イギリスには現在27つの世界遺産が登録されています。その1つであるポントカサステ水路橋は、ウェールズの北東レクサム群にあるスランゴスレン運河の一部。
1805年に完成したこの水路橋は、標高(38メートル)においても長さ(307メートル)においても、イギリス随一を誇ります。
自動車どころか鉄道もなかった時代に、大量の物資を運ぶ運輸面を支えていたのが水路。天然の海・川でカバーできない区域には、運河が大いに発達したのです。
じゃあ、蒸気エンジンもなかった当時の動力は?というと。
馬!!!!
そう、運河で活躍していたのは人力と馬力でした。そしてこのスランゴスレン運河には、今でも観光客用として馬が曳く運河ボートも航行しているんですよ。
水路橋へ向かうボートはエンジン搭載ですが、それでも速度は自転車よりずっと遅いほど。笑 ゆっくりと時間を忘れて、緑豊かなウェールズの自然を堪能するのに最適です。
スランゴスレンの乗り場を出発して一時間が過ぎる頃に、ようやくポントカサステ水路橋に差し掛かります。
橋の上から下を見下ろすと、地上に流れるディー川があります。
この水路橋、川の幅はボート一隻分しかないのですが、実は片側が歩道のようになっています。今では専ら人間(観光者&地元の人)とお散歩中の犬が通行しているけれど、元々はボートを曳いていた馬の道。
スケスケの手すりだけなので、高所恐怖症の人にはキツイかもしれませんね。笑
スランゴスレンの駅には蒸気機関車も定期的に走っているので、ボートの待ち時間などにプラットフォームへ寄ってみては如何でしょう。
ノスタルジックな空気に包まれて、ゆっくりウェールズの自然を満喫してくださいね!
【データ】
ポントカサステ水路橋(Pontcysyllte Aqueduct)
URL: https://www.pontcysyllte-aqueduct.co.uk/
住所(スランゴスレンのボート乗り場):Llangollen Wharf, Wharf Hill, Llangollen, Denbighshire LL20 8TA
Tel(同上): 01978-860-702
URL: https://www.horsedrawnboats.co.uk/
小野 雅子
ロンドン西郊外に住む会社員、職場はヒースロー空港周辺です。在英20年以上の経験値を発揮して、初めてイギリスへいらっしゃる方にも興味深く分かりやすいロンドン観光&生活ガイドとしてお役に立てれば…と思います。個人ブログ「ロンパラ!」はこちら♪