シンガポール旅行中に、伝統料理やローカルフードを堪能したい方にお薦めなのが、プラナカン料理店「ブルージンジャー (Blue Ginger)」。プラナカンとは、中国からマレーシアやインドネシア、シンガポールに渡ってきた移民が、地元のマレー人と結婚して生まれた子孫たちのこと。「ニョニャ料理」とも呼ばれる個性豊かなプラナカン料理は、主要食材としてチリ、ブラチャン、ココナッツミルクを使用しているそうです。今回のコラムでは、初めての方でも美味しく食べられるブルージンジャーのお薦めメニューをいくつかご紹介します。 まずはお薦めの前菜2皿。オタオタ (Otak Otak) は魚のすり身とチリやエビペーストなどのスパイスを混ぜ、葉に包んで蒸したもの。ブルージンジャーのオタオタは、今まで筆者が食べたオタオタの中でも、一番ジューシーで味も濃く高級感のある美味さでした。クエ・パイティー (Kue Pie Tee) も同店に行ったら是非試していただきたい一品。見た目も可愛いクエ・パイティーは、小さなカップ状のサクッとした器の中に、タケノコなどを煮込んだものが入っていて、上には海老がトッピングしてあり、日本人好みの味です。 お通しとして、スパイシーなピクルスと、チリソースにライムをかけメインデッシュの辛さを調整できるサンバルも出てきます。これだけでも、ビールによく合います。 Assam Puteh というシーフードスープ (S$6.8) を頼んでみたら、ちょっと酸味もあり、これまた見かけ以上の美味しさ。タマリンドというフルーツのジュースとレモングラス、ライムなどで味付けがしてあり、食がすすみます。 空芯菜とイカをサンバルというチリソースと一緒に炒めた Juhu Kangkong (S$13.5) は、結構辛いですが、ビールによく合う一皿。スパイシーなのが好きな方に特にお薦めです。 メインは、海老、トマト、ナス、オクラなどが、タマリンドの入ったグレービーソースで煮込まれている Udang Masak Assam Gulai (S$24.8) を頼んでみました。レモングラス風味で、野菜も海老も柔らかく深みのある味に仕上がっていて美味。ごはんが付いてきて、足りなくればおかわり自由です。 シンガポール政府観光局によると、プラナカン料理は、地域によって微妙に調理法が異なるそう。マレーシアのペナンに原点を持つプラナカン料理には、タマリンドなどの酸味の効いた食材が用いられることが多く、タイ料理の影響を垣間見ることができますが、シンガポールとマラッカに原点を持つプラナカン料理には、ココナッツミルクが多く用いられており、インドネシア料理の影響が色濃く反映されているとのこと。ただ、今回ご紹介したメニューは、どちらかというと、タマリンドなどの酸味があるものが多かったかもしれません。いずれにしても、プラナカン料理に興味がある方にはお薦めなブルージンジャー。ぜひ一度試してみてください。 【データ】店名 : ブルージンジャー (Blue Ginger) 住所:97 Tanjong Pagar Road, Singapore 088518 (地下鉄MRT Tanjong Pagar 駅より徒歩5分)Tel:+65-6222-3928URL:http://www.theblueginger.com営業時間:12:00〜14:30、18:30〜22:00 北野 洋子2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。