中心地にありながら、美しい緑に囲まれた閑静な一軒家レストラン、ルウィンテラス。1908年に建てられたクラッシックな建物は、イギリス統治時代の高官の自宅として建てられ、ブラックアンドホワイトと呼ばれる、伝統的なコロニアル様式の建物となっています。「ジャパニーズフレンチフュージョン」という、日本の食材を取り入れた料理は、地元のグルメ雑誌や食のイベントなどで様々な賞を受賞し、高い評価を得ています。そして、フランス大使館などが主催して毎年行われている文化と食の祭典、ヴォワラ(Voilah!)フレンチフェスティバルとコラボレーションして、5月31日まで特別メニューを提供中です。エグゼクティブシェフの松本圭介シェフのフランスでの思い出をテーマに作られたメニューの数々を、コース仕立てにしていただきました。まず、青のり入りのパンとフランスパン、バターたっぷりのブリオッシュタイプと、ゆずみその入ったバター。日本風のひねりの効いたスタートです。 最初の一皿目は、カルパッチョ。フレッシュ・フィッシュ・カルパッチョ・リビエラ・スタイル(Fresh Fish Carpaccio Riviera style、S$36)。新鮮な生の鯛で、ジャガイモをくるみ、日本のスナップえんどうとグリーンサラダ、そしてブラックオリーブのパウダーで仕上げてあります。南フランス、モナコにもほど近い、イタリアとの国境のメントン(Menton)という街を訪れた際の思い出がベースになっているとか。松本シェフはここで、素材を生かした料理の技法を学んだのだとか。 続いては、ワインとチョコレートが名産であるエルミタージュ地域の思い出から、パン・フライド・フォワグラ・グリオット・チェリー・ソース(Pan Fried Foie-Gras Griotte cherry Sauce、S$36)。カリカリのブリオッシュ生地の上に、程よく焼き上げられたフォワグラ。上には香ばしいアーモンドが載っています。やや硬めに焼き上げたブリオッシュのバター、そしてアーモンドとチェリーの甘い香りとフォワグラが合います。 フランス料理の本場、ナントからは、ロブスターをクレープで包んだ、ロブスター・ラップド・イン・クレープ・ナントゥア・ソース(Lobstar wrapped in crepe Nantua Sauce、S$58)。北海道産の甘いロブスターをたっぷり詰め込んだクレープに、エシレバターを使った、ロブスターベースのソース。高級食材を惜しみなく使った、クラッシックで、どこか懐かしい一皿です。通常は日本の出汁を使ったりと、もっとフュージョン料理が出てくるレストランですが、今回はフレンチフェスティバルとのコラボレーションということで、クラッシックな味わいのフレンチに。どこかノスタルジックで、フランスの郷土の温かみを感じるものばかり。 そして、最後のデザートはパリのバタークレープ(Butter Crepe、S$18)。クレープに、ブラウンシュガーとエシレバターのパウダー、そしてほろ苦いキャラメルオレンジソース。エシレバターの香りを強調するために、上からはパウダーにしたエシレバターが。上質な素材を惜しみなく使い、素直においしいと思える料理ばかり。フランスの文化に根差した特別な一品、この機会に試してみてくださいね! <DATA> ■ Lewin Terrace (ルウィンテラス) 営業時間:ランチ 12:00〜15:00、ディナー 18:30〜23:00 (無休) 住所:21 Lewin Terrace Singapore, Singapore 179290(Coleman Street の消防署とプラナカン博物館の間から入ります) 電話: +65 6333 9905 アクセス:MRTシティーホール駅から徒歩10分ほど 仲山 今日子元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイド。ブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。