
日本の各都市の中心部には必ず公園が整備されています。公園の名称は地名や、ゆかりのある人物などを利用して親しみが感じられるよう工夫されています。ところがペルーやチリなど南米諸国の主要都市の心臓部にアルマス広場と呼ばれる公園が設けられています。アルマスはスペイン語で武器を意味します。市民の憩いの場であるはずの公園の名前にはふさわしいとは思えませんが、各々の都市が形作られるには大量の武具が使われたことを意味しているのかもしれません。

チリの首都サンティアゴのど真中にもアルマス広場があり、いつも数多くの人々で賑わっています。公園の中心では19世紀初めにベネズエラから南米諸国の独立のために戦ったシモン・ボリバルが剣を振りかざしています。豊かな緑で覆われる約100メートル四方の公園には、16世紀半ばにスペインから南米に渡りサンティアゴ市の基礎を築いたペドロ・デ・バルディビアの騎馬像や、ユニークなデザインの原住民インディオのモニュメントが設置されています。各々の像の背景を繋ぎ合わせればサンティアゴの歴史が浮かび上がってくるのです。



公園内の記念碑ばかりでなく、広場の北側に建つ建築物がサンティアゴの生い立ちをリアルに物語ります。西面の北端には2本の塔を備えたネオ・クラシック調の大聖堂が聳え立っています。都市建設を始めたバルディビアが、1558年にカテドラルを建設しキリスト教の布教を目指したのです。現在でもチリ・カトリック教会の総本山として多くの信者を集めています。

聖堂と共に公園の北西の角を作っているのはサンティアゴ中央郵便局です。フランス新古典主義建築の影響を受けた建築は、1882年に知事公邸として建てられたものです。その東に接するのは1808年に造営されたレアル・アウディエンシア宮殿です。現在は国立歴史博物館として利用されています。


そして公園の北東の角には近代的なサンティアゴ市庁舎が建っています。アルマス広場の北側には歴史的建造物が隙間なく建ち並んでいるのです。市庁舎の1階にはインフォーメーションがあり、旅行者に耳寄りな情報を提供してくれます。


公園の北西面にはヒストリカルな雰囲気が漲っていますが、南東側には現代のサンティアゴ市民の生活感が溢れます。公園の南に接する細長い建物の中には庶民的なレストランが軒を連ねています。サンティアゴの人々が日常的に食べる標準的な料理が手頃な価格で味わうことができるのです。



そして、東面のアーケードには日用品のショップが並んでいます。ファッション、電化製品まで日常生活に必要な物を揃えることができそうです。サンティアゴ心臓部のアルマス広場は歴史ばかりでなく、現在の市民の日常生活に触れることができる格好の場所なのです。

【アルマス広場へのアクセス】
サンティアゴ地下鉄 Linea 5 “Plaza de Almas”駅より徒歩約5分