今回ご紹介する「モクテスマ」はシアトルから50キロあまり南にあるタコマで発祥したメキシカン・レストラン。家伝のレシピでアルトゥーロ・ガルシアさんが店を構えたのは1978年にさかのぼります。それ以来30年、料理が来るまでの「お待たせ」で供される温かいトルティーヤ・チップス&サルサはもちろんのこと、秘伝のソースも毎日新しいのを手作りし、家族に伝わるレシピを変えずに営業しています。
2014年と2015年、2年続きで地元ローカル局のベスト・メキシカン・レストランに選ばれ、現在はタコマ店に加えてギグハーバー、そしてシアトル=タコマ国際空港近くのウェストフィールド・サウスセンター・モール内に出店しています。
どの店でもまず目にするのはフレッシュ・トルティーヤの調理実演。ここから各テーブルに順々に運ばれていきます。8名以上のグループでなければ予約を受けないため、来店すれば席の用意ができるまで必ず待つことになりますが、これを眺めていると時間の経つのも気になりません。
席に通されれば、暗めの材を使った木造風のインテリアに、面白い形のシャンデリアの数々が雰囲気を醸し出しています。
メキシカンレストランはどこでもそうですが、席に着いてすぐ、注文する前に出てくるホームメイドのチップス&サルサ。チップスはカラリとして軽く、いくらでも食べられる感じです。
前菜にたのんだメキシコ風グリルド・コーン。ライムとメキシコ風サワークリームの酸味が爽やかです。「グリルド」という名前の通り、程よく直火焼きの風味が加わっていて、ふってあるコティヤ・チーズ(メキシコのパルメザンチーズ)の塩気と相まって、ビールに合います。
さて料理が運ばれてくると、まず店頭で焼いていたトルティーヤが出てきます。料理を巻いて食べてもいいし、そのままパンのようにして食べるのもよし、温かくてモチモチで美味しい!
こちらは基本の「メキシコ・シティ・タコス」牛、豚、チキンの3つを食べ比べて楽しめます。辛いのがお好みならトマティーヨの緑色のサルサにハバネロを入れてもらうこともできます。メキシカンライスとリフライド・ビーンズを添えて。
メキシコの牛肉料理の定番、カルネ・アサダ。そのままでは堅いスカートステーキ(日本ではハラミと呼ばれる横隔膜部分の赤身)をタマネギやライム、スパイスでマリネしてあるので、とっても柔らか。脂が少ないのでヘルシーということで、アメリカでも人気の部位です。メキシカンライス、リフライド・ビーンズ、アボカドのワカモレとピコ・デ・ガヨ(様々な野菜をみじん切りにしてライムジュースなどで和えたソース)を添えて。
シーフードメニューのトップにあったので頼んでみたカマロネス・アル・テキーラ(海老ソテ−のテキーラ風味クリームソースがけ)コクのあるソースを真ん中に盛ったメキシカン・ライスと混ぜながら食べると、しみじみ幸せな気分に。テキーラ風味とはいえ、体調によっては匂いだけで酔ってしまうほどお酒に弱い私でも大丈夫でした。
今回はここまででデザートにまでたどり着けませんでしたが、メニューを眺めるとフラン(メキシコのプリン)やプランテンのフランベに興味津々です。次に行く時にはメインを少し抑えて試してみようと思います。
ここの支店の中でシアトルから一番近いのはサウスセンター・モール内で、空港近くの各ホテルからそのモールまでは無料のシャトルバスが巡回していて便利です。お近くにお泊まりの際にはぜひお寄りになってみてください。
【データ】
店名:モクテスマ・メキシカンレストラン&テキーラ・バー
(Moctezuma's Mexican Restaurant & Tequila Bar)
URL:https://www.moctezumas.com/
*サウスセンター店*
住所:1150 Southcenter Mall, Tukwila, WA 98188
電話:(206) 557-4757
営業時間:日〜木11:00〜23:00 金土11:00〜24:00
*タコマ店*
住所:4102 S 56th St, Tacoma, WA 98409
電話:(253) 474-5593
営業時間:日〜木11:00〜22:00 金土11:00〜23:00
*ギグハーバー店
住所:4628 Point Fosdick Dr NW, Gig Harbor, WA 98335
電話:(253) 851-8464
営業時間:日〜木11:00〜22:00 金土11:00〜23:00
Eko
夫の転職に伴い渡米、シアトルに住み着いて、気が付けば20年になりました。仕事、子育て、学業と突っ走って来ましたが、2011年3月の震災をきっかけに、微力ながら復興のお手伝いをさせて頂いています。長年住んでいるからこそ知っている昔話など交えつつ、大人の、または家族で、そして子供向けと、シアトルの色々な楽しみ方をお届けします!