シングリッシュ (Singlish) をご存知ですか?シンガポールでよく話されている独特の英語「Singaporean English」のことなのですが、中国語やマレー語などの単語がブレンドされていたり、イントネーションも独特で、外国人には (英語のネイティブスピーカーでも) 分かりにくい言語です。ただ、多民族国家シンガポールならではのシングリッシュを知っていると、旅行中に役に立つことも。シンガポールの文化を知る上でも参考になるシングリッシュの代表的フレーズを、今回はいくつかご紹介します。 シングリッシュでよく知られているのは、文章や言葉の最後に「ラー (lah) 」をつけること。例えば、「OK lah」は「オッケーだよ」みたいなニュアンスになります。またよく用いられるのは、「キャン (Can) 」で、これは「大丈夫」「できる」という意味で使います。例えば「Can you go to Changi Airport? 」と、チャンギ空港に行けますか?とタクシーの運転手に聞いた場合、大抵返事は「Can 」だけで、「行けるよ」という意味。「大丈夫、大丈夫」というニュアンスの時は、「Can can!」と言うのがシングリッシュ独特の答え方です。 その他、シンガポール政府観光局がまとめたシングリッシュガイドには、こんなフレーズがあります。Oh, izzit?: 「それはおもしろい」 /「本当?」 Dohwan: 「いいえ、結構です」 /「いらないよ。」 So how?: 「これからどうする?」Alamak!: 「え〜⁉」みたいなニュアンスで、狼狽や、信じられないという気持ちを表す表現。Can can!: 「うん、絶対」/「大丈夫、大丈夫!」Lai dat also can?: 「それでもいい?」 それ以外に、よく聞いたり見かけりするのは、Shiok: 「すごい!」/「素晴らしい!」Aiyoh: 「なんで〜」/「もう!」というような驚きやイライラを表す時によく使われます。例えば、"Aiyoh, why is the train not moving⁉" (もうなんで電車動かないんだ!)Auntie / Uncle: 年上の女性/男性に対して用いる尊敬をこめた表現。タクシーの運転手の男性に対して、呼びかける時などに使えます。Kiasu: 多くのシンガポール人の競争心の強い性質を表す言葉。元々は、中国語の方言で「負けることを恐れる」という意味を持ちます。Chope: 予約するという意味。シンガポールでよく使われるレストランのオンライン予約のシステムに、Chope という名前のものもあります。Tapao: ホーカーなどで「ここで食べるか家に持ち帰るか」とよく聞かれるのですが、持ち帰るときは Tapao というのがシングリッシュ。英語で takeaway と言うのと同じ意味です。 シンガポール人の英語は、シングリッシュの要素が強いと日本人には分かりにくことが多いです。でも逆に言うと、こちらの文法が間違っていても、キーワードさえちゃんと伝えれば、英語が通じる場合が多いのも事実。流暢に喋る英語より、キーワードを伝えた方が理解してもらえるので、英語が苦手な方も、焦らず喋ればきっと大丈夫です。そして、よく使われるシングリッシュを少しでも知っていれば、旅行中に何か違う発見もあるかもしれません。シングリッシュに関するグッズや本も最近増えているので、ご興味ある方は旅のお思い出に探してみて下さい。 【データ】シンガポール紀伊國屋書店 (シングリッシュ関連の本の取り扱い有)住所:391 Orchard Road, #04-20/20B/20C, Ngee Ann City Takashimaya Shopping Centre, Singapore 238872tel:+65-6737-5021 営業時間:日〜金 10:00〜21:30 土曜 10:00〜22:00ナイーズ (Naiise.) (シングリッシュを題材にしたグッズが買えるお店)クラークキー支店住所:6 Eu Tong Sen Street, Central, #02-23, Singapore 059817営業時間:11:00〜22:00URL:https://naiise.com (その他の支店情報や、オンラインショッピング情報はこちらから) 北野 洋子2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。