
来年でちょうど没後10年になります、イタリアのテノール歌手の巨匠<キング・オブ・ハイC>と評されたルチアーノ・パヴァロッティは、モデナ出身。実の父もテノール歌手でした。
地元のレッジョ・エミーリアのコンクールで優勝し、レッジョ・エミーリアの市立歌劇場でプッチーニ作曲<ラ・ボエーム>でオペラ歌手デビューを果たしました。
その後は、ウィーンやロンドン、ミラノのスカラ座で同オペラのデビューをし、翌年アメリカのマイアミで、ドニゼッテイ作曲の<ランメルモールのルチア>を歌い輝かしいデビューをしました。
それから、ベッリーニ作曲<ベアトリーチェ・ディ・テンダ>を録音し、メトロポリタン劇場にはやはり<ラ・ボエーム>のオペラでデビューをついに果たし世界のトップテノール歌手になりました。




この家はオペラ歌手引退後晩年のパヴァロッティが住んでいました。ここで趣味の絵を書いたり、乗馬が好きだったため、この近くで馬に乗ったりまた再婚しその後できた女の子のために離れのお家も建てました。
現在は、その場所はお土産屋さんになっています。この家では実際に彼が住んでいたそのままの姿で見学することができます。使っていたピアノがあったり、オペラのスコアがあったり、舞台衣装が飾られたり、世界各国で歌われた映像や、愛着のプライベートの服や帽子、スカーフが展示されています。



今でもパヴァロッティが<ただいま!>と言って帰ってくるようなそんなところです。私は、何を隠そうパヴァロッティの大ファンで、歌を志したのも彼の<ラ・ボエーム>がきっかけでした。そして大阪城ホールへ彼のリサイタルコンサートへ聞きに行き、オペラ歌手になろうと硬く決心しました。
当日この家を見学した時には、感動で涙がじわっとあふれてきました。残念ながら生前直接お話をしたことはなかったのですが、何度かコンサートで共演した同僚のテノールが彼の国際コンクールでフィナーレまで行ったのでいろんなエピソードを聞くことができました。

とにかくパヴァロッティは弟子には一切レッスン代を受け取らなかったそうです。同僚はサンカルロ劇場の合唱団に所属していて、当時パヴァロッティがヴェルディ作曲のオペラ<仮面舞踏会>でサンカルロ劇場へ歌いに来た時には、彼のことを気にかけていると言ってくれたそうです。どうしてソロにならないのかと。後進の指導にも積極的に行っていました。そんな矢先七十一才という年齢であの世へ行くとは誰が想像したでしょうか?!
私の中では今でもこれから先もずっとパヴァロッティが生き続けています。本当に見学できて良かったです。皆さんもオペラに興味がなくてもきっと何かを感じることができると思います。ぜひモデナへ観光に来ることがあれば、この博物館へ足を運んでみて下さい!


【データ】
ルチアーノ・パヴァロッティの博物館(家)(Casa Museo Luciano Pavarotti)
住所:Via Stradello Nava 6, 41121, Modena, Italia
TEL:059-460778
営業時間:10:00-18:00
入場料:€8

ケイコ
大学卒業後、中学教員を経てイタリアミラノへ渡伊。フィレンツェ、ローマ、ナポリにも在住。昨年7月よりラスペツィアに移住。ローマ国立アカデミアサンタチェチーリア、イタリア国立音楽院修了。愛の妙薬でイタリアオペラデビュー。イタリアと日本で音楽活動を行う。趣味はF1観戦、ハーブティーを毎日飲む、メルカート(青空市場)で掘り出し物探し。ヨガ、ドッグシッター。兵庫県出身