クチンは、マレーシアのボルネオ島側にあるサラワク州の州都で、人口は約65万人の街です。クチンとはマレー語で猫のことで、猫の街として有名です。毎年8月には猫祭りが開催されます。街の中心部はサラワク川南岸の旧市街地です。イギリス統治時代の建物やショップハウスが点在しており、ゆったりと時が流れるノスタルジックな雰囲気の街です。バコ国立公園、グヌンガティン国立公園、ダマイビーチなどサラワク州内に多数ある観光スポットの玄関口でもあります。
猫の街だけあって、街の中には猫にまつわるものがたくさんあります。
こちらは、街の中心部のロータリーにある猫ファミリーの像です。
パドゥンガン通り入口にある大きな白猫の像です。
毎年8月に行われる猫祭り「クチン・パレード」の起点となります。
クチンに来たら、是非立ち寄りたい撮影スポットです。
パドゥンガン通りにある白猫が4匹いる柱で、上部に南クチン市のシンボルマーク
が掲げられています。
ネコ博物館はクチン北市役所1階にあります。
世界各国のありとあらゆる猫に関するコレクションが展示されています。
猫の写真、置物、切手さらに剥製やミイラまであります。
懐かしいなめ猫、招き猫、ドラえもん、キティちゃんなど日本のものも結構幅を利かせています。
クチンの市内には、猫関係のスポットだけではなく、様々な見どころがあります。主なものをいくつかご紹介します。
クチンモスクはサラワク川の湾曲部の丘の上にあり、四隅にミナレット、金色のタマネギ型ドーム、ピンクの柱と壁が特徴で、クチンのランドマーク的存在です。
1968年9月20日に当時のマレーシア国王の宣言のもと開館され、4000人の参拝者を収容することが出来ます。
19世紀半ば、当時この地方はブルネイ王国に属していましたが、先住民たちの反乱を鎮圧した英国人冒険家のジェームズ・ブルックがクチン周辺の領土を譲り受け、白人王としてサラワク王国を築きました。ブルック家の支配は3代100年に及び、このため街には西洋風の建築物が今も残されています。
スクエア・タワーは、ウォーターフロント西側の広場にある白く四角い建物で、当初は刑務所として使われていました。その後、要塞、ダンスホールとして使用され、現在は観光客の為のマルチメディア・インフォメーションセンターとして使われています。
トゥア・ペッ・コンは、クチンで一番古い中国寺院です。ウォーターフロントとテンプル・ストリートの交差点の一段高い位置にあります。
本尊はトゥア・ペッ・コン(大伯公)またの名をホク・テク・チェン・ツン(福徳正神)といいます。
このお寺のデザインと方角は中国の風水に基づいており、信者によい風水をもたらすため、水と山の方角を向いています。 創建は1770年。以来、建物は何度か改築され現在に至っています。1884年のクチン大火事の時に焼失を免れた数少ない建物の1つで、1941年の日本軍占領時も周りは爆撃により破壊されましたがこの寺院は無傷でした。
サラワクの熱帯雨林と先住民族の文化を愛した2代目白人王、チャールズ・ブルックによって建てられた博物館(旧館)です。サラワクに生息する動物の剥製や標本、先住民の文化や信仰に関する展示を見ることができます。
クチンの真ん中にはサラワク川が流れ、南側が旧市街、北側には行政機関が集まっています。街の中心部には橋がなく、10人乗りの小さな小舟で行き来します。料金は50セント(0.5リンギット・170円程度)です。
昼間は暑いクチンですが、日が沈むと涼しくなります。川沿いの通路には、夜になるとお店が並び、多くの人たちでにぎわいます。
クチンは、夕日の名所です。ウォーターフロントでは、夕日がサラワク川を赤く染める美しい光景を目にすることができます。
クチンでおすすめのグルメをご紹介します。
こちらは、サラワクラクサです。特徴はカレーに似たスパイシーなスープと麺にビーフンを使うことです。キンカンとブラチャン(小エビを発行させて作る調味料)がつきもので、キンカンを少し絞ると味がマイルドになります。
もうひとつのおすすめグルメは、新鮮な魚です。クチンには、ボルネオ島近海でとれる新鮮な魚が食べられるレストランがたくさんあります。
街の中心に位置するビルの屋上にある、「トップスポットフードコート」は、何十軒ものシーフード店が集まるフードコートで、地元の人々や観光客でいつもごった返しています。
クチンの名物ラピスケーキです。一見食べるのを躊躇しそうなほど派手な色をしていますが、すべて天然素材で色付けされており、合成着色料は使用されておらず、安心して食べられます。驚くほど、たくさんの種類があります。市場などでもよく売られていますし、専門のお店もあります。
続いて、クチンのショッピングに関してご紹介しましょう。
サラワク川に面したメイン・バザール通りにそって、レトロでカラフルなショップハウスがずらりと並んでいます。
ほとんど、お土産屋さんと骨董品店です。お土産探しにはもってこいですし、見て歩くだけでも十分楽しめます。
郊外には、大型ショッピングセンターもあります。
ザ・スプリングは、2008年1月にオープンした、地下1階、地上4階建ての
大型ショッピングセンターです。
ウォーターフロントから車で10分ほど南に行った郊外にあります。
百貨店のパークソンや食品スーパーを始め、衣料品では、パディーニコンセプトストア、エスプリ、マンゴーなど国内外の人気ブランドが揃っています。
レストランやカフェなど多数入っている他、フードコートもあります。
店内は、明るい吹き抜け構造になっています。
クアラルンプールやコタキナバルに立ち寄らなくても、十分ショッピングを楽しむことができます。
クチンの観光、グルメ、ショッピングに関して、大まかに説明してまいりましたが、いかがだったでしょうか?日本人にとって、あまりなじみのない場所かもしれませんが、みどころの多い街です。映画「劇場版トリック」のロケ地として使われ、少し話題になりました。機会があれば、是非一度訪れてみてください。
【データ】
猫博物館(Cat Museum )
住所:Kuching North City Hall, Bukit Siol, 93050 Kuching, Sarawak
Tel:08-2446688
営業時間:09:00~17:00
休み:無休 (パブリックホリデーの初日は休館)
入場料:無料 カメラ付き携帯持ち込みRM3、デジタルカメラ持ち込みRM4、ビデオ持ち込みRM5
サラワク博物館(Sarawak Museum)
住所:Kuching North City Hall, Bukit Siol, 93050 Kuching, Sarawak
Tel:08-2244232
営業時間:月〜金 9:00〜16:45、 土・日・祝 10:00〜16:00
休み:無休 (パブリックホリデーの初日は休館)
入場料:無料
トップ・スポット・フード・コート(Top Spot Food Court)
住所:Jalan Padungan Bukit Mata Kuching, Kuching
営業時間:14:00-23:00 (店舗により異なる)
休み:無休
スプリング(The Spring)
住所:24 Jalan Simpang Tiga, 93300 Kuching
Tel:08-2238111
営業時間:10:00~22:00
休み:無休
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。