パリにある大きな蚤の市といえばクリニャンクール、ヴァンヴ、モントルイユの3カ所です。その中でもヴァンヴの蚤の市は、立地条件、品揃えの面で、もっとも観光客に向いています。多くの外国人がイメージする「パリっぽさ」を体験できる蚤の市です。 開催日は毎週土・日曜日。最寄り駅は地下鉄4号線ポルト・ド・ヴァンヴ駅かトラムT3a線ディド駅です。そこから南へ歩いてすぐのジョルジュ・ラフネストル通りを中心に、露店が出ています。 それぞれの店で一応のくくりはあるものの、扱う品はかなり雑多。古本、古着、食器などからアクセサリー、ヒンドゥー教の神像、アフリカの民芸品まであります。一通り見ていると分かってきますが、特に古美術っぽいものは、古そうに見えても、じつはそのような加工をした品であることは多いです。あそこの店の掘り出し物だと思ったのに、じつは広く流通しているものだった(!)なんてことも、しばしば。中古の食器類も、大量生産品かつ使い古されているものでも、案外高値であるため、交渉は必要です。 ヴァンヴの蚤の市は、パリの蚤の市の中でも特に旅行者のニーズに合っています。そのため観光客が多いです。観光で訪れた人はそれなりにお金を出すことも多いためか、価格は平均より高値で買い支えられているイメージを受けます。一方で、前述したようにパリの蚤の市の中では、比較的、治安など難易度が低いため、訪れやすいというメリットがあります。本格的に色々買い込むというよりは、蚤の市とはどんなものか体験したい、という人に向いている場所です。 各店舗で値段を聞いて冷やかしつつ、記念に何か1品買ってみる。観光スポットを巡るだけでない思い出を作るには、最適な場所だと言えます。【データ】名称:ヴァンヴの蚤の市(Marché aux puces de la porte de Vanves)住所:Avenue Georges Lafenestre 75014 ParisURL:http://equipement.paris.fr/marche-aux-puces-de-la-porte-de-vanves-4518営業時間:7:00〜19:30(土・日曜のみ)休み:月〜金曜最寄り駅:地下鉄4号線Porte de Vanves、トラムT3a線Didot 加藤 亨延ジャーナリスト。日本の雑誌に海外事情を寄稿。専門は日・英・仏の比較文化。ロンドンにて公共政策学修士を修了後、東京で雑誌、ガイドブック制作に携わる。2009年9月よりパリ在住。取材などで訪れた先は約60ヵ国800都市。現地コーディネートも担当。趣味は飲物。各国蔵元とミネラルウォーターの源泉へ足を運ぶことがライフワーク。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。ご連絡はこちらまで。