗のパルフェ(Sweet Chestnut、S$15) <DATA>■ カイザーハウス(Kaiserhaus)営業時間:10:30〜23:00(日曜〜木曜)、〜24:00、無休住所:Capitol Theatre, 17 Stamford Road, #02-06 and 03-06, Singapore 178907電話: +65 6377 0013アクセス:MRTシティーホール駅直結http://kaiserhaus.sg/index.php 仲山 今日子元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイド。ブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。