年に4回お正月があるといわれているシンガポール。日本や西洋と同じ1月1日、そして中華系の旧正月、イスラム系のお正月、そしてインド系のお正月のディーパバリ(ディワリ)です。インドでは、お正月は光が闇に打ち勝つ日、と言われていて、リトルインディアではライトアップで街が彩られ、屋台も出てにぎわいます。インド料理店でも、この時だけのスペシャルメニューを作って、提供しています。 マリーナベイサンズにある高級インド料理店、「パンジャブ・グリル(Punjab Grill)」でも、このための特別メニューを用意。ベジタリアンと、ノンベジタリアンのコース(各S$99)がありますが、私はノンベジタリアンのコースを頂いてきました。 パンジャブ・グリルは、ジャベッド・アフマド(Javed Ahamad)シェフが腕を振るうモダンインド料理の店。「インド料理というと素朴なイメージを持たれがちだけれども、良い素材を使い、洗練された盛り付けでもっと昇華させた現代的なインド料理を作っていきたい」といいます。 前菜は左から、リンゴの木でスモークしたさつまいもとスターフルーツをタマリンドのソースで和えたもの。甘酸っぱい味とスパイシーさが、スターターにぴったり。真ん中は、新鮮なフェヌグリークと共にマリネしてタンドールで焼き上げたチキンティッカ。本格的な土でできたタンドール窯を使っているので、とっても柔らかくて香ばしく、個人的にも大好きな味です。 仔羊のフライは、ピリリと辛いのですが、熟成したチェダーチーズのソースがかかっていて、辛さを程よくコクのある旨味で包み込んでくれます。 メインは、珍しい、ジャックフルーツのビリヤニと共に。松の実と一緒に炊き込んであり、ジャックフルーツは少し水分の多いかぼちゃのような印象。松の実の甘い香りとコクが、良いアクセントになっています。そして、一緒に様々なカレーがサーブされます。インド人の友人によると、こうしてビリヤニやカレーを皆でわいわい分け合いながら食べるのが、一般的なインドのお正月の姿なんだとか。カレーは、ガーリックとカルダモンの効いたクリーミーなチキンカレー、マスタードリーフを土鍋でじっくりと煮込んだ少し薬膳のような香りのカレー、5種類のレンズマメを、焦がしたガーリックやほうれん草と煮込んだ濃厚なカレー、 ジャガイモとトマト、玉ねぎとコリアンダーソースのさっぱりしたカレー。タンドール窯で焼いたナンも香ばしくておいしいです。 デザートは、インドの伝統的なお菓子、小麦粉の生地を揚げて、ローズシュガーとサフランのシロップに漬けこんだもの。下には、デーツとブラックカラントのとろみのあるヨーグルトのデザートが。デーツの甘味とブラックカラントの甘酸っぱさが、ヨーグルトによく合います。そして、 このディーパバリの時期ならではのお菓子で、中国の月餅のようにお世話になった方に贈るという、ミターイ(Mithai)が1個ずつ3種類と、ベタルリーフという消化を助けるハーブとアイスクリームを使った、スムージーのようなドリンクが付きます。ミターイは、アルフォンソマンゴーとホワイトチョコレート、ピスタチオ、デーツと干しイチジクを使ったノンシュガーのもの。伝統的なインドの味ですが、フルーツやナッツ、ミルクの自然な甘みを生かしていて、どこかほっとする味わいです。 スペシャルメニューは、10月24日〜31日の期間限定、ミターイのボックスは11月1日まで発売しています。この時期ならではの味、ぜひ試してみてくださいね! <DATA>パンジャブ・グリル(Punjab Grill)営業時間:ランチ11:30〜15:30、ディナー18:30〜23:00、日曜休住所:B1-01A, The Shoppes at Marina Bay Sands,South Podium, 2 Bayfront Avenue. Singapore 018972TEL:+65 6688 7395URL: http://www.punjabgrill.com.sg/アクセス:MRTベイフロント駅直結 仲山 今日子元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイド。ブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。