ワシントンDC以北の東部アメリカでは、桜祭りたけなわの昨今。メリーランド州ボルチモアのソメイヨシノも今満開ですが、市内では目下、桜祭りからかけ離れたユニークなイベント「ライト・シティ・ボルチモア2016」が開催されています。1816年にアメリカ合衆国で最も早くストリートにガス燈が灯されてから200周年に当たる今年、多数の団体や企業が協賛し、地元のアート・音楽・イノベーションの奨励や促進に取り組んでおり、3月28日から4月3日までの一週間、市内各地で数々の芸術的なイベントの競演が繰り広げられているのです。
インナー ハ−バー近くのリトル イタリー地区、クリスマス ストリートとして全国的に知られるハンプデン地区や、マッケルディン スクェアー、アメリカン ビジョナリー アート ミュージアム、ピア5ホテル、ボルチモア ビジターセンター、ハードロック カフェをはじめ、ミニ・ライト・シティ、ライトアップ・ザ・ ナイト・ステージやハーバー イーストのコンサート・ステージ等の特設会場でも開催される50のコンサート、100のパフォーマンスの数々は一週間では全てを回ることができないほど。地元の芸術の復興を図るための大イベントとして大いに注目されています。
3月29日に私が訪れたのは、ハーバーイーストのランカスター・ストリートにある特設会場「センター・ステージ」界隈。日暮れ前は、いつもと何ら変わりない落ち着いたヨットハーバーの風情です。
ウォーターフロントのフォーシーズンズ・ホテル(Four Seasons Hotel Baltimore)に隣接して建つレッグ・メイソン・タワー(Legg Mason Tower)の一階にはアンダー・アーマー(Under Armour)が入っており、すぐ手前には私も気に入っているレバノン料理のレストラン「レバニーズ・タベルナ(Lebanese Taverna)」他、数軒のレストラン・バーが建っています。この通りの手前の広場に「ライト・シティ・ボルチモア」のために特別に設営されたセンター・ステージがあり、ステージ脇にはファーストフードのワゴンが出店しています。ホールフーズ マーケット(Whole Foods Market)からも徒歩で5分程度なので、そこでサンドイッチや飲み物を購入した後港のベンチでミュージックを聴きながら軽くディナー、という過ごし方も楽しそう。
この日は、午後7時から、レッグ・メイソン・タワーの向かいのステージで地元のバンド、「セイビング・アポロ(Saving Apollo)」のコンサートが催されたのですが、彼らの熱演はもちろんのこと、オレンジ、紫、ピンク、ネオングリーンと、フォグに巻かれて目まぐるしく変化するライティングの効果にはあっぱれ! まるで光の祭典です。催眠術にかけられたかのように光と音楽の奏でる幻想の世界に引き込まれているうちに、1時間近く過ぎてしまっていました。
ちなみに、この日セイビング・アポロが熱演したオリジナルの楽曲は、ランアウェイズ(Runways)、ラブ(Love)、ムービングオン(Moving On)、レットイットアウト(Let It Out)、カムバックホーム(Come Back Home)、ディサピアー(Disappear)、ネバーレットゴー(Never Let Go)、ネバーゴーイングホーム(Never Going Home)他。カバーも含むと13曲とスケールの大きなコンサートになりました。彼らの次回のショーは、4月3日(日曜日)のペンシルベニア州の州都ハリスバーグのファーム・ショー・コンプレックス&エクスポ・センターに続き、4月9日(土曜日)はペンシルベニア州ランカスターのカメレオン・クラブ(Cameleon Club)というベニューだそうです。
「ライト・シティ・ボルチモア」のイベントは4月3日まで、このセンター・ステージだけでなく各地で行われていますので、カレンダーをご覧の上ぜひ! 夜間のイルミネーションはもちろんですが、昼間も、港の風景とともに今が旬の満開の桜がお楽しみいただけます。
【データ】
ライト シティ ボルチモア(Light City Baltimore)本部
住所:10 E. Baltimore Street, 10th Floor Baltimore, MD 21202
Tel: 410-752-8632
URL:http://lightcity.org/
セイビング・アポロ(Saving Apollo)バンド
ヴォーカル/リードギター:カル(Cal)
ベースギター:アレックス(Alex)
ドラムス:ボビー(Bobi)
URL:https://twitter.com/SavingApollo
URL:https://www.facebook.com/SavingApollotheband/
レッグ・メイソン・タワー(Legg Mason Tower)
住所:100 International Drive, Baltimore, MD 21202
Tel:410-454-2678
関連記事:
ボルチモア・サン紙
URL:http://www.baltimoresun.com/entertainment/light-city-baltimore/bs-ae-light-city-baltimore-20160326-story.html
ボルチモアCBS
URL:http://baltimore.cbslocal.com/2016/03/27/light-city-baltimore-massive-festival-featuring-music-innovation-kicks-off-monday/
ビズ・ジャーナル
URL:http://www.bizjournals.com/baltimore/news/2016/03/29/photos-light-city-baltimore-gets-underway-with.html
舞林鳥 恵
80年代後半から日米間を往復する暮らしを始め、現在DCから小一時間の田舎町で夫とのふたり暮らしを満喫しています。カントリーライフの醍醐味をHappyNest in Americaにて配信中。ワシントンDC周辺の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けします。