パラッツオ・ボルゲーゼは、歴史ある宮殿の個室を借り切って格式のある豪華なパーティができます。ヨーロッパの深い味わいを堪能することができるこの場所は、元々は1400年代の有力貴族サルヴィアーティ家によって建造されました。
17世紀末にアンナ・マリア・サルヴィアーティとローマのマルカントーニオ・ボルゲーゼIV 世王子の結婚によりボルゲーゼ家の所有となり、1822年にボルゲーゼ公によって再建設された、ネオクラシック様式のパラッツオ・ボルゲーゼは、15世紀当時の豪華なシャンデリアや天井のフレスコ画、アンティーク家具で、当時の中世ヨーロッパへタイムスリップできます。
また、ナポレオンの妹ポーリーヌ・ボナパルトが、当時モテモテだったカミロ・ボルゲーゼ侯爵に嫁いで、結婚後新居にしていた宮殿でもあります。
しかしながら、その後2人は離婚しましたが、晩年にポーリーヌが癌を患ってしまい、もう一度あのパラッツオ・ボルゲーゼに戻りたいという願いがかない、ポーリーヌは結局元夫カミッロの傍で死期を迎えます。
その理由から、ボルゲーゼ家とボナパルティ家両家の立派な紋章が今でも飾られているのです。
現在は、豪華なパーティ、会議所、結婚式披露宴会場、ファッションショーなどいろんな企画で使われています。
このパラッツオがある通りは、ギベッリーナ通りといいますが、実はこの通りは、フィレンツェで一番長い直線の道であることでも有名です。その昔、シエナ軍皇帝派(ギベッリーニ)とフィレンツェ軍教皇派(グェルフィ)が権力争いを繰り返し、1260年トスカーナの渓谷モンタペルティにおける<モンタペルティの戦い>で皇帝派が勝利したのをきっかけに、城壁の(現在はヴェルディ劇場の場所)門を設けて町の拡張をし、ギベッリーナ門と名付けられ、続く通りをギベッリーナ通りと呼ぶことになりました。しかしながら5年後ローマ教皇の誘いに応じたフランス王国がグエルフィ同盟を結成し、ギベッリーニ(シエナ軍皇帝派)は孤立しました。
現在は有名なレストランや、彫刻の博物館もあり重要な通りの一つになっています。
【データ】
パラッツオ・ボルゲーゼ(PALAZZO BORGHESE)
住所 Via Ghibellina, 110 50122 Firenze (FI) Italia
Tel. (+39) 055. 2396293
ケイコ
大学卒業後、中学教員を経てイタリアミラノへ渡伊。フィレンツェ、ローマ、ナポリにも在住。昨年7月よりラスペツィアに移住。ローマ国立アカデミアサンタチェチーリア、イタリア国立音楽院修了。愛の妙薬でイタリアオペラデビュー。イタリアと日本で音楽活動を行う。趣味はF1観戦、ハーブティーを毎日飲む、メルカート(青空市場)で掘り出し物探し。ヨガ、ドッグシッター。兵庫県出身