ここはアメリカ東部のマサチューセッツ州。州都ボストンから北西に向かって95号線を使う経路で約40km(26マイル)ほど走行すると、コンコードという小さな町に着きます。コンコードは、1775年4月19日に勃発した「アメリカ独立戦争( American War of Independence)」の契機となった「レキシントン・コンコードの戦い(Battles of Lexington and Concord)」が始まったところです。 また、ボストン生まれの超越主義者の思想家ラルフ・ウォルドー・エマソン(Ralph Waldo Emerson)をはじめ、1850年出版の代表作「緋文字(The Scarlet Letter) 」で知られる短編作家ナサニエル・ホーソーン(Nathaniel Hawthorne)、1854年出版の「ウォールデン 森の生活(Walden) 」の著作で知られるヘンリー・ディヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau)や、1868年に出版された「若草物語(Little Women)」の著者ルイーザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott)を輩出した土地としても知られています。 かつてソローも散策した「ウォールデン・ポンド」の湖畔にて この日は、夫と、メリーランド・ライン、ペンシルベニア、ニュージャージー、ニューヨーク、コネチカット州という陸路で655キロ以上走行してマサチューセッツ州コンコードに入り、作家ヘンリー・ディヴィッド・ソローが2年数か月住んでいた「ウォールデン・ポンド(Walden Pond)」と呼ばれる湖のあるウォールデン・ポンド・ステート・リザベーション(Walden Pond State Reservation) へ向かいました。駐車場に車を停めてすぐに、ソローが建てた掘っ立て小屋のような小さな家のレプリカのある場所からウォールデン・ポンドへ下りてみたのですが、秋が深まっているというのに、日没後の湖では泳いでいる人がかなりいました。ここでは、ピクニックをはじめ、カヌーやボートの乗り入れやクロスカントリー・スキーやスノーシューの使用が許可されています。 長旅での一日を終えた後、テュークスベリー(Tewksbury)という町にある「モーテル6(Motel 6)」にチェックイン。アメリカでは、国道沿いの自動車旅行者(motorist)用の宿泊施設(hotel)は「モーテル(motel)」と呼ばれ、室内が簡素なことが多いので人気のないところも多いようですが、個人的には、運が良ければ車を部屋の真ん前に駐車してすぐに自分たちの部屋に入れるモーテルは、長距離運転で疲れている時などは特に便利だと思います。貴重品と必要最小限の持ち物だけをとりあえず室内に入れて、あとは必要に応じて出し入れできるからです。ただ、モーテルに宿泊すると、部屋のドア側の大きな窓の向こうの通路を通る他の宿泊客の足音や話し声が聞こえることがあります。また、屋外プールがオープンしている夏季とアメリカ北部の寒さが厳しい冬季には、建物内に客室があるタイプのホテルを利用した方が良い場合もあるかもしれません。 この部屋には、ベッド、半円形のテーブル、大きなスクリーンのテレビと小さな棚があります。冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカーがついていて、サービスのコーヒーやお茶が置いてあるモーテルもありますが、このモーテルの客室にはついていなかったので、夜もコーヒーがなくてはダメという方はテイクアウトのコーヒーかコーヒーメーカーを持ち込んだ方が良いかもしれません。ちなみに、電子レンジや洗濯機・乾燥機はロビーに隣接した部屋に設置されていました。また、タオル以外のバス・アメニティは石鹸以外置いてありませんでしたので、シャンプー、コンディショナー、歯ブラシ等のトイレタリーも愛用品を持ち込んでくださいね。 ベッドに入った後ヒーターが壊れていることに気づき、夫がフロントに電話すると、とても親切に対応してくださって「部屋をかえてあげましょう。」と言われたそうですが、あえて移動はしませんでした。電話をかけてから数分後に予備の毛布も運ばれてきましたが、愛用のブランケットやクッションを持ち込んでいたので、お借りした新品の毛布は使わなくて済みました。 チェックインした時は真っ暗でしたが、朝起きて部屋のドアを開けてみると、辺り一面に秋らしい風景が広がっていて気分爽快!このモーテルの宿泊費は税込みで$86.44でした。素泊まりなので、都市を離れた国道沿いのモーテルとしてはこの位が相場だと思いますし、ボストン市内のホテルの滞在費と比較すれば断然安いですが、ターンパイクの休憩所で入手できる庶民の友、無料冊子の「ホテル・クーポン(Hotel Coupons)」などで割引クーポンが入手できる場合は、宿泊費がもっと安く上がるかもしれません。ちなみに、私がこの日チェックした「アメリカ北東部・2016年10月~12月版」では見つけることができませんでした。 一泊だけでしたが、始終にこやかに対応してくださったフロントの係りの女性と軽く会話を交わしチェックアウトを済ませた後、敷地内に隣接するIHOP(アイ・ホップ)へ行って軽く食事をしました。 チェックアウト後は、レストラン「IHOP」で朝食を お店のウェブサイトによると、1958年にカリフォルニア州ロサンゼルス郊外で「インターナショナル・ハウス・オブ・パンケーキ(International House of Pancakes) 」としてオープンしたこのお店は、創業15年で"International House of Pancakes"の"International(インターナショナル)"の"I"、"House(ハウス)"の"H"、"of(オブ)"の"O"、"Pancakes(パンケーキ)"の"P"をとった"IHOP(アイホップ)"が店名となり、徐々に全米に1650店舗を構える大企業に発展したということです。 今月末のハロウィンが近づいていることもあり、お祭りムードたっぷりのIHOP。ホイップクリームやチョコレートなどでジャック・オー・ランタン (jack-o'-lantern)もどきの顔が描けるお子様向けのメニューもありました。 私は定番のパンケーキ、夫もおススメのサンプラーのセットで軽く食事をした後は、17世紀に「魔女狩り」が行われていたことで有名な海沿いの都市セーラムまでドライブし、ハロウィン間近で活気づいたセーラムの街の中を探訪してみたのでした。 【データ】モーテル6(Motel 6) 住所:95 Main Street Tewksbury, MA. 01876TEL:978-851-8677FAX:978-851-9266URL:https://www.motel6.com/en/motels.ma.tewksbury.1403.htmlアイホップ(IHOP) 住所:95 Main St, Tewksbury, MA 01876TEL:978-640-8950営業時間: 6:00~23:00URL:http://www.ihop.com/アクセス:http://www.ihop.com/Ihop-LocationsIHOPの歴史に関する記事URL:http://www.ihop.com/About-Ihop/Historyボストン市公式ウェブサイト(City of Boston)URL:https://www.boston.gov/visiting-boston コンコード公式ウェブサイト(The Town of Concord Official Site)URL:http://www.concordnet.org/ウォールデン・ポンド・ステート・リザベーション(Walden Pond State Reservation)URL:http://www.mass.gov/eea/agencies/dcr/massparks/region-north/walden-pond-state-reservation.htmlレキシントン・コンコードの戦い(Battles of Lexington and Concord)URL:http://www.history.com/topics/american-revolution/battles-of-lexington-and-concord マサチューセッツ州セーラム観光案内ウェブサイト(The official travel & visitor information site for Salem, Massachusetts)URL:http://salem.org/セーラム・ハンテド・ハプニングス(Salem Haunted Happenings)URL:http://www.hauntedhappenings.org/ 舞林鳥 恵80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。