サンフランシスコ・ミッション地区は、市内で最も古い地域ですが、最近はIT関連の方達にはすごく人気のエリアでいろんなアイディア、ガシェットの発祥地になっています。
そんないろんなものが生み出されているエリアに、ただお店のロゴだけがドアに貼り付いてる、知ってる人だけ知ってる風の店構えがメキシカンエッセンスたっぷりのカリフォルニア料理レストラン「カリフォルニオス(Californios)」です。
5時半オープンで予約も5時半、早く着きすぎてしまい私達が一番乗りでした。他にお客様もいないので思いき撮影OK、下準備も終了したキッチンもまだ静かです。カウンターは料理の出来上がる様子が見えるので好きなのですが、人数とコースの内容から2時間以上はかかり、テーブル席の方がゆったり食事ができると思い今回はテーブルで食事。
すごく清潔なオープンキッチンから次々いろんな料理が出てきました。ご覧ください。
コースの最初に食前酒と一緒に出される小皿料理をアミューズと言いますが、フィンガフードとフレッシュで甘酸っぱいストロベリードリンク(ノンアルコール)からスタートです。
なんともう一つお楽しみ小皿料理が出てきました。ムースペーストの上にバイトサイズのムール貝は、トルティヤクラッカーに乗ってました。
盛り付け位置がとてもユニークで、(そんな訳ないんですけど)持ってくる時にずれてしまったのかと勘違いしてしまいました。この器だとお箸が欲しくなりますね。
コースの途中にお口直し、箸休め的に「グラニテ(Granite)」と言われてる甘さを控えたシャーベットが出てくるのことがあります。マテ茶がかなり苦みが効いていてびっくり、花びらも乗っていたので少し甘いと思ったので油断してました、けど完全にお口がリセットできました。
トレビス(レタス)は、肉厚にもかかわらずとても柔らかく、少し温かいドレッシングで食感がさらに優しい。いいコンビのサラダでした。どうして料理がお皿の中心からずれているのか不思議でした。真ん中(一番へこんだところ)ではソース、ドレッシングが漬かり過ぎてしまうからちょっとずらして食べる側でソースの加減ができるように?何て思ったりしました。
全員が、「茶碗蒸しが出てきた」と言ってしまったムース。きめ細かなで柔らかく口に広がりなめらか、ブイヨン味がきちんと出ていてあっという間に食べちゃいました。
お味噌汁と言いたいのですが、赤だしの少しスパイシーなチリ風味味噌スープ。もう一つが耐熱グラスに入ると洒落た感じになりますが、ひよこ豆(Checkpea/Garbanzo)で作った味噌のスープは、オーナーシェフ・バルさんからお味見でどうぞということでした。
牛、羊とかの胸腺、膵臓部分の料理。リードボーあるいはシビレと言うと食べた事ある方もいらっしゃると思います。苦手な方でもいたりしますが、これはまったりとして濃厚なスィートブレッド(Sweetbread/Ris de Veau)でした。鮮度がいいのでしょうね、独特の臭みもなく美味しく仕上げってました。
噂には聞いていましたが、なかなか甘いマスク、こりゃ〜イケメンです。仕事中にわざわざ顔出してくれたので思わず拍手喝采。圧倒されたか?はにかんだ笑顔とお料理がなんかマッチしてるんです。作り手の顔が見えるレストラン好きです。
黒い器が多い中で、マーブル調のお皿でサーブされたのが、ホタテと焼きナス。可愛いナスの横にちょこんとくっついてる白い米粒状の物。実は、シェフが次の料理は「SHIO-KOJI」という言葉を使っていましたが、ナスを塩麹でグリル、ちっちゃいにもかかわらずナスのジューシーさがしっかりありました(これはもっと大きいナスで食べたかったぁ)
メインコースお肉料理の前には、パンが出てきますが、お焼き風のもっちりパンはついお代わりしちゃいました。カリフォルニア料理とはいえどこか懐かしさが所々に見られます。
とても柔らかい鴨肉にソティーしたスイスチャードのしっかりしたグリーンは、量は少なそうですがこれくらいで食べ応えは十分でした。
この段階でお腹いっぱい。ですが甘いものは別腹ですね。揚げ菓子(ベニエ)とナッツ系アイス。
スプーンですくったチョコレートをたら〜っとたらし始めて…瞬時にチョコ固まった!ついもう一回やって頂戴とお頼んでしまいました。
そして、コーヒーを飲んで2時間半のコース料理でした。コッテコテのメキシカンも美味しいし食べ応えがあっていいのですが、インスパイアされカリフォルニア風に生まれ変わった、そこにかなり日本のエッセンス満載のユニークなレストランでした。ミシュラン一つ星と言っても家族経営のパパママレストラン、こじんまりとしてとても暖かな雰囲気でした。
料理のカテゴリーという固定観念にとらわれないので、一皿一皿思わぬプレゼンテーションでやってきました。話題のレストランの写真を見てたりすると派手な盛り付けでどうやって食べるのか迷ってしまいそうなのもありますが、はにかんだ感じが料理に現れているのがそこなんです。どの料理もいいタイミングで提供されシェフのバルさんがきちんと食事をしている全員に気を配っているのがとてもよく分かりました。
【データ】
店名:カリフォルニオス(Californios)
住所:3115 22nd St San Francisco, CA 94110
Tel:415-757-0994
URL:http://www.californiossf.com/about.html
営業時間:17:30〜22:00
休み:日、月
美丸(Mimaru)
サンフランシスコ市内小さなアパート在住。未だ修学旅行気分の生活で激変するベイエリアの旬のネタをアナログ的な視点でお届けします。認定フードコーディネーター。好きな事:見物。