メキシコの街角でこんがり焼けたお肉の良い香りがしてきたら、その先では高確率で、こんなふうにパイナップルを頭に付けてお肉がグリルされています。これは様々なスパイスで味付けされた豚肉で、メキシコシティ(そしておそらく他の多くの街でも)では「パストール(Pastor)」という名前で売られているのですが、ここモンテレイではこのお肉を焼いているロースターそのものの名前、「トロンポ(Trompo)」として売られていることが多いです。真っ赤ですが辛いわけではないので、辛いのが苦手な方でも大丈夫です。
ここはモンテレイの中心部、フアレス市場にほど近い八百屋さん街にあるタコスの簡易食堂、タケリア・フアレス(Taquería Juarez)。屋台のご飯は食べてみたいけど、あまりローカルすぎるのは衛生的にちょっと...という方には、簡易食堂がおすすめ。食前食後にちゃんと水道で手が洗えますし、調理する人とお会計係が別なだけでも、安心感が違いますよね(屋台だと、お金を触った手でそのまま調理が当たり前ですから)。
壁に大きく写真付きメニューが貼り出してあるので、スペイン語が分からなくても指差し注文できます。メニュー左側のタコス(Tacos)は手のひらサイズのトルティージャ(丸いクレープ状の皮)に具が乗ったものですが、中央に載っているグリンガ(Gringa)は素材こそ一緒なれどもっとずっと大きなトルティージャで具を挟んだもので、片手では掴みきれないような大きさです。
こちらが私のお気に入り、カンペチャーナ(Campechana、トロンポと牛肉の両方載せ)のグリンガです。健康を考えると頻繁には食べられませんが、たまにご褒美的に食べるこの肉肉しさがたまらないんですよね。笑 大小を選べたので小にしたのですが、直径25cmほどの迫力サイズ。付け合せはシラントロ(パクチー)と玉ねぎのみじんぎり、焼きジャガイモと焼き玉ねぎです。見た目に反して薄味なので、リモン(ライム)や各種サルサで自分好みに味付けできるのが楽しいところ。
サルサは見た目と味が一致しない(マイルドそうに見えて激辛の場合有り)なので、一滴お皿の淵にたらして味見してから使うと良いです。この写真で言うと、右奥の玉ねぎとハバネロのサルサが激辛、手前の赤(ロースト玉ねぎ)と緑(アボガド)はコクを出すもので、辛くはありません。
こちらは連れの頼んだメキシコ風サンドイッチのトルタ、こちらも中にはジューシーな炙ったお肉たっぷり、パンも鉄板で炙るので、香ばしくてとても美味しいです。
メニューに値段は書いていませんが、一人$100もあればお腹いっぱい食べられるので、値段の心配は無用です。この日は二人でカンペチャーナのグリンガ(小)二つとトルタが一つ、瓶コーラ二本で$186でした。米ドルでお会計できます、となっているのがいかにも国境の街モンテレイらしいのですが、今はドル高ペソ安が進行しているので、本日のお会計$186はペソ払いだと約1050円、お店のレート通りのドル払いだと約1300円です。米ドル払いだとかなり損してしまうのですが、それでも米ドルで払う人、いるのでしょうか?
このエリアは中国系のお店も多く皆アジア人を見慣れているため、日本人がローカルなお店に入っても悪目立ちしないのがうれしいところ。日本と同じでB級グルメは気取らないお店の方が絶対に美味しいので、市場の見学がてら是非立ち寄ってみてください。
【データ】
店名:タケリア・フアレス(Taquería Juárez)
住所:San Aramberri114-13, Centro, Monterrey, N.L.
アクセス:モンテレイの中央市場、メルカド・フアレス(Mercado Juaréz)から西に1ブロック入ると、八百屋さん街のColegio Civil通りが南北に走っています。
それと東西に交差するSan Aramberri通りには、今回紹介したようなメキシコB級グルメの簡易食堂が沢山あります。
Sayaka
初めてのメキシコは、一年間の語学留学で訪れたメキシコシティ。今は仕事の都合で、二度目のメキシコ生活を通称「美男美女の街」「肉の街」のモンテレイで送っています。(名前に偽りなく、確かに美男美女は多いし、肉は美味しいです!)旅先で欠かせないのは、スーパーマーケット巡り・絵葉書を書く・各地の公共交通機関に乗ること。まだまだ旅行情報の少ないメキシコ、自分が「あったら便利」と思う情報を、どんどん共有していきたいと思います。