先日のフエ駅編の続編。列車に乗り込むと冷房が効いており、中も思っていたより清潔感があった。チケットの番号と照らし合わせ、自分たちの個室へ向かう。私たちはソフトベッドを予約していたので、4人1部屋だ。もしかしたら同室の客は居ないのではないかと淡い期待を抱いていただが、私たちが入室して数分後、大きなバックパックを背負った西洋人が2名入ってきて、4名部屋にみっちり4人詰められた。 ベッドには全て番号が振られており、チケットに書かれた通りのベッドへ各自移動する。下段はもちろん荷物を床に置くのだが、上段にもしっかり荷物を置くスペースがあり、むしろ泥棒が入ってきたとしてそっちの方が安全なんじゃないかと思う荷物置き場で少し羨ましかった。夜発の列車に乗ったため、列車が発車して寝転んでいると以外にもすぐに寝つくことが出来た。ガタンガタンと列車の揺れで刻むリズムが心地よかった。 朝方、列車のブレーキで目が覚める。私が寝ていたベッドは進行方向と逆だったため、ブレーキがかかると床に落ちそうになる(急ブレーキは一度もなかったが、それでもブレーキで体がもっていかれた)。そんなブレーキモーニングサービスのおかげで5時には目が覚め、ハノイ到着時間の正午までの約7時間の電車旅が始まるのであった。始めはベッドでゴロゴロしていたが、他の車両も見てみたい!という事で冒険へ出かける。車両は似通っており、きちんと自分の頭の中で「今何両移動した」と気にかけていないと分からなくなってしまう。(申し訳程度に号車ナンバーが書かれているが、各号車、書かれている場所が微妙に違うため探すのがめんどくさい)ソフトベッドの車両→ハードベッドの車両→ソフトシートの車両→ハードシートの車両→食堂車という感じで移動した。まず、ハードベッドの車両。ベッドが3段になっており、各自のパーソナルスペースは少ないが、個室の大きさはソフトベッドと変わらず夜の移動と考えれば問題ない様子だった。ベトナム人たちがトランプをしたり、お茶を飲んだりゆったりとした時間を過ごしていた。 ソフトシートは、日本の特急列車のような雰囲気。各自ボックスシートにして親戚、友人同士で座っていた。一番衝撃を受けたのはハードシートの車両。木ででき、背もたれは直角90度のベンチに老若男女たくさんの方が乗っていた。こんな席で長距離移動は厳しいであろう、かなり高齢の方も乗っておりなんだか心苦しくなってしまった。最後尾の車両には食堂車があった。車両のドアを開けると、みんなが一斉にこっちへ振り向く。「何か食べるかい?」と聞かれたが、「車内を探検してるだけだよ」というと、なぜか一斉に爆笑された。こんな風に人懐っこいベトナム人が大好きである。 探検のあとは、おとなしく自分たちの個室に戻り、ハノイでの観光計画を立てる。ベトナム名物の数多くのバイク、天秤を肩にかけてフルーツを打っている人、どこまでも続く田んぼ、家すれすれを走る時は少しスリリングであったが、そんな景色をボーっと眺めているのは、忙しい日本では出来ない贅沢な時間だった。そんなこんなで、ハノイ駅が近づく。車内は「ハノイ〜♪」とたまに「ハノイ」と単語が聞こえる音楽が大音量で鳴りはじめ、車掌さんも一つ一つドアをたたいて終点という事を知らせてくれる。英語でのアナウンスは無いが、確実にハノイに着いたことが分かる。(ちなみに、途中駅ではアナウンスは一切ないのでご注意いただきたい)約15時間のフエ〜ハノイ間の南北統一鉄道乗車。ベトナムで時間がある場合、飛行機ではなく電車での移動も情緒があっておススメだ。 みみごん旅行が大好きな関西人。学生時代に知った、「バックパッカー」スタイルの旅行がメインです。日本在住のため、日本からも訪れやすい国や地域の情報発信をしていきます!