シンガポールに住むこと約5年半。いつまでたっても目が離せないのは、基本的に地震がないとされるシンガポールならではの、面白いけどちょっとドキドキする建築デザイン。今回のコラムでは、観光スポットではないけれど、旅行中に目にしたらきっと「何あれ?」と聞きたくなる建築物をいくつかご紹介します。
まず観光地の場合、シンガポールのユニークな建築物の代表格はマリーナベイサンズホテル (Marina Bay Sands)。そして、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ (Gardens by The Bay) も、個人的には映画「風の谷のナウシカ」の世界だと思ってしまうほど奇抜なデザインが印象的です。
でも、観光地ではない建物となると、ガイドブック等ではあまり紹介されないため、旅行者の方にはいつまでたってもミステリーかもしれません。
例えば、セントーサ島やハーバーフロント付近で見かけるこの建物。カーブを描いた塔が特徴的で、実際近くまで行くとこの曲線の凄さにびっくりします。実はこれ、「レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ (Reflections at Keppel Bay) 」というコンドミニアムです。住んでる方の話によると、生活する分にはカーブは気にならないそうです。
こちらは、地下鉄MRTのクラークキー駅から徒歩2分ほどにある「パークロイヤル・ピッカリング (PARKROYAL on Pickering)」。同ホテル5階には、緑に囲まれた宿泊客専用のウェルネススペースがあり、ホテルの近くを通るたびに、そこにある鳥かご風のカバナに目を引かれます。カバナは屋外プールを囲んでいて、その中に座ってくつろげるようにもなっています。
2013年に完成したシンガポール西部にあるコンドミニアム「インターレース (The Interlace)」も注目すべき建築物のひとつです。まるで子供が適当に積み木を積み上げたような 、これこそ日本では考えられない斬新なデザイン。見るたびに「あり得ない」と思ってしまうユニークな建築物です。
そして、チャイナタウン地区を散策中に「あれは何?」と気になること間違いなしのこの建物。シンガポールでも有名な公営団地 (HDB) 「ピナクル@ダクストン (The Pinnacle@Duxton)」です。屋上50階にあるスカイブリッジは、7つの棟をつないでいて、S$5払えば誰でも入ることができます。シンガポールの中心街、コンテナが並ぶシンガポールの港やセントーサ島まで見渡せるこの絶景スポットは、筆者自身もまた行きたいオススメの場所のひとつです。
クラークキー地区にあるカラフルな窓が特徴的なこの建物は、実はシンガポール情報通信省 (the Ministry of Communication and Information) などが入っている役所。シンガポール建国前の1930年代に建てられ、以前は警察本部として使われていたため「オールド・ヒル・ストリート・ポリス・ステーション(the Old Hill Street Police Station)」と呼ばれています。虹色に塗られている窓は、全部で927あります。
いつまで建築ラッシュが続くのかと思うほど、新しいビルやマンションの工事現場をそこらじゅうで目にするシンガポール。あれ、いつの間に建ったの?とびっくりした建築物の1つが、ビジネス街タンジョンパガー地区にできた「オアシア・ホテル・ダウンタウン (Oasia Hotel Downtown) 」です。それもそのはず。同ホテルは今年4月にオープンしたばかり。金融街の高層ビルの合間に突然見えてくるこの赤いビルは、遠くからでも「あれ何?」と聞きたくなるほど目立っています。
シンガポールには、日本では見慣れないユニークなデザインの建物が沢山あります。こんなところに住んでみたいと思うものもあれば、こんな設計でも大丈夫?と思ってしまうものもあったり、驚きの連続です。旅先で面白い建築物を見つけるのも、シンガポールの楽しみ方のひとつかもしれません。
【データ】
レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ (Reflections at Keppel Bay)
住所:1 Keppel Bay View, Singapore 098402
URL:https://www.keppellandlive.com/residential/singapore/reflections-at-keppel-bay.html
パークロイヤル・ピッカリング (PARKROYAL on Pickering)
住所:3 Upper Pickering Street, Singapore 058289
URL:https://www.panpacific.com/ja/hotels-and-resorts/pr-pickering.html
インターレース (The Interlace)
住所:180 Depot Rd, Singapore 109694
URL:https://www.visitsingapore.com/ja_jp/see-do-singapore/architecture/modern/the-interlace/
ピナクル@ダクストン (The Pinnacle@Duxton)
住所:1 Cantonment Rd, Singapore 080001
URL: http://www.pinnacleduxton.com.sg/Location.html
http://www.pinnacleduxton.com.sg/Public.html(スカイブリッジ入場情報)
シンガポール情報通信省
住所:140 Hill Street #01-01A, Old Hill Street Police Station
URL:https://www.mci.gov.sg/web/corp/about-us/our-organisation/old-hill-street-police-station
オアシア・ホテル・ダウンタウン (Oasia Hotel Downtown)
住所:100 Peck Seah Street, S079333
URL:https://www.stayfareast.com/en/hotels/oasia-hotel-downtown-singapore
北野 洋子
2010年末よりシンガポール在住。元ロイター通信記者。
旅先では現地の人の生活を見るのが好きで、シンガポールでもホーカーセンターやローカル店での小さな発見を日々楽しむ。年間パスで何度も通うほどシンガポール動物園がお気に入り。