台湾の東部、花蓮縣のもっとも有名な観光地は「太魯閣（タロコ）国立公園」です。特に国家公園エリア内の太魯閣渓谷は、世界でも珍しい大理石の山々で囲まれた渓谷で、その壮大な景色を見たいと世界中から観光客が訪れます。様々な奇岩と川がつくりだす、美しい景色はいつか自然世界遺産にも登録されるだろうと言われています。
太魯閣国立公園は花蓮市内から車で約30分ほどの場所に位置しています。今回は花蓮市内から出発するツアーに参加して行ってみました。
まず初めに訪れた「清水断崖」は太魯閣国立公園の一番東に位置しています。台湾東部の高い山々から太平洋へと続く断崖が望めます。ターコイズブルーの海がとても綺麗で「台湾八景」の一つにも数えられています。
次は太魯閣渓谷に入ります。全長約200?に及ぶ太魯閣渓谷の横断道路には様々な絶景ポイントがあります。
太魯閣渓谷に到着し、まず最初にビジターセンターを訪れました。太魯閣国家公園についての様々な展示や、原住民族についての資料などを見ることが出来ます。辺りは一面標高の高い山々に囲まれ、どこを見渡しても圧巻の景色です。
ビジターセンターから砂卡礑（サカダン）トンネルに向かい、トンネルの手前で車両を降りて、徒歩で砂卡礑歩道へ向かいます。
砂卡礑歩道はもともと台湾原住民族の太魯閣族が狩りなどに使用していたとされる狭い小道で、「砂卡礑(Shakadang)」とは太魯閣族の言葉で臼歯を意味しています。その言われは様々ありますが、この道の途中で臼を彫り当てたからなどと言われています。日本統治時代には水力発電用のダム建設資材を運ぶために拡張され、現在はトレッキングコースとして人気の場所になっています。途中には実際に渡れる吊り橋などもあります。
天気の良い日には透き通った渓流の水の青さを見ることが出来ますよ。
赤い橋が見えたらそこを上ってきてくださいと言われていたので、階段で橋の上まで上ると、両端に白い大理石で彫られた獅子が並んでいました。これが砂卡礑渓にかかる砂卡礑橋です。ここでトレッキング体験は終了。また車に乗って別のポイントに移動します。
道すがら、ドライバーさんがヘルメットをレンタルしに行き、次は太魯閣渓谷の絶景ポイントとして有名な「燕子口」を目指しました。落石の危険があるため燕子口エリアの散策にはヘルメットの着用が必要です。ここでも車から降りて数百メートルの燕子口エリアを散策しました。
「燕子口」は岩壁に無数の小さな穴があいており、そこにツバメが巣を作っているため「燕子口」と呼ばれています。横断道路から下を見下ろすと深い谷底を見渡すことが出来、太魯閣渓谷の絶景をたっぷり味わえるポイントです。
太魯閣ツアーのところどころで車から降りて散策も出来るので、大自然を実際に肌で感じることが出来ます。写真では伝わりきらないほどの壮大な景色の中に行くと、普段の生活での悩みなども吹き飛んでしまいそうです。
この後、近くの休憩所で簡単な昼食を食べました。
最後に「長春祠」を訪れました。長春祠は、東西横貫公路の工事中に殉職した212名の霊が祀られている場所です。近くにはこの横断道路を作るために多くの人が携わり、いかに大変だったかを説明しているパネルがあり、ぜひ読んでいただきたいと思います。
ツアーの最後は花蓮市内に戻り「七星潭」へ行きました。七星潭は、「潭」と言う名前がついていますが、湖ではなく東側の海岸線です。深い水色の海で水平線まで広く見渡せます。天気が良ければ、東側の山々も見える絶景です。
ここで観光ポイントの見学は終わり、ホテルまで送ってもらいツアー終了でした。
大自然の太魯閣国家公園は台風や地震などの影響も受けやすく、現在入ることが出来ない場所も多々あります。人気エリアの一つ「天祥」エリアは大雨の影響で土砂崩れが発生し、今回行くことが出来ませんでした。また太魯閣渓谷の一番の絶景ポイントと言われる「九曲洞」も、以前落石による事故があったために、長い間入ることが出来なくなっています。また数年前の土砂崩れの跡などを通りすがりに見かけたり、大自然の中だからこそ、その美しさに惹かれ、またその怖さを肌で感じることも出来る場所です。 当日見れない場所があるのは残念ながら、自然の力には逆らえませんね。
台湾の東側は絶景ポイントが多くあると言われ、特に太魯閣渓谷は一生に1度は訪れたい場所と言われています。台北から発着の日帰りツアーなどもありますので、ぜひ太魯閣国家公園で台湾の美しい自然に触れてみてください！
【データ】
太魯閣国立公園 太魯閣國家公園 Taroko National Park
住所：台湾花蓮県秀林郷富世村291號
Tel： 03-8621100~6
URL：http://www.taroko.gov.tw/Japanese/
石井 三紀子
台湾人との国際結婚により2011年より台北在住。台湾で教育関係の仕事を経て、2012年より台湾現地旅行社にて台湾国内担当として勤務。2015年に旅行社退社後、今までの経験を生かし台湾のフリーライター、またデザイナーとして活動。
趣味は写真撮影と食べ歩き。強靭な胃袋(?)でローカルグルメから贅沢グルメまでを食べ歩き、フットワーク軽く台北だけでなく、高雄や台中をはじめとする都市にも出没。
くいしんぼうCAMのもっとおいしい台湾!!!! 
