トロピカル＝シックな大人のレストラン「フムフムヌクヌクアプアア」

こちらもグランド・ワイレアの続きですが、今回ご紹介するはホテル内のレストラン「フムフムヌクヌクアプアア」です。Humuhumunukunukuapua’aと綴ります。ハワイ語では「豚のように鳴く角ばった魚」と言う意味で、釣り上げると本当に「ブーブー」と鳴いているように聞こえるそうです。

ハワイ州の魚であり、その名前の長さから「発音できますか？」とハワイの人から冗談交じりに聞かれることも多いのですが、神話上では火の女神ペレと結婚したこともあるハンサムな半神カマプアアが化身した姿とされています。

カマプアアは雨と水を司る半神で、やがてペレと争うようになりますが破れ、魚に姿を変えて逃げ去ったそうです。半分神さまのもう半分は豚であったそうで、それでキラウエア火山に捧げものをする「ペレ信仰」では、今でも豚とフムフムヌクヌクアプアアが使われるとか。

その発音から、なんとなくおっとりしたものを感じていましたが、そんな熾烈な言い伝えがあるとは驚きです。名前だけ知っていて、トロピカルフィッシュの名前がついてほんわりと優しげというイメージから、伝説上の名前のついたカッコいいレストランと気持ちを改めました。

前置きはこれぐらいにして、このレストランの目印はエキゾチックなポリネシア風の藁葺き屋根で、私たちが滞在した部屋の目の前にありました。水上建築で、海水ラグーンに見え隠れする熱帯魚達、そしてサンセットディナーで有名だそうですが、5時半からのディナーのみなので、冬至直後のクリスマス時期は開店時間で既に暗く、見られなかったのが残念でした。

その時間になると店内もかなり暗く、トロピカル調のインテリアと相まって、かなり大人の雰囲気です。

ドリンクはトップの写真のストロベリー・マンゴー・ダイキリにしました。お酒が飲めない私はラム酒抜きです。かなり甘いのですが、フレッシュマンゴーを使ってあるせいか、後味はスッキリでした。

前菜は、カリッと焼いた薄いポテトケーキの上に焼きホタテ、ポイのペーストにトリュフを散らし、柚子の香りで引き締めた一品。

夫のメインディッシュのラムチョップはアプリコットと柚子のピュレを少量かけ回し、グリーントマトのサルサを添えたもの。彩りに食用のナスタチウムの花びらが散らしてありました。添えは人参のモロッコ風です。

私が頼んだマヒマヒ、たぶん小麦粉を叩いてカリッと焼いてあるのだと思いましたが、下に敷いた青梗菜と黒米との相性がよく、特に私は黒米をいただいたのが初めてで、風味の良さにびっくりしました。英語のメニューには「禁断の米（フォービドゥン・ライス）」と書いてあり、何事かとワクワクしながら頼んだこともありましたが、おそらく紫禁城の英訳がフォービドゥン・シティですから、中国野菜の青梗菜と合わせることで単純に「ブラックライス」とは書かなかったのではないかと思いました。

このあとデザートにチョコレートケーキを2人で分けたのに、なぜか写真を撮り忘れてしまいました。

私たちが行った夜だけだったのか、サーバーは男性ばかりでしたが、私たちのテーブルの担当は行き届いた人で、こちらをくつろがせて何でも質問させてくれる雰囲気をまとっていて、途中で様子を見に来る時もさり気なさが板についていて、とても気持ちよく食事が出来ました。毎週のようにサンフランシスコへ出張するため、たまにですが有名店での会食の機会もある夫が感心していたので、間違いのないところだと思います。

夕食どきだけの営業でキッズ向けのメニューもありますが、美味しいお酒と美味しい食事を大人の雰囲気で楽しむのをお勧めしたいレストランです。

【データ】
名称：フムフムヌクヌクアプアア（Humuhumunukunukuapua’a)
住所：3850 Wailea Alanui Dr, Grand Wailea Resort Hotel & Spa, Wailea, HI 96753
TEL：1(800) 888-6100
営業時間：バー　17:00 - 21:00、ディナー　17:30 - 21:00
URL：http://www.grandwailea.com/dine/humuhumunukunukuapuaa