街全体が文化遺産のローマは、教会があちこちに建ち、キリスト教の聖地が点在しています。その中でも異彩を放っているのが、スカラ・サンタ(聖なる階段)です。 スカラ・サンタとは、十字架にかけられる前のイエス・キリストが登ったと言われる階段で、コンスタンティヌス帝母ヘレナにより、イスラエルにあったピラト(イエスの処刑に関わったユダヤ属州総督)の宮殿内からローマに移築された、と伝えられています。 この28段ある階段、普通に歩いて登ることが許されていません。跪きながら登らないといけません。裁かれるイエスの思いを感じつつ、膝をつき一段一段祈りながら登ります。毎日、敬虔なキリスト教徒の参拝者は絶えず、彼らはお祈りしつつ、少しずと上がっていくため、当然かなりの時間がかかります。そのため観光客やキリスト教以外の信者は、その階段の隣にある階段を使い、歩いて上まで行けます。ちなみに聖なる階段は誰でも登れます。 階段を登った先には教皇の礼拝堂が置かれています。中には入れませんが、鉄格子越しに内部を見られます。金銀で作られたフレスコ画を中心に、荘厳な装飾に圧巻! 他にも礼拝堂はあり、それらは見学可能です。 階段左手には売店もあり、キリスト教やスカラ・サンタ関連のグッズを売っています。建物自体はそこまで大きくはありません。しかし訪れて損はないスポットの1つです。【データ】施設名:スカラ・サンタ(Scala Sancta) 住所:Piazza St. Giovanni in Laterano, 14 - 00184 RomaTel:0329 75 11 111URL:http://www.scala-santa.com/index.php/en/営業時間:6:30〜18:30(夏季は〜19:00)、日・祝日7:00〜18:30(夏季は〜19:00)休み:無 加藤 亨延ジャーナリスト。日本の雑誌に海外事情を寄稿。専門は日・英・仏の比較文化。ロンドンにて公共政策学修士を修了後、東京で雑誌、ガイドブック制作に携わる。2009年9月よりパリ在住。取材などで訪れた先は約60ヵ国800都市。現地コーディネートも担当。趣味は飲物。各国蔵元とミネラルウォーターの源泉へ足を運ぶことがライフワーク。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。ご連絡はこちらまで。