カルガリーは実に面白い場所に位置していて、西に1時間半で緑豊かで雄大なカナディアンロッキー。東に2時間で赤茶けた荒涼としたバッドランズ。数時間のエクスカージョンで様々な顔を見せてくれます。カナダのバッドランドにあるダイナソー州立公園ではこれまた非日常的な景色が堪能できます。カナダのバッドランドは、赤茶色の地層がむき出しになっている谷が特徴で、氷河が溶け大地が侵食されたことによってできたと言われています。ダイナソー州立公園という名前でもわかるように、この土地では恐竜などの古代生物の化石の発掘が今でも盛んに行われていて、ユネスコの世界遺産にも登録されています。 ダイナソー州立公園へのアクセスはカルガリーかドラムヘラーが拠点になります。カルガリーからは国道1号線経由で東南東へ約220km、2時間15分。ドラムヘラーからは南東へ約160km、1時間40ほどの場所にあります。通常車でのアクセスになりますが、要所で「ダイナソー州立公園まで○○km」と書かれた標識が出てくるので迷うことはないでしょう。公園の入口にはカナダ国旗とアルバータ州旗と一緒の看板が立っています。 先ほどの看板の場所はまだ入口ですが、すでに絶景ポイント。少し上からバッドランド全体を見渡すことができます。青い空と赤茶けた大地に吸い込まれそうです。ちなみにこの1歩先は断崖絶壁で足がすくんでしまいます。写真撮影の際は要注意です。 入口の絶景ポイントからさらに奥に下っていくと今にも襲ってきそうな格好で恐竜が出迎えてくれます。そしてその先にビジターセンターがあります。このビジターセンターはロイヤル・ティレル博物館のフィールドステーションになっていて、バッドランドで発掘された化石などの展示が行われており、ガイドツアーも催行されているのでバッドランドの古代生態系を間近に感じることができます。公園内には5つのトレイルがあるので、ビジターセンターで地図をもらって、太古の昔に恐竜が闊歩していたバッドランドを実際に自分の足で歩いてみましょう。 実際に歩いてみるとわかりますが、地形がコロコロ変わります。冒頭の写真のようにごつごつした岩山だったり、平坦で砂漠みたいだったり。そして突然緑が出てきたり。1つ1つのトレイルは30分程度の長さが多く、5つすべてのトレイルを歩いても数時間なので是非大地を踏みしめながら全トレイル制覇を目指してください。但し、サソリやタランチュラが生息しているので穴の中に手や足を入れたり、トレイルから外れるのは危険ですからやめましょう。【データ】ダイナソー州立公園(Dinosaur Provincial Park)電話:403-378-4342URL:http://www.albertaparks.ca/dinosaur.aspx 白柿 佳一アメリカでマスコミ学の修士号を取得。在学中のインターンでニュース映像カメラマンを経験。帰国後、テレビ通販チャンネルのカメラマンとして11年勤務。2012年3月、アラフォーオヤジが妻子を連れてカナダ移住を実現。現在、カルガリー、バンフを中心にビデオカメラマンとして活動しながら、地元日系情報誌カルガリー・ウォーカーにもコラムを執筆中。