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「マギー・ジョーンズ」ミシュラン三ツ星仕込みの隠れ家ダイニング

   
仲山 今日子
仲山 今日子
 
白い壁にシンプルな看板が目印

美食街として今注目を集めているアモイ・ストリート(Amoy Street)の一本裏手、ジェミル・レーン(Gemmill Lane)に面した隠れ家レストラン、マギー・ジョーンズ(Maggie Joan's)。
「おばあちゃんの家」をテーマにしたレトロな印象のインテリア、奥行がある形は、どこかほっとする雰囲気。提供するのは、地中海料理をベースにした、温かみのある手作りの料理がモットーでです。

奥の席からは、カウンターで調理している様子も見られる

イギリス出身のオリバー・ハイド(Oliver Hyde)ヘッドシェフは、ミシュラン三ツ星の、ゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)でキャリアを積み、ガーデンズバイザベイの温室内にあるレストラン、ポーレン(POLLEN)のスーシェフを経て、このMaggie Joan'sにやって来た腕利きのシェフ。三ツ星レストランの技を使って、洗練された地中海料理を生み出します。

オリバー・ハイドヘッドシェフがにこやかに迎えてくれる

パンは自家培養した天然酵母の全粒粉パン。トーストを割ると、ふんわりとした優しい香ばしさが漂い、もっちりとした中身と、カリカリの外側との対比が楽しめます。

食事をオーダーすると無料でついてくる天然酵母パン

アランチーニ(お米のリゾット入りのコロッケ)は、ゴルゴンゾーラ、リコッタに、ウォッシュチーズの王様とも呼ばれるエポワス、ラングル、という、チーズ好き垂涎の組み合わせ。カリッと揚がった衣を割ると、中からクリーミーなリゾットが。トマトのチャツネは、ブラウンシュガーと生姜をほんのり効かせた、ちょっと甘めの仕上がりで、上にかけられたパルメザンチーズとの対比が楽しめるようになっています。

チーズ・アランチーニ・アンド・トマト・チャツネ(S$9)

自家製の鮭のタルタルは、ライムやコリアンダーシードと共に漬け込んだ鮭に、レモンとオリーブオイルでシンプルに仕上げ、ギリシャヨーグルト、ゴートチーズのクリームを添えてあります。サーモンと好相性のディル、そしてライ麦パンで作ったクルトンがアクセントになっています。

キュアド・サーモン・タルタル(S$17)

ジプシー風の卵は、どこかモロッコなど中東やスペインを思わせる雰囲気。クミンやコリアンダーシードなどのスパイスが効いたトマトソースで煮込んだひよこ豆のシチュー。その中心に卵を落とし、熱々を、こちらも自家製のミルクブレッドにつけて頂きます。ピリッと辛いイベリコ豚のチョリソーの角切りで程よい刺激をプラス。ミルクブレッドの乳製品の香りが、全体にまろやかさを与えています。

ジプシー・スタイル・ベイクド・エッグ(S$16)

幅の広いリボン状のパスタ、パルパデッレも、麺から手作り。程よいアルデンテにゆで上げられたパスタにからめたソースは、セロリや人参など、たっぷりの野菜と一緒にローストし、12時間煮込んだというニュージーランド産の子羊のラグー。所々にごく細かくしたライ麦パンのクルトンが入っていて、食べ飽きないアクセントとなっています。

ホームメード・パルパデッレ(S$26)

そして、ハンバーガーのような形の、フライドチキンサンドイッチ。こだわりのフランス産の地鶏、プーレ・ジョーヌ(Poulet Jaune、黄色い鶏、の意味)を使っていて、柔らかくてジューシーなのが特徴。オーブンで焦がしたライムをぎゅっと絞って、カリカリの衣にかぶりつくと、ふんわり漂う上質の鶏肉の甘い香り。ハリッサと呼ばれる中東の唐辛子とマヨネーズを和えた、ハリッサマヨネーズと共に。もちろん、このマヨネーズも卵黄と植物油を丁寧に合わせた手作り、出来立てのマヨネーズはやっぱり美味しいです。ペコリーノチーズが旨味をさらに後押しして、満足感の高いバーガーになっています。パンも焼きたての自家製、こちらはチャバタのような、さっくりとした食感のものでした。
サイドディッシュは、セバゴ(Sebago)と呼ばれる種類のジャガイモのフライ。こちらも、ひと手間もふた手間もかけたもの。一度蒸しあげてから、オイルをかけながらフライパンで焼き、最後に揚げています。そのおかげで中はしっとり、外はとってもカリカリ。ローズマリーソルトが香ばしく、こちらにリコッタチーズのディップをつけていただくと、地中海を感じる味わいに。

フライドチキンサンドイッチ(S$18)

デザートは日替わりで、この日は65%カカオのダークチョコレートを使った濃厚なチョコレートタルト。コクと酸味のあるサワークリームを添え、塩気のあるピーナッツを散らして、あとを引くおいしさです。

日替わりデザート(S$10)

【データ】
■Maggie Joan's Dining & Bar
営業時間:ランチ 12:00〜14:30(平日)、ディナー 18:00〜23:00
住所:110 Amoy Street, #01-01,Singapore 068579 (入り口は Gemmill Laneに面していますので、ご注意ください)
電話: +65 6221 5564
営業時間:ランチ 12:00〜14:30(平日のみ)、ディナー 18:00〜23:00
定休日:日曜
最寄駅:MRTテロック・エア駅(徒歩3分)

仲山 今日子

仲山 今日子
元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

    

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