パリの東、市境に位置するモントルイユの蚤の市は、人々の生活により近い蚤の市。観光客がよく訪れるヴァンヴの蚤の市は、どちらかというと「趣味で買うもの」が多いですが、モントルイユは今使える日用雑貨が中心です。連なる露店も衣料品や電気部品など生活に密着しています。
旅行者にとって、日用品などはショッピングの目的ではないと思いますが、それら露店の間にぽつぽつとアンティークを扱う店が並んでいます。観光客が多いヴァンヴの蚤の市と違って、地元の人が多い分、観光客目線で見た「ほしい物」が残っている可能性はあります。
モントルイユの蚤の市を歩いていて、多く目につくのが衣料品です。ここの客層は北アフリカをルーツに持つフランス人が多く、エキゾチックなデザインも多いです。値段はリーズナブル。日本ではなかなか見つけられない柄やスタイルを見つけることができます。安価なものが中心のため、当然質が悪いものは多いです。大量に山積みされた品物の中から、宝探しのように品物を見つけるのが好きな人には、大変向いている場所です。
蚤の市では値段交渉も忘れずに。観光客だと思って、中には通常より高い値段をつけたがる店主もいるかもしれません。コミュニケーションの1つとして、ダメ元でも値段交渉はしてみましょう。案外そこから仲良くなって、おまけしてくれるかもしれません。一方で、あれもこれもと、おすすめされることになるかもしれませんが(笑)。
そもそも蚤の市が開かれる場所は、比較的治安が良くない場合が多いです。モントルイユも良いとは言えません。注意しているつもりでも、買い物に熱中して、ついつい身の回りの物から目を離しているかもしれないです。高価なものは目につかない場所にしまうなど、他の場所同様にスリや引ったくりには注意しましょう。安い買い物ができたけれど、逆に高いものをすられてしまった、ということのないように、良い旅の思い出を作りたいですね。
【データ】
名称:モントルイユの蚤の市(Marché aux puces de la porte de Montreuil)
住所:Avenue du Professeur André Lemierre 75020 Paris
営業時間:7:00〜19:30
休み:火〜木曜
最寄り駅:地下鉄9号線Porte de Montreuil
URL:http://equipement.paris.fr/marche-aux-puces-de-la-porte-de-montreuil-4517
加藤 亨延
ジャーナリスト。日本の雑誌に海外事情を寄稿。専門は日・英・仏の比較文化。ロンドンにて公共政策学修士を修了後、東京で雑誌、ガイドブック制作に携わる。2009年9月よりパリ在住。取材などで訪れた先は約60ヵ国800都市。現地コーディネートも担当。趣味は飲物。各国蔵元とミネラルウォーターの源泉へ足を運ぶことがライフワーク。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。ご連絡はこちらまで。