ウイスキー好きにとって憧れの土地、アイラ島。スコットランド西部、ヘブリディーズ諸島の南端に位置する人口3000人ほどのこの島には、8つものウイスキー蒸留所が集まっています。同島のウイスキーは、潮風とピートによって造られた独特のスモーキーさが特徴。好き嫌いが分かれる味ですが、その分、熱心な愛好家は多いです。 8つある蒸留所は、島内の地区別におおよそ固まっています。島の南部ポート・エレン周辺にはラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグが、島の中央部にはボウモア、東海岸にはカリラとブナハーブン、西側にはキルホーマンとブルイックラディがあります。車を使い急ぎ足で回れば、最短丸2日間ですべて訪れることが可能です。 島への交通機関はフェリーか飛行機です。フェリーは本土のケナクレイグから南部ポート・エレン、もしくは東部ポート・アスカイグに発着します。天候により欠航となったり、日によって港が変わることもあるため事前の確認は必須です。グラスゴーとアイラ島を繋ぐフライトは、南部ポート・エレンと中央部ボウモアの間に位置するアイラ空港に到着します。飛行機は小型で席が限られるため、予約は早めにしましょう。 島内の交通手段はバス、タクシー、レンタカーのいずれか。バスは1日の本数が多くありません。また日曜は運行自体がないため注意が必要です。レンタカーは空港か港で借りられますが、こちらも予約をおすすめします。車自体の数は少なく、特にオートマ車を希望の場合は、予約必須です。返却場所と時間も、細かく確認しましょう。空港はフライトがある時間帯以外は閉まっています。 蒸留所の訪問はビジターセンターやショップのみなら予約は要りません。蒸留所内を見学したい場合は、見学ツアーの申し込みが必要です。その場で申し込みもできますが、特にボウモア(下記にデータを記載)やラフロイグのような有名蒸留所は、日程と時間帯によってはすでに定員が埋まっています。どうしても見学したい場合は、予約を入れましょう。各公式サイトの連絡先から、メールか電話を通じて申し込めます。 各蒸留所のツアーは有料(最低6ポンド前後)ですが、少なくとも1杯の試飲と、蒸留所特製の試飲グラスをもらえます。時間は約1時間。値段的にはお得です。蒸留所でしか売られていない限定ボトルもあり、ショップも要チェックです。迷った際は、どのボトルが各国の免税店でも売られていて、どれが現地にしかないか、店員さんに聞いてみましょう。詳しく教えてくれます。 スタッフの人は皆、蒸留所で働いているだけあってウイスキーが大好きです。そこに田舎の良さも加わり、とても親切です。話が弾むと、表には出していない特別な銘柄の試飲ボトルを出して、こっそり注いでくれることも! ウイスキー好きなら必ず訪れたい島です。【データ】名称:ボウモア蒸留所(Bowmore Distillery)住所:School St, Bowmore PA43 7JSURL:http://www.bowmore.com/営業時間:9:00〜17:00(2016年8月の日曜は12:00〜16:00、2016年9月〜2017年3月の土曜は9:00〜12:30)休み:日曜(2016年9月〜2017年3月:2016年8月は無休) 加藤 亨延ジャーナリスト。日本の雑誌に海外事情を寄稿。専門は日・英・仏の比較文化。ロンドンにて公共政策学修士を修了後、東京で雑誌、ガイドブック制作に携わる。2009年9月よりパリ在住。取材などで訪れた先は約60ヵ国800都市。現地コーディネートも担当。趣味は飲物。各国蔵元とミネラルウォーターの源泉へ足を運ぶことがライフワーク。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。ご連絡はこちらまで。