今年は「ピーター・ラビット」の生みの親、作家ビアトリクス・ポターの生誕150周年ということで日本でもイベント開催が目立ちますね。そんな物語の舞台、イギリス湖水地方を訪れたなら、ポターがお母様に贈ったといわれるカントリーハウスを改造して建設した、ポターゆかりの「リンデス ハウ カントリーハウスホテル」に宿泊してみるのはいかがでしょうか? ホテルのあちこちにポター家との関わりを示すような古き良き時代のセピアカラーの写真が大切に飾ってあり、その史実も興味深くノスタルジックな思いに駆られてしまいます。 部屋に案内されると急に雨が降り、湖水地方の気まぐれな天気に足を止められたのですが、すぐに雨が上がり部屋から手入れの行き届いた庭が一望できます。その先のウィンダミア湖に霧がかかり、ファンタジックな風景が広がり、ビアトリクス・ポターの愛した湖水地方の自然を目の当たりにて、しばし物語が書かれた時代にタイムスリップした錯覚に陥ります。 さて、夕食ですが、もちろんホテルのディナーも評判が良いのですが、タクシーで行けばボウネスの街までは10分くらい。地元でも人気のパブ「アルバート」まで出かけてみましょう。ホテルスタッフは、そんなタクシーの手配も親切に対応してくださいます。 素敵な外観のパブにたどりつき、さっそく注文。 トマト・クリーム味のムール貝に始まり、湖水地方の、ぐるぐる巻きの「カンバーランドソーセージ」、ラム肉のミートソースなど名物料理をたくさん。パブなのでお酒をとも思いますが、ノンアルコール派は普通にホットティー(紅茶)を注文しお食事と合わせてもおかしくないそうです。アイスティーは残念ながら、イギリスを旅して真夏でも、ほとんどお目にかかったことがありません。 夕食を済ませ小高い丘のホテルに戻り、ラウンジでティータイムという贅沢。湖水地方は真夏でも夜になると肌寒く、あたたかなミルクティーが本当に美味しく感じます。 朝食はホテルの優雅なダイニングでイングリッシュブレックファーストを。実はこのレストランは近年、日本人グループツアーで「アフタヌーンティー・プレイス」として注目されているようです。そういう意味でも宿泊者オンリーの朝食は特別感があって、居心地がよく、フレンドリーなサービスも満点です。 カリカリトーストに、ベーコン、玉子焼き。たっぷりの紅茶をストレートでいただくのですが何故かロンドンでいただく紅茶より私には美味しく感じました。聞けばロンドンのお水は「硬水」なのに対し、湖水地方のそれは日本のお水に近い「軟水」で、紅茶をストレートでいただくのに向いているお水だと聞きます。同じイギリスだと言っても列車で片道3時間半かかる距離。紅茶のお味の違いで「旅の時間」も実感しました。 湖水地方の自然をいっぱい満喫できる、そんな旅の「起点」として、おすすめのホテルです。 【データ】ホテル名:リンデス ハウ カントリーハウスホテル住所:Lindeth Drive, Longtail Hill, Bowness-on-Windermere LA23 3JF, EnglandURL:http://www.lindeth-howe.co.uk/店名:アルバート(The Albort)住所:Queens Square, Bowness-on-Windermere LA23 3BY, England Tel:015394 43241 URL:http//www.robinsonsbrewery.com/thealbert#_=_ 坂井 みさき1976年に渡米以来、趣味は海外旅行。訪問国は現在43ヵ国。出版社勤務時代の海外取材経験を活かし「世界のTEAを巡る旅」を続け、都内で「紅茶の船旅」をテーマとした「紅茶でおもてなし教室・TEA MIE」を主宰。 著書に『パパがジュゴンに恋をした』立風書房刊。*ミンミンゼミブログ *TEA MIE紅茶でおもてなし教室