高鐡こと台湾高速鉄道を始め、様々な鉄道の起点となっている台北駅。台湾国内を鉄道で旅する人には、まさにここが出発点になります。しかし、台北市内に滞在する旅行では、意外と台北駅に立ち寄る機会は多くありません。
しかし、台北駅は電車に乗らなくても十分訪れる価値がある、観光地であり、ショッピングスポットであり、グルメスポットでもあります。そんな台北駅の魅力をご紹介します。
台北駅の外観です。真四角でどっしりとした建物です。
台北駅は地上6階、地下2階の建物で中心部は吹き抜けになっています。天井はガラス窓になっており、太陽の光が降り注ぎます。こんなに広いフリースペースが駅の中にある光景は、日本でもなかなか見られません。また、吹き抜けの開放感と全体的なデザインがすばらしく、ここを見に来るだけでも価値があります。
駅の1階には、この広場を中心に多くの売店があります。
お土産を買うなら、台北駅の1階で何でもそろいます。パイナップルケーキだけ見ても、何種類あるか数えきれまえん。
駅の構内なのでお弁当屋さんがあります。「台鐡弁当本舗」では、日本のように、色鮮やかなお弁当が何種類もそろっているという感じではありませんが、台湾独特のスタイルでなかなかおいしいお弁当が手に入ります。このお店は、1階の他、プラットホームがある地下1階にも店舗があります。
お弁当を買ってホテルで食べてみましょう。この排骨(パイクー)弁当、なんと1つ60元(約240円)です。
ご飯の上に、排骨と煮卵がドンと乗ったこのお弁当が、台湾駅弁の典型的なスタイルです。排骨の甘辛い汁がご飯にしみて最高です。
台北駅1階のお店を、もうひとつご紹介します。「台鐡夢工場」という、鉄道グッズのお店です。鉄道マニアのみならず、ちょっとしたお土産も手に入る普通の観光客にとってもなかなか楽しいお店です。
おすすめは、電車のマスキングテープ(1個99元)。様々な列車のものが揃っており、お子様向けのお土産としても喜ばれそうですね。
続いて、2階に上がってみましょう。
中央の吹き抜けの周りを、ぐるっと1周するレストラン街になっています。
このレストラン街には、日本食のレストランがたくさんあります。行列が2階から階段を下りて1階まで延々と続いているお店を発見してびっくりしました。「金子判之助」という天丼のお店で、東京三越前にある有名店です。日本でも行列の絶えないお店ですが、台湾でもすごい人気です。
大きなフードコートもあります。擔仔麺や小龍包といった台湾グルメもそろっています。先ほどのお弁当、ここで食べる手もあります。
地下街は、台北駅の地下からMRT台北駅、さらに三越のある駅の西側に向かってさらに伸びています。レストランや食品店だけでなく、文具、衣類、靴などさまざまなお店が並んでいます。
台北駅の周辺には、総統府、台北博物館、西門町などの観光スポットがたくさんあります。こういった観光地をみて回っても、電車に乗る必要性がないと、なかなか台北駅には立ち寄らないと思います。そこを、ちょっと寄り道してのぞいてみてください。台北駅も定番の観光地に負けない、おすすめのスポットです。
阿部 吾郎
24年間旅行会社に勤務した後、2013年に独立し「トラベルガイド株式会社」を設立。「人がそこに行きたくなる写真」をテーマに国内外で写真撮影を行っている。同社が運営するマレーシアの旅行情報サイト、トラベルガイド・マレーシアにも自身で撮影した写真が多数使われている。その他、旅行写真素材の販売、旅行記事の執筆、旅行会社へのコンサルティングなどを手掛る。最近はマレーシアに年4~5回程度渡航。その他、旅行会社時代の経験も含め得意な方面は、台湾、香港、マカオ、シンガポール、アイスランドなど。