車でワシントンDC(Washington DC)‐フィラデルフィア(Philadelphia)間を往復する場合、83号線（I-83N）から30号線（US-30E)に乗り、そこから222号線（US-222N) 、ターンパイク（I-76E）という経路を使う時、ペンシルバニア州のランカスター(Lancaster)を通ります。私もフィラデルフィアへ運転する時、好んでこのルートを使っています。
2年程前に222号線を降りたところにあるエフラタ(Ephrata)でのコンサートへ行く前にランカスターで食事をした際、アムトラックの駅の近くを通りかかりました。その時には寄ることが出来なかったので、先日久しぶりに駐車場に車を停めてゆっくりと駅の周りを散歩してきました。
この赤煉瓦の建物は、全米の鉄道旅客輸送をネットワークで繋ぐアムトラック(AMTRAK)によって運営されているランカスター駅。娘が大学生だったころ帰省の際によく利用していた駅です。
久しぶりに中に入ってみましたが、切符売り場のある2階のホールのアンティークのベンチや高い天井からぶら下がっているアールデコ調のライトは昔のままのようでした。
ボストン - ニューヨーク - フィラデルフィア - ワシントンD.C.間を結ぶ特急列車「アセラ・エクスプレス(Acela Express）」はこの駅には停まりませんが、「ザ・グレート・アメリカン・ステーションズ(The Great American Stations)」の統計によると、2015年度のこの駅の利用者は541,252人だったということです。
アメリカ合衆国の政府は、国内にある特定の建築物や建造物、地区や史跡を「国家歴史登録財(National Register of Historic Places)」と認定し、 内務省(United States Department of the Interior)内の機関である国立公園局(National Park Service)の管轄下でその資産を管理・保全していますが、1929年に建造されたこの駅も、国家歴史登録財(NRHP)として認定されています。この駅をはじめ、1889年に建てられた「セントラル・マーケット(Central Market )」 、国内で最も古い劇場と言われている「フルトン・オペラハウス(Fulton Opera House)」や「ハミルトン・ウォッチ・コンプレックス(Hamilton Watch Complex)」なども登録されており、ここランカスターは、アメリカ国内で国家歴史登録財が最も多い地区を持つ都市のひとつとして数えられています。
入口のドアの脇のベンチの横に立っていた大学生位の女の子に当時の娘の姿を重ねたり、ベンチの後方に建つ赤煉瓦の駅舎やアメリカの鉄道の歴史に思いを馳せたりしていると、あっという間に15分ほど経ってしまっていました。
私は、大急ぎで熱くなってしまっていた車内へ戻り、次の目的地のダウンタウンへと向かったのでした。
【データ】
ランカスター(LNC)駅
Lancaster, Pennsylvania
住所：53 McGovern Avenue Lancaster, PA 17602
URL：https://www.amtrak.com/servlet/ContentServer?pagename=am/am2Station/Station_Page&code=LNC
ランカスター駅営業時間：
URL：https://www.amtrak.com/servlet/ContentServer?pagename=am/am2Station/Station_Hours_Popup&pAssetID=
1229726268117&c=am2Station#S
アムトラック(AMTRAK)/全米鉄道旅客公社(National Railroad Passenger Corporation)
URL：https://www.amtrak.com/home
URL：https://www.facebook.com/Amtrak/?fref=ts&ref=br_tf&qsefr=1
URL：https://twitter.com/Amtrak?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
アメリカ合衆国国立公園局(National Park Service）
URL：https://www.nps.gov/nr/
THE GREAT AMERICAN STATIONS
URL：http://www.greatamericanstations.com/
CITY OF LANCASTER
URL：http://www.visitlancastercity.com/
舞林鳥 恵
80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。
