夏が短いスコットランド。その首都エジンバラの夏を彩るのが、エジンバラ城前の広場で行われるミリタリー・タトゥーです。ミリタリー・タトゥーとはバグパイプを吹く軍楽隊のパレードのこと。イギリスの軍隊だけでなく、海外の軍楽隊も招かれ盛大に行われます。 ミリタリー・タトゥー開催時期になると、エジンバラ城の広場には巨大な観覧席が組まれます。期間期間は8月の約3週間と長いですが、良い席は早い時期から次々埋まってしまうのため、もし参加を考えている場合は、早めにチケットを手配しましょう! 日本からは旅行会社が観覧チケット付きのツアーを催行していますし、公式サイトからも直接購入できるため個人でも購入可能です。 ミリタリー・タトゥー観覧に必須なのが雨ガッパ。スコットランドは天気が変わりやすく、始まる前は快晴だったとしても、観覧中に雨が降り出すことは多いです。折りたたみ傘でも良いのですが、周囲の視界を遮ったり物理的に邪魔になることもあるため、雨ガッパがお勧めです。直前に雨が降ると席が濡れたままです。それを拭き取るようなものや、敷くものがあっても重宝します。 一口に軍楽隊と言っても各国でかなり様相が異なります。2015年の参加国で言うと、アメリカ空軍は一糸乱れぬ技術を披露しつつも、どこかでユーモアが入る一方で、中国の人民解放軍は、それこそ生真面目にひたすらをパフォーマンス続けるなど、お国柄が出ます。軍服のデザインも伝統的なものから現代のものまで、各国で幅広いです。 夏以外のエジンバラは、どんよりとした雲と雨ばかりで、1年の大部分は天候的には観光に向いていません。そのためエジンバラの観光産業にとって8月は稼ぎ時。この時期の仕事が、1年の大部分の収入になるそうです。エジンバラ市内はミリタリー・タトゥー以外にも様々なイベントが行われ、毎日がお祭りのように盛り上がっています。短い夏を思いっきり楽しむ、エジンバラ市民の様子を垣間見れるはずです。【データ】名称:ミリタリー・タトゥー(Royal Edinburgh Military Tattoo)住所:Castlehill Edinburgh EH1 2NGTel:013 1225 1188URL:http://www.edintattoo.co.uk開催期間:8月5日〜27日 加藤 亨延ジャーナリスト。日本の雑誌に海外事情を寄稿。専門は日・英・仏の比較文化。ロンドンにて公共政策学修士を修了後、東京で雑誌、ガイドブック制作に携わる。2009年9月よりパリ在住。取材などで訪れた先は約60ヵ国800都市。現地コーディネートも担当。趣味は飲物。各国蔵元とミネラルウォーターの源泉へ足を運ぶことがライフワーク。フランス/パリの旬の話題を中心に更新していきます。ご連絡はこちらまで。