夏。カナディアンロッキーはアウトドアアクティビティの季節です。世界各地から毎年多くの観光客が訪れ、人気スポットは多くの観光客でごった返します。
最近はハイキングツアーなるものもあり、ここカナディアンロッキーではちょっとしたハイキングブームとなっています。日本のガイドブックにも載っているバンフのトンネルマウンテンやジョンストンキャニオンは日本人観光客にも人気で、夏場はハイキングトレイルが混雑しているときもあります。
初心者でも歩ける手軽なコースだったり、アクセスが便利だったりと、人気があるには理由があります。でも、もし、時間や体力に余裕があったり、レンタカーや自家用者でアクセスが可能であるなら、人気コースから外れた穴場のハイキングコースに挑戦するのもいいかもしれません。
今回は日本のガイドブックには載っていないハイキングコースをご紹介です。
カルガリーから西南西に約60㎞、車で50分ほど走るとカナナスキス・カントリーという環境保護に配慮され、大自然に囲まれたリゾート地があります。バンフ国立公園の手前、カナディアンロッキー東側に南北に広がっており、夏はハイキングやラフティング、冬はスキーやクロスカントリーなど年間通してアクティビティが楽しめます。
このカナナスキス・カントリーの中にプレーリーマウンテン(標高2214m)があります。問題はハイキングコースがどこから始まっているか非常に分かりづらいこと。グーグルマップでは観光名所であるエルボー・フォールズ(Elbow Falls)で検索しましょう。カルガリー方面からくると、エルボー・フォールズの看板を過ぎるとすぐ左側に駐車場が見えてきますのでここに車を停めるのがベストです。
駐車場から道路を渡った反対側にトレイルの入り口があります。プレーリーマウンテンの看板もないので迷いそうですが、上の写真の分かれ道では左に行きます。
この山の頂上を目指すハイキングコースは片道約3.5㎞、往復約7㎞の行程です。
約3.5㎞の間に標高が700m高くなりますので思ったより険しいかもしれません。とはいえ、地元の子供たちは4〜5歳くらいから登ります。道なき道を歩くとか、危険な場所があるとかではありませんが、体力に自信のない方はやめた方がいいかもしれません。
ちなみに私は頂上まで2時間20分、下りは1時間30分かかりました。途中ですれ違ったおじいちゃんは2時間で登ると言っていたので、人によって時間はまちまち間も知れません。
登り始めは高い木で囲まれた森の中をひたすら登ります。
登っていくと途中で眼下にエルボー川(Elbow River)が見えます。登りは川側を背にして登りますのでもしかしたら見逃すかもしれません。でもご安心。下りの時見逃すことはないでしょう。
2時間ほど登るとようやく頂上付近が見えてきました。ここまでくると高い木はなくなり、景色が開けてきます。そして勾配も緩やかになります。ゴールは目の前です。
ようやく頂上に到着です。頂上ではカナダ国旗が出迎えてくれました。結構きつかったので達成感でいっぱいです。
苦労して登ったので、頂上から眺める景色は最高でした。写真ではわかりませんがここからかすかにカルガリーの高層ビルが見えました。
頂上では素晴らしい景色をみながら、あらかじめ持ってきたサンドイッチを食べながらしばしの休憩。体力を回復させ下山となりました。日ごろ運動不足の人は翌日筋肉痛になるかもしれませんね。
【データ】
プレーリーマウンテン(Prairie Mountain) 標高2214m
ハイキングコースの距離:往復約7㎞(高低差約700m)
所要時間:3〜5時間(人による)
難易度:中級
行き方:カルガリーからは国道1号線か州道8号線を西に行き、州道22号線に乗りブラッグ・クリーク(Bragg Creek)という町を目指す。そこから州道66号線を西に行き、エルボー・フォールズ(Elbow Falls)を目指す。エルボー・フォールズの看板を過ぎるとすぐ州道66号線沿いに駐車場が見えてくる。
持ち物:水必須。帽子、サングラス、日焼け止め、虫よけスプレー、ハイキング用ステッキ、ジャケットはあった方が便利。
白柿 佳一
アメリカでマスコミ学の修士号を取得。在学中のインターンでニュース映像カメラマンを経験。帰国後、テレビ通販チャンネルのカメラマンとして11年勤務。2012年3月、アラフォーオヤジが妻子を連れてカナダ移住を実現。現在、カルガリー、バンフを中心にビデオカメラマンとして活動しながら、地元日系情報誌カルガリー・ウォーカーにもコラムを執筆中。