シンガポールホテル特集3 エコノミー・スタンダードクラスのホテル シンガポールのホテルといえば、マリーナベイサンズを始めデザイン性の高ハイレベルなホテルを想像する方が多いと思います。しかし、そういったホテルに泊まろうと思うと、ある程度の出費は覚悟する必要があります。観光・グルメ・アクティビティーなどを重視し、ホテルにはそれほどこだわらないという場合は、旅行会社のツアーではエコノミークラス、スタンダードクラスといった分類に入るホテルを利用することになります。では、このクラスのホテル、いったいどの程度のレベルなのでしょうか?今回、旅行会社のツアーでよく利用される、代表的なエコノミー・スタンダードクラスのホテルを3軒取材してきましたので、ご紹介したいと思います。このクラスのホテルは、かなりの数ありますので、すべてがこの3軒と同じようなレベルというわけではありませんが、一定の目安にはしていただけると思います。 シーケアホテル 1軒目は「シーケアホテル」です。エコノミークラスのホテルですが、2012年9月にオープンした比較的新しいホテルです。チャイナタウンの南側に位置し、最寄りのMRTチャイナタウン駅までは徒歩15分です。ホテルからの片道ですが、MRTアウトラムパーク駅やDFSギャラリアまでの無料シャトルバスが、朝から夕方まで9本出ています。チャイナタウンやロバートソンキーまで徒歩で行けるとはいえ、少し離れていますので、やや不便な場所と言わざるを得ません。 スーペリアルーム(1101号室・1102号室)、上がダブルルーム、下がツインルームです。新しいホテルですので、清潔感はありますが、広さは18?とかなり狭いです。ちょっと大きめのスーツケースですと広げられません。 バスルームですが、バスタブはなくシャワーオンリーです。そして、ちょっと変わっているのが、バスルームとベッドルームの間の壁が透明で、ベッドルームから丸見えです。ブラインドは付いていますので、隠すことはできます。(決してラブホテルではありません。) 客室の設備、備品ですが、こちらは一通りそろっています。冷蔵庫は空で、買ってきたものを自由に入れられます。WIFIは無料です。しかも、客室ごとにルーターが設置されており、通常のホテルよりもハイスピードでつながります。 こちらも、シャンプー・シャワージェル・ボディーローション・カミソリ・歯ブラシ・シャワーキャップなど、このクラスのホテルの中では、アメニティーが比較的揃っている方です。 16階にあるスカイラウンジです。夜はバーとして営業していますが、昼間は宿泊客が自由に利用できます。コーヒー・紅茶・ちょっとしたお菓子が置いてあります。眺めがよく、マリーナベイにあるシンガポールフライヤーまで見えます。 10階にもうひとつスカイテラスがあります。ここも宿泊客は自由に使えるのですが、何のためにあるスペースなのかよくわかりません。ホテルの方に聞いてみると、もともとこの場所にプールを作る予定だったのですが、何かの理由で取りやめになり空いてしまった場所だそうです。だから、給水設備があり池があるのかと、妙に納得してしまいました。 館内1階にある、朝食会場にもなる「ビスタレストラン&グリル」です。 2階にある「クラブ@52」です。新しいホテルということで、清潔感があり備品もある程度揃っているという部分は評価できるホテルです。ただ、エコノミークラスということで、部屋の狭さと立地の不便さはちょっと我慢する必要ありです。 ロイヤル@クイーンズ 続いては、「ロイヤル@クイーンズホテル」をご紹介します。こちらは、シーケアホテルよりは1ランク上のスタンダードクラスのホテルです。MRTブラスバザー駅まで徒歩5分、ブギス、ラッフルズシティー、ナショナルギャラリーなどが徒歩圏内にあり、マリーナベイやボートキーへも少し距離はありますが歩いて行けます。立地は、悪くありません。 ロビーも広く、団体旅行などでもよく利用されます。30年程前に開業したホテルですので、やや古びた感じはありますが、改装を重ねていますので、それほど気になりません。 客室は2008年に改装されており、モダンな雰囲気です。エグゼクティブツイン(1121号室)、広さは28?ありますので、狭苦しさは感じない十分な広さです。 セフティーボックス、ポット、お茶セット、スリッパと基本的なものは揃っていますが、フリーのミネラルウォーターが無いのがマイナス点です。