カジュアルな雰囲気で、おいしいクラフトビールや日本酒、そしてフュージョン系の巻き寿司が楽しめる、ニッケル・アンド・ダイム・サケ・バー(510 Sake Bar)。アメリカで5セント硬貨がニッケル、10セント硬貨がダイムと呼ばれていることから、ポケットの中にあるお金で気軽にお酒と料理が楽しめる、というのがコンセプト。常時100種類以上のクラフトビール、50種類以上の日本酒が揃っているというのも嬉しいところ。
日本の明治時代をイメージした、レトロでノスタルジックなムードに、外国から見た日本という、どこかエキゾティックな雰囲気が加わっています。
更に壁に描かれたNYのストリートアート風の壁画が、都会的な雰囲気を醸し出しています。
明治時代、日本に入ってきた西洋料理。日本独自の進化を遂げた料理の数々は、シンガポールでも「洋食(Yoshoku)」として紹介されています。そんな日本と西洋のフュージョンというべきメニューを、シンガポールの人たちにとっておなじみの、プルド・ポーク(豚肉をスモークしてから割いたもの)やブルーチーズ、チリソースを絡めたナッツなどで更にアレンジ、アーバン巻き(Urban Maki)という名の、斬新な巻き寿司などを編み出しました。そして、メニュー開発担当のフランク・シェン(Frank Shen)さんによる、おすすめのペアリングのビールや日本酒とともに楽しめる、新しい切り口のお店です。
プルド・ポーク巻き(Pulled Pork Maki、アラカルト:S$10、ビール1パイントとのペアリング:S$25)
フランクさんおすすめのペアリングは、ダブル・インディアン・ペール・エール( Double Indian Pale Ale)または銀嶺月山純米吟醸。フランクさんは、雪の下で醸造された日本酒。このプルド・ポーク巻きは豊かな風味があり、この日本酒は旨みがしっかりとしているのに、切れ味がいい。巻き寿司の辛みを拭い去ってくれる。また、ダブル・インディアン・ペール・エールは、しっかりとしたボディがあり、花やかんきつ類、草のような香りがあり、最後にホップの香りが残り、この巻き寿司の豊かな味わいと合う、とフランクさん。
シンガポール名物のチリクラブをイメージした、ホット・クラブ・アイピーエー・巻き(Hot Crab IPA Maki、アラカルト:S$15、ビール1パイントとのペアリング:S$30)。ペアリングのおすすめは、ラガーかピルスナービール、日本酒なら白川郷笹にごり純米吟醸だとか。IPAビールを加えたカニのディップソースに、キュウリ、ソフトシェルクラブの唐揚げと人参を巻いて、アクセントにナチョスのチップスを飾ったもの。
このにごり酒は他の日本酒と異なり、フィルターがかかっておらず、にごり酒の特性としてやや甘い風味を残していおり、優しい飲み口。ビールに関しては、ラガーやピルスナーなど、カニやソースに混ぜられたIPAビール風味を生かす、すっきりとしたフレッシュな味わいのものを選ぶとよいのだとか。
ブルーチーズ・ビーフ巻き(Blue Cheese Beef Maki、アラカルト:S$15、ビール1パイントとのペアリング:S$30)
ペアリングとしては、酸味のあるエールビール、シードル、または瑞鷹芳醇純米がおすすめとか。「瑞鷹芳醇純米は、香ばしくて複雑な味わいの黒麹を使っていて旨みとボディがあり、ブルーチーズが牛肉の甘みを引き立てる組み合わせの、この巻き寿司とのバランスが良い。また、食欲を刺激する酸味のあるエールビールやシードルとの相性も抜群」とフランクさん。
ランチタイムには、表面を軽くあぶったあぶり丼など、S$15で様々な丼が楽しめます。
このほかにも、唐揚げ(S$5)や枝豆(S$3)などの定番のおつまみメニューもお手頃価格。
居酒屋感覚で使えて、日本人からすると想像もつかないような組み合わせに、驚いたり、うなずいたり。異なった角度からの日本食を気軽に楽しみたい方に、おすすめです。
【データ】
店名:ニッケル・アンド・ダイム・サケ・バー(510 SAKE BAR)
住所:273 Thomson Road, Novena Gardens, Singapore 307644
Tel:+65-6256-0261
URL:http://www.nickeldimedrafthouse.com/#!510-sake-bar/c17dm
営業時間:11:00〜深夜(食事の提供は月曜〜木曜は22:30まで、金曜、土曜は24:30まで)
休み:日曜
仲山 今日子
元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイド。ブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。