![料理よりも遺跡よりも、私がメキシコ文化で一番好きなものです!](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112714935.8.jpg)
日本における日本舞踊は、すっかり一部の人の特別なものになってしまいましたが、メキシコにおけるメキシコ伝統舞踊は、もっとずっと一般の人の生活に溶け込んだ、ポピュラーなものです。何しろ、一般の人でも、有名な曲の二、三曲ならすぐ踊れます、という人が沢山いるのです!(残念ながら、日本舞踊はとても、こういう状況ではありませんよね。)
カラフルな衣装と軽快な音楽は目にも耳にも華やかで、伝統舞踊の鑑賞は観光客にも人気のアトラクションです。メキシコシティーのベジャスアルテス宮殿のものや、オアハカのゲラゲッツァ祭が有名ですが、もっと気軽に見てみたい方には、各地にあるダンススクールの発表会や、コンクールがオススメです。無料でもプロを目指す人が通うスクールはレベルも高く、見応えがありますよ。
今回は先日見に行ったそのような発表会の中から、伝統舞踊導入編として、いくつか紹介してみたいと思います。
![マリアッチの装束とひだの多いスカートが特徴、ハリスコ州](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112719539.4..jpg)
伝統舞踊のショーに行ったら絶対出てくるのが、このハリスコ州の伝統舞踊。マリアッチの演奏で踊られます。一番有名な曲は「ハラベ・タパティオ」、冒頭の写真はそのラストシーンです。キスのポジションで終わる、情熱的なダンスなんですよ。
![「日本=忍者、侍」レベルの誤解なのですが…](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112722346.7..jpg)
おそらく、このマリアッチの装束こそメキシコのイメージ、と思っている方が沢山いるのではないでしょうか。実際は、本場のハリスコ州に行っても、この格好で街を闊歩している人はいません。笑 このようなショーであるとか、結婚式のときに着るものだそうです。
![ハリスコに並ぶ有名どころ、ベラクルス州のダンス](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112725197.4..jpg)
![真っ白なレースのドレスと、黒いエプロンが特徴](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112727823.8..jpg)
日本でも有名な「ラバンバ」、その原曲が生まれたのがこのベラクルス州です。原曲はマリンバで奏でられ、ポピュラーソングとしてアレンジされたものより、儚い印象。白尽くしのエレガントな雰囲気が、曲に良く合います。
![毛色を変えて、ミチョアカン州の「老人の踊り」](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112730494.1..jpg)
サパテアトを踏み鳴らしてスカートを大きく揺らして踊るハリスコやベラクルスと一線を画し、先住民の文化が色濃いのが、このミチョアカン州の「老人の踊り」。子どもが老人の仮面を被り、「年寄りの冷や水」がテーマのパントマイム的なダンスを踊ります。仮面はずっと被りっぱなしなのに、ちゃんと表情が見えてくるから不思議です。
![素朴さが魅力、オアハカ州のダンス](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112733290.2..jpg)
同じく先住民文化が強い地域として有名なのが、南部のオアハカ州。はだしや、ぺたんこのサンダルで踊られることが多く、それだけでもかなり印象が違います。いくつもの先住民がいるため、州の中でも音楽や衣装のバラエティーが豊富。南国らしい色鮮やかな衣装が多く、観光客でも着てみたくなるような可愛いものが沢山あります。
![お花の刺繍がカラフル、チアパス州のダンス](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112736273.1..jpg)
![リボンを編み込んでアップにした髪型も可愛い](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112739163.4..jpg)
チアパス州はオアハカ州の隣、グアテマラと国境を接する、これまた先住民の多い地域。ここまで派手なものではないにしろ、日常的に伝統衣装を着て生活している人が多くいる、エキゾチックな地域です。ペアでなく、女性だけで踊られるダンスも多く、華やかです。
![北部地域のダンス、これもメキシコ伝統舞踊なんです](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112741981.9..jpg)
スペインに侵略され、以降様々なヨーロッパからの文化を受け入れてきたメキシコ、実は北部ではチェコが起源と言われる二拍子のポルカが伝統舞踊として踊られています。チェック地のフリフリドレスにブーツ、明らかにメキシコに元々あったものではなく、異彩を放っているのですが、今ではすっかりメキシコの人々に愛されています。
![シックな装い、我が地元・ㇴエボレオン州のダンス](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112744773.7..jpg)
ㇴエボレオン州の伝統衣装は飾りが少なく、ダンス自体も他の地域と比べると、ステップもゆっくり目で大きな動きが少ないように思います。観光地では無いので、ショーアップされずにここまで受け継がれてきた為かな?と思うのですが、ㇴエボレオン州にはもう一つ、目玉となるジャンルがあるのです。
![カウボーイ&カウガール!!](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112747577.9..jpg)
それがこれ、ノルテーニョと呼ばれる音楽に乗せて、まさに西部劇の映画の中から抜け出てきたようなカウボーイ、カウガールスタイルでノリノリで踊ります。比較的、若い子(子供〜大学生くらい)によって踊られていることが多く、その可愛らしさといったらたまりません!
![何故、メキシコでカウボーイ?](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112750412..jpg)
何しろここㇴエボレオンは国境沿いの州、少し車を走らせれば、隣国アメリカのテキサス州はすぐそこなのです。メキシコにカウボーイ文化があることはあまり知られていないかもしれませんが、このスタイルはㇴエボレオンではごくごく一般的。
先ほど、マリアッチの装束の人は街中にいない!と書きましたが、ㇴエボレオンではカウボーイスタイルの人が、老いも若きも普通に街を歩いています。(以前住んでいたメキシコシティではテンガロンハットを被った人など見たことが無かったので、初めてこの街に来たときは、あまりのテンガロンハット×襟付きシャツの人の多さに、衝撃を受けました。笑)
![伝統舞踊で、妄想メキシコ一周旅行!](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112753030.9..jpg)
日程の限られた旅行で多くの街に足を運ぶのは難しいですが、伝統舞踊を見れば、各地方の伝統衣装やダンスのステップから、その地方の歴史や風土に想いを馳せることができます。
日本ではマイナーですが、メキシコにお越しの際には是非、溢れる笑顔と色彩の洪水・伝統舞踊の世界に、あなたも飛び込んでみて下さい。
【データ】
URL:http://www.carteleramonterrey.com/arte_y_cultura_monterrey/
arte_y_cultura_monterrey.htm
※モンテレイの文化イベントのカレンダー。伝統舞踊のコンクール等のスケジュールがチェックできます。
![観客を誘ってのダンスタイム、皆それなりに踊れるのが凄い!](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/img/16060603112756107..jpg)
![Sayaka](https://www.studyabroad.co.jp/files/blog/tabiisara/writer/103.jpg)
Sayaka
初めてのメキシコは、一年間の語学留学で訪れたメキシコシティ。今は仕事の都合で、二度目のメキシコ生活を通称「美男美女の街」「肉の街」のモンテレイで送っています。(名前に偽りなく、確かに美男美女は多いし、肉は美味しいです!)旅先で欠かせないのは、スーパーマーケット巡り・絵葉書を書く・各地の公共交通機関に乗ること。まだまだ旅行情報の少ないメキシコ、自分が「あったら便利」と思う情報を、どんどん共有していきたいと思います。