冷蔵庫は空で、買ってきたものを自由に入れられます。WIFIは無料です。 バスルームは、ごく普通です。長いゆったりとしたバスタブがありますが、やや浅いのが難点です。 アメニティーは、シャンプー、バスジェル、ボディーローション、歯ブラシ、シャワーキャップ、櫛、サニタリーバックと、まずまず揃っています。アイロンとアイロン台もあります。 朝食レストランのサマリーです。ロイヤル@クイーンズは、「贅沢な豪華さ」さえ求めなければ、問題のないホテルです。客室もそこそこ快適ですし、立地も悪くありません。スタンダードクラスのホテルの中では、おすすめできるホテルです。 ビレッジホテルブギス 最後に「ビレッジホテルブギス」をご紹介します。こちらも、スタンダードクラスのホテルです。ただし、同じスタンダードクラスですが、ロイヤル@クイーンズよりも、値段はやや高めです。アラブストリートに近く、MRTブギス駅まで徒歩3分程度と、このホテルも立地に関しては悪くありません。スルタンモスクやおしゃれなショップが集まる「ハジレーン」はホテルのすぐ目の前です。築30年ほどのホテルですが、2012年に改装が行われています。 ロビーはかなり広く、モダンな造りです。 こちらはスーペリアルーム(1513号室)です。32?ありますのでゆったりしています。客室内のデザインもカラフルでお洒落です。 バスルームはシンプルな造りですが、改装後とあってシンクはバスタブがきれいです。 デラックスルームです。広さはスーペリアルームと同じですが、デザインがより洗練されており、調度品も比較的高級なものが使われています。 バスルームは、スーペリアルームと違いシャワーのみでバスタブがありません。その分、スペースにややゆとりがあり、シャワーは使いやすいので、バスタブにこだわらない人は、むしろ使い勝手がいいかもしれません。 ポット、お茶セット、無料のミネラルウォーター、セフティーボックス、アイロンと必要なものは十分揃っています。このホテルも冷蔵庫は空です。WIFIは無料です。 バスルームのアメニティーは、シャンプー、ボディーウォッシュ、歯ブラシ、シャワーキャップ、綿棒、サニタリーバックと、最低限という感じの内容です。 朝食会場のレストラン、「ザ・ランドマーク」です。 このホテルの建物はL字型をしており、その内側のところに大きなプールがあります。ちょっとしたリゾートのようなプールですので、これはポイント高いですね。ヴィレッジホテルブギスは、立地も良く、客室も広くて清潔、大きなプールもあり、ちょっと豪華な雰囲気もして、スタンダードクラスのホテルとしては十分合格点を出せるホテルです。唯一、アメニティーの貧弱さが少し気になります。 エコノミー・スタンダードクラスのホテルを3軒見てきました。決して豪華なホテルではありませんが、問題なく宿泊できるレベルであることをご理解いただけたと思います。シンガポールで一等地といえば最近では、やはりマリーナベイ周辺、次にオーチャードロードの中心部だと思いますが、こういった場所にあるホテルは、ほとんどが高級ホテルです。しかし、シンガポールは地下鉄網が発達していますので、駅の近くにあるホテルであれば、どこにでもスムーズに移動できます。そういった観点で見れば、エコノミー・スタンダードクラスのホテルでも立地の良いホテルがたくさんあります。以上、シンガポールのホテル選びの際、参考にしていただけたら幸いです。 【ホテル情報】シーケアホテル住所:52Chin Sweet Rd(off Jalan Kukoh) Singapore, 169875 Tel:(65) 6818 2688客室数:103室チェックイン:14時チェックアウト:12時行き方:MRTチャイナタウン駅から徒歩15分ロイヤル@クイーンズ住所:12 Queen Street Singapore 188553 Tel:(65) 6725 9988客室数:231室チェックイン:14時チェックアウト:12時行き方:MRTブラスバザー駅から徒歩5分ビレッジホテルブギス住所:390 Victoria Street Singapore 188061 Tel:(65) 6295 4332客室数:393室チェックイン:14時チェックアウト:12時行き方:MRTブギス駅から徒歩3分 阿部 吾郎24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